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三百六十話 ようやく理解した
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アラッドが依頼書を受付嬢に渡し、依頼が受理されて冒険者ギルドから出た後、様々な言葉が飛び交う。
ベテラン達は再度、どう考えても頭のネジが一本以上外れていることについて話し始める。
ルーキーたちに関しては、やっぱりクロという良く分からないが、本能的にヤバいモンスターを従魔にしてるから強いんだ……なんていう嫉妬じみた話は起こらなかった。
先程の先輩冒険者とのやり取りに、少しばかり嫉妬は覚えた。
ただ…………ようやく、自分たちとは違い過ぎる人種なのだと感じた。
オークの群れと戦った翌日に、ユニコーンの角を探しに向かう。
どう考えてもおかしい。
スタミナが無尽蔵なのかと思ってしまうが、生物なので一応無尽蔵ではない。
今までの出来事なども含め、ようやくルーキーたちは、アラッドという存在に対し……嫉妬を覚えたり、敵視することは無意味だと悟った。
相変わらず話の種となっていることなど知らず、クロの背中に乗ってユニコーンの目撃情報がある森まで向かう。
(……数時間も掛らず到着できそうだな)
ゴルドス周辺は山岳地帯なので、目的の森まで向かうには……歩けば最低でも五日以上は掛かる。
道中のトラブルによっては、一週間以上かかってもおかしくない。
しかし、クロの脚力とスタミナに掛かれば、数時間もあれば余裕で到着出来てしまう。
山岳地帯ということもあり、森のように往く道を遮る物がないため、移動に手こずることもない。
(しかし、ユニコーンか……当然だけど、一度も会ったことがないんだよ)
会うどころか、見たこともない。
国で一番大きい美術館に行けば、剝製が飾られているが、基本的にそういった場所に興味がないため、見るとしたら今回の冒険が初めてとなる。
(どこかな美術館に剥製があるって聞いたけど、そういうことしてるから、処女であっても角を貰えなくなると思うんだが……貴族や商人は欲深いからな)
権力と金を持つ貴族や商人は、冒険者にモンスターの剥製を頼むことが多い。
剥製は無理でも、頭部を綺麗な状態で確保してほしい。
そうやって依頼された物は、職人の手によっては権力者たちの自宅に飾られる。
ユニコーンはその強さだけではなく、発見の難しさや逃げ足の速さから、剥製の価値が非常に高い。
一頭でも剥製にして売ることが出来れば、それだけで残りの人生を遊んで暮らせる大金が手に入る。
(角だけじゃなくて、毛まで薬の材料とかになるのに……まっ、俺が悩んだところで、どうこうなる話じゃないか)
貴族界の中でも、現時点でかなり名の知れた存在であるアラッドだが、ユニコーンを剝製にするのを禁止する!!!! なんて無茶を押し通そうとしても、他の問題が混ざって面倒なことになるのは間違いない。
(とにかく、依頼を受けたんだから、角は確実にゲットしたい……できれば、俺の分もゲットしたいところだが、今回は依頼主の分が最優先だ)
錬金術を嗜むアラッドにとって、ユニコーンの角は是非とも欲しい素材。
だが、ようやく目標だった冒険者になった。
目標の職業に就いたからには、それなりのプライドも芽生える。
「……スピードと粘着性の糸で追い込んで、スパッと切断……って感じで手に入れるのが一番か?」
頭の中でイメージするが……悪くはない。
悪くはないが、絶対に成功するとは断言出来ない。
「…………別に討伐することが目的じゃないんだし、クロに手伝ってもらうのもありか」
「ワゥ?」
追い込むスピードとして、クロの脚を活用……するのではなく、凶悪な殺気を利用する。
それにアラッドの狂化を使用した状態の殺気を加えて「お前はもう絶対に逃げられない」という現実を与え、動きを止める。
死を覚悟したユニコーンに近づき、角を切ろ落して即帰る。
今ぱっと思い付いたアイデアではあるが、中々悪くないと思い、プランの一つに組み込んだ。
ベテラン達は再度、どう考えても頭のネジが一本以上外れていることについて話し始める。
ルーキーたちに関しては、やっぱりクロという良く分からないが、本能的にヤバいモンスターを従魔にしてるから強いんだ……なんていう嫉妬じみた話は起こらなかった。
先程の先輩冒険者とのやり取りに、少しばかり嫉妬は覚えた。
ただ…………ようやく、自分たちとは違い過ぎる人種なのだと感じた。
オークの群れと戦った翌日に、ユニコーンの角を探しに向かう。
どう考えてもおかしい。
スタミナが無尽蔵なのかと思ってしまうが、生物なので一応無尽蔵ではない。
今までの出来事なども含め、ようやくルーキーたちは、アラッドという存在に対し……嫉妬を覚えたり、敵視することは無意味だと悟った。
相変わらず話の種となっていることなど知らず、クロの背中に乗ってユニコーンの目撃情報がある森まで向かう。
(……数時間も掛らず到着できそうだな)
ゴルドス周辺は山岳地帯なので、目的の森まで向かうには……歩けば最低でも五日以上は掛かる。
道中のトラブルによっては、一週間以上かかってもおかしくない。
しかし、クロの脚力とスタミナに掛かれば、数時間もあれば余裕で到着出来てしまう。
山岳地帯ということもあり、森のように往く道を遮る物がないため、移動に手こずることもない。
(しかし、ユニコーンか……当然だけど、一度も会ったことがないんだよ)
会うどころか、見たこともない。
国で一番大きい美術館に行けば、剝製が飾られているが、基本的にそういった場所に興味がないため、見るとしたら今回の冒険が初めてとなる。
(どこかな美術館に剥製があるって聞いたけど、そういうことしてるから、処女であっても角を貰えなくなると思うんだが……貴族や商人は欲深いからな)
権力と金を持つ貴族や商人は、冒険者にモンスターの剥製を頼むことが多い。
剥製は無理でも、頭部を綺麗な状態で確保してほしい。
そうやって依頼された物は、職人の手によっては権力者たちの自宅に飾られる。
ユニコーンはその強さだけではなく、発見の難しさや逃げ足の速さから、剥製の価値が非常に高い。
一頭でも剥製にして売ることが出来れば、それだけで残りの人生を遊んで暮らせる大金が手に入る。
(角だけじゃなくて、毛まで薬の材料とかになるのに……まっ、俺が悩んだところで、どうこうなる話じゃないか)
貴族界の中でも、現時点でかなり名の知れた存在であるアラッドだが、ユニコーンを剝製にするのを禁止する!!!! なんて無茶を押し通そうとしても、他の問題が混ざって面倒なことになるのは間違いない。
(とにかく、依頼を受けたんだから、角は確実にゲットしたい……できれば、俺の分もゲットしたいところだが、今回は依頼主の分が最優先だ)
錬金術を嗜むアラッドにとって、ユニコーンの角は是非とも欲しい素材。
だが、ようやく目標だった冒険者になった。
目標の職業に就いたからには、それなりのプライドも芽生える。
「……スピードと粘着性の糸で追い込んで、スパッと切断……って感じで手に入れるのが一番か?」
頭の中でイメージするが……悪くはない。
悪くはないが、絶対に成功するとは断言出来ない。
「…………別に討伐することが目的じゃないんだし、クロに手伝ってもらうのもありか」
「ワゥ?」
追い込むスピードとして、クロの脚を活用……するのではなく、凶悪な殺気を利用する。
それにアラッドの狂化を使用した状態の殺気を加えて「お前はもう絶対に逃げられない」という現実を与え、動きを止める。
死を覚悟したユニコーンに近づき、角を切ろ落して即帰る。
今ぱっと思い付いたアイデアではあるが、中々悪くないと思い、プランの一つに組み込んだ。
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