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十七話 悪くない気分
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「どうも、パーシブル侯爵に雇われたソルバースと申します。よろしくお願いします、アラッド様」
「こちらこそよろしくお願いします、ソルバース先生」
初めて対面したパーシブル家の三男であるアラッドに対し、ソルバースは好印象を抱いた。
貴族の令息や令嬢の臨時教師になれるというのは大変喜ばしいことではあるが、生徒の態度や親への報告発言によっては物理的に首が飛ぶ可能性がある。
嘘ではなくマジなのだ。
だが、侯爵家当主からの願いともなれば一錬金術師が断る訳にはいかない。
給金も妥当な額なので、ソルバースは今回の依頼を引く受けた。
(先生と呼ばれるのも悪くないですね)
教え子となった生徒は少々噂を聞いたことがある。
五歳児にはあまりにも優秀な知能を持つ子供であり、パーシブル家の歴史に名を残すであろう逸材。
そんな話を街でチラホラと聞いたことがある。
実際にその逸材と対面すると、その噂が真実であると理解した。
(何と言えばいいのか……知性を感じる眼だ)
纏う雰囲気が子供のそれではない。
高学年の学生……もしくは大人と話している様な気分になる。
「それでは、授業を始めます」
急遽臨時教師をすることになったソルバースだが、感覚でなんでもやってしまう天才肌ではないので、初心者に説明する分には事前に用意がなくとも授業ができる。
ただ、軽く一時間ほど質疑応答をしながら授業を行った結果……既にアラッドには基礎的な知識が身に付いていると解かった。
(侯爵様から最近興味を持ち始めたと聞いていましたが……もしや事前に予習といえるレベルで学習していたのでしょうか? これなら一般的なポーション、マナポーションの類ぐらいなら直ぐに造れそうですね)
本人の才能によって錬金術のスキルを習得出来るか否か決まる部分が大きい。
だが、ソルバースの直感がアラッドは絶対に錬金術のスキルを習得すると告げていた。
「アラッド様は、こういったマジックアイテムを造ってみたいという物はありますか?」
「魔剣や魔槍とか、そういった武器とか効果が付与されたアクセサリーには興味があります。ただ…………といった感じのマジックアイテムを将来的に造ってみたいと思ってます」
「ッ!!!! …………な、なるほど。それは、えっと……ゴーレムという存在をしってそういった物を造ってみたいと思ったのですか?」
「そうですね。錬金術でゴーレムを造れることに魅力を感じて、錬金術ならもっと改良して造ればそういった感じのマジックアイテムを造れるかもしれないと思いました」
「そ、そうですか……非常に柔軟な発想ですね」
アラッドが将来的に造りたいと思っているマジックアイテムの内容を聞き、是非ともそれは自分も造ってみたいと思ってしまった。
だが、自分の力量でアラッドが思い付いた存在を造れるか分からない。
そして今まで聞いたことがないアイデアをアラッドが出したので、生徒のアイデアを盗んではならないと思い、そっと頭の奥にしまった。
(そんなマジックアイテムを造ることができれば……男であれば是非とも使ってみたい物でしょう。ただ、値段はかなり高くなるでしょうから……購入できるのは素材によって値段は変動しますが、貴族や商人……ランクの高い冒険者や一部の騎士だけでしょうね)
アラッドにそのマジックアイテムが造れるようになるかは分からない。
だが、ソルバースはアラッドの将来が非常に楽しみで仕方なかった。
「ところで、アラッドは何属性の魔法を使用できますか? 持っている属性スキルによって付与される効果が少々変わるのですが」
「そうなのですか? 自分が読んだ本には載っていませんでした」
「そこまで大きく変わりはしませんからね。ですが、戦闘職であればその小さな差に助けられることもあるようです」
「そうなんですね……自分はこんな感じです」
そう言いながらソルバースは指先に球体を浮かべた。
「ッ!!!! こ、これは……ちょっと驚きましたね」
「先生にそう言ってもらえると嬉しいですね。ただ、自分の感覚ですけど全てに才能があるとは感じません」
「それは基本的にそうでしょう。スキルブックを使用することで才能がない方でも属性魔法を習得することできますが、自力で習得出来る方と比べれば雲泥の差です」
改めてアラッドのずば抜けた才覚を目にし、目の前の少年はまさしく鬼才だと認識した。
「こちらこそよろしくお願いします、ソルバース先生」
初めて対面したパーシブル家の三男であるアラッドに対し、ソルバースは好印象を抱いた。
貴族の令息や令嬢の臨時教師になれるというのは大変喜ばしいことではあるが、生徒の態度や親への報告発言によっては物理的に首が飛ぶ可能性がある。
嘘ではなくマジなのだ。
だが、侯爵家当主からの願いともなれば一錬金術師が断る訳にはいかない。
給金も妥当な額なので、ソルバースは今回の依頼を引く受けた。
(先生と呼ばれるのも悪くないですね)
教え子となった生徒は少々噂を聞いたことがある。
五歳児にはあまりにも優秀な知能を持つ子供であり、パーシブル家の歴史に名を残すであろう逸材。
そんな話を街でチラホラと聞いたことがある。
実際にその逸材と対面すると、その噂が真実であると理解した。
(何と言えばいいのか……知性を感じる眼だ)
纏う雰囲気が子供のそれではない。
高学年の学生……もしくは大人と話している様な気分になる。
「それでは、授業を始めます」
急遽臨時教師をすることになったソルバースだが、感覚でなんでもやってしまう天才肌ではないので、初心者に説明する分には事前に用意がなくとも授業ができる。
ただ、軽く一時間ほど質疑応答をしながら授業を行った結果……既にアラッドには基礎的な知識が身に付いていると解かった。
(侯爵様から最近興味を持ち始めたと聞いていましたが……もしや事前に予習といえるレベルで学習していたのでしょうか? これなら一般的なポーション、マナポーションの類ぐらいなら直ぐに造れそうですね)
本人の才能によって錬金術のスキルを習得出来るか否か決まる部分が大きい。
だが、ソルバースの直感がアラッドは絶対に錬金術のスキルを習得すると告げていた。
「アラッド様は、こういったマジックアイテムを造ってみたいという物はありますか?」
「魔剣や魔槍とか、そういった武器とか効果が付与されたアクセサリーには興味があります。ただ…………といった感じのマジックアイテムを将来的に造ってみたいと思ってます」
「ッ!!!! …………な、なるほど。それは、えっと……ゴーレムという存在をしってそういった物を造ってみたいと思ったのですか?」
「そうですね。錬金術でゴーレムを造れることに魅力を感じて、錬金術ならもっと改良して造ればそういった感じのマジックアイテムを造れるかもしれないと思いました」
「そ、そうですか……非常に柔軟な発想ですね」
アラッドが将来的に造りたいと思っているマジックアイテムの内容を聞き、是非ともそれは自分も造ってみたいと思ってしまった。
だが、自分の力量でアラッドが思い付いた存在を造れるか分からない。
そして今まで聞いたことがないアイデアをアラッドが出したので、生徒のアイデアを盗んではならないと思い、そっと頭の奥にしまった。
(そんなマジックアイテムを造ることができれば……男であれば是非とも使ってみたい物でしょう。ただ、値段はかなり高くなるでしょうから……購入できるのは素材によって値段は変動しますが、貴族や商人……ランクの高い冒険者や一部の騎士だけでしょうね)
アラッドにそのマジックアイテムが造れるようになるかは分からない。
だが、ソルバースはアラッドの将来が非常に楽しみで仕方なかった。
「ところで、アラッドは何属性の魔法を使用できますか? 持っている属性スキルによって付与される効果が少々変わるのですが」
「そうなのですか? 自分が読んだ本には載っていませんでした」
「そこまで大きく変わりはしませんからね。ですが、戦闘職であればその小さな差に助けられることもあるようです」
「そうなんですね……自分はこんな感じです」
そう言いながらソルバースは指先に球体を浮かべた。
「ッ!!!! こ、これは……ちょっと驚きましたね」
「先生にそう言ってもらえると嬉しいですね。ただ、自分の感覚ですけど全てに才能があるとは感じません」
「それは基本的にそうでしょう。スキルブックを使用することで才能がない方でも属性魔法を習得することできますが、自力で習得出来る方と比べれば雲泥の差です」
改めてアラッドのずば抜けた才覚を目にし、目の前の少年はまさしく鬼才だと認識した。
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