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三百九十四話 協力者?
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ギルドに戻ったアラッドは上の者たちに伝えるべきであろう内容を伝えた。
そしてそれらの内容を伝えるとなると、あまり他の冒険者たちがいる前では話せない。
先日の暴走したオーガファイターとの一件についても再度話しながら、手掛かりになりそうな情報を伝える。
「ミノタウロスを一人で……さすがの一言だよ」
「ありがとうございます。ただ、今回は武器の力に頼った結果ですが」
自分の力だけで倒せたわけではない。
そう話すアラッドだが、冒険者にとっては武器も己の力の一つ。
上の連中たちもそれを理解しているため、言葉通りに受け取る者はいなかった。
「しかし、所有者の体に侵食するマジックアイテムか。どう考えても、市販の者ではないな」
「ダンジョンの宝箱に入っていた武器、ということですか」
「その可能性もある。墓荒しの被害にあった街には、ダンジョンを保有するところもある。だが……正直、君が戦ったミノタウロスが所有していた戦斧はダンジョン産の物ではないだろう」
ただの勘、されど勘とバカに出来ない感覚。
その街のダンジョンに関する情報が頭に入っているからこそ、口に出た内容でもある。
「最低でも、誰かが手を加えた……そう思える武器だ」
「つまり、墓荒しの黒幕。もしくは、黒幕に力を貸す人物の中にそういった事を行える錬金術師がいる、ということですね」
「そうなってしまうな」
ギルド職員とアラッドの間に、重苦しい空気が流れる。
(はぁ~~~……ますます一人でなんとかしたいな)
中々にヤバく、普通に考えれば一人では解決できない事態。
その普通を解らないアラッドではないが、それでもそんな事態を覆せる力を持っているからこそ、一人でなんとかしたいという、アホみたいな考えが湧いてしまう。
「しかし、本当に助かったよ。ミノタウロスが街の周辺をウロチョロしてれば、多大な被害が出たのは間違いない」
攻撃力や身体能力は言うまでもなく、攻撃魔法に対する耐性も決して低くない。
並みの攻撃ではダメージにならず、突き抜けた力を持たない者であれば、腐食の効果を持つ戦斧の餌食になるのは目に見えている。
「偶々運が良かっただけですよ」
決して被害がゼロであったわけではないが、アラッドが早々に遭遇したことで、被害が拡大しなかったのも事実。
「本当に謙虚だな。だが、これはしっかりと受け取ってもらうよ」
「……分かりました」
ミノタウロスの素材だけでもかなりの額になる。
報酬としてはそれで十分にも関わらず、ギルドからの特別報酬が渡された。
職員の表情を見て、今までの経験から絶対に断っても無駄な顔をしていると理解し、素直に受け取る。
「上の方に、直ぐにでもCランクへ昇格出来ないか掛け合っておくよ」
「えっと……その、無理なら無理で構わないので」
実力は申し分ない。
それは本人も自覚しているが、冒険者としての年数的にはまだまだ足りないことも自覚している。
「はっはっは! マジット君が気に入っているスーパールーキーをいつまでもDランクに居させる方が、無理というものだよ」
マジリストンの上役たちであっても、マジットの意見は無視出来ない。
暴論ではなく、マジットが見込みありと判断した人物は時間に差はあれど、同年代の冒険者たちと確実に差を広げている。
上役から有難い? 言葉を貰い、ロビーに戻れば素材の買取を頼む。
その際、道中で倒したミノタウロス以外の素材も提出。
そしてミノタウロスの素材に関しては全て売らず、いくつかはキャバリオンの素材として残した。
「こちらが買取金額になります」
「ありがとうございます」
マジットの同期である受付嬢は気を利かせ、驚きを表情に出さず査定と買取を行った。
それにより、アラッドがいつも以上に注目視される……ことはなかった。
ただ、出て行った後に実物を見たことがある者が気付き、ギルド内は再びアラッドの話題で埋め尽くされる。
そんな事も知らず、特別報酬を使って高級レストランで食欲を満たすアラッドだが……帰り道、不穏な気配を感じた。
そしてそれらの内容を伝えるとなると、あまり他の冒険者たちがいる前では話せない。
先日の暴走したオーガファイターとの一件についても再度話しながら、手掛かりになりそうな情報を伝える。
「ミノタウロスを一人で……さすがの一言だよ」
「ありがとうございます。ただ、今回は武器の力に頼った結果ですが」
自分の力だけで倒せたわけではない。
そう話すアラッドだが、冒険者にとっては武器も己の力の一つ。
上の連中たちもそれを理解しているため、言葉通りに受け取る者はいなかった。
「しかし、所有者の体に侵食するマジックアイテムか。どう考えても、市販の者ではないな」
「ダンジョンの宝箱に入っていた武器、ということですか」
「その可能性もある。墓荒しの被害にあった街には、ダンジョンを保有するところもある。だが……正直、君が戦ったミノタウロスが所有していた戦斧はダンジョン産の物ではないだろう」
ただの勘、されど勘とバカに出来ない感覚。
その街のダンジョンに関する情報が頭に入っているからこそ、口に出た内容でもある。
「最低でも、誰かが手を加えた……そう思える武器だ」
「つまり、墓荒しの黒幕。もしくは、黒幕に力を貸す人物の中にそういった事を行える錬金術師がいる、ということですね」
「そうなってしまうな」
ギルド職員とアラッドの間に、重苦しい空気が流れる。
(はぁ~~~……ますます一人でなんとかしたいな)
中々にヤバく、普通に考えれば一人では解決できない事態。
その普通を解らないアラッドではないが、それでもそんな事態を覆せる力を持っているからこそ、一人でなんとかしたいという、アホみたいな考えが湧いてしまう。
「しかし、本当に助かったよ。ミノタウロスが街の周辺をウロチョロしてれば、多大な被害が出たのは間違いない」
攻撃力や身体能力は言うまでもなく、攻撃魔法に対する耐性も決して低くない。
並みの攻撃ではダメージにならず、突き抜けた力を持たない者であれば、腐食の効果を持つ戦斧の餌食になるのは目に見えている。
「偶々運が良かっただけですよ」
決して被害がゼロであったわけではないが、アラッドが早々に遭遇したことで、被害が拡大しなかったのも事実。
「本当に謙虚だな。だが、これはしっかりと受け取ってもらうよ」
「……分かりました」
ミノタウロスの素材だけでもかなりの額になる。
報酬としてはそれで十分にも関わらず、ギルドからの特別報酬が渡された。
職員の表情を見て、今までの経験から絶対に断っても無駄な顔をしていると理解し、素直に受け取る。
「上の方に、直ぐにでもCランクへ昇格出来ないか掛け合っておくよ」
「えっと……その、無理なら無理で構わないので」
実力は申し分ない。
それは本人も自覚しているが、冒険者としての年数的にはまだまだ足りないことも自覚している。
「はっはっは! マジット君が気に入っているスーパールーキーをいつまでもDランクに居させる方が、無理というものだよ」
マジリストンの上役たちであっても、マジットの意見は無視出来ない。
暴論ではなく、マジットが見込みありと判断した人物は時間に差はあれど、同年代の冒険者たちと確実に差を広げている。
上役から有難い? 言葉を貰い、ロビーに戻れば素材の買取を頼む。
その際、道中で倒したミノタウロス以外の素材も提出。
そしてミノタウロスの素材に関しては全て売らず、いくつかはキャバリオンの素材として残した。
「こちらが買取金額になります」
「ありがとうございます」
マジットの同期である受付嬢は気を利かせ、驚きを表情に出さず査定と買取を行った。
それにより、アラッドがいつも以上に注目視される……ことはなかった。
ただ、出て行った後に実物を見たことがある者が気付き、ギルド内は再びアラッドの話題で埋め尽くされる。
そんな事も知らず、特別報酬を使って高級レストランで食欲を満たすアラッドだが……帰り道、不穏な気配を感じた。
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