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千六十八話 集めた結果……
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「はぁ~~~~…………どうやら、本当にあの人たち、トロールシャーマンに負けたみたいだな」
「そのようですね」
昼から歩いて歩いて情報を集めた結果、本当に他の街から依頼を受けた冒険者たちがトロールシャーマンに負けたと知ったソウスケとミレアナ。
(どうやら、正確にはトロールシャーマンと、そいつが従えてたアンデットモンスターとの戦闘に負けたみたいだけど……それを考えたら、命を懸けて戦ったとしてもそういう結果になるか)
どういったアンデットモンスターを従えていたのか、そこまで詳細な情報は一日の間に手に入らなかったものの、彼らがシャーマンの配下だったアンデットモンスターは全て討伐したという情報は得ていた。
加えて、冒険者たちは一方的にトロールシャーマンにボコボコにされたのではなく、多くの傷を与え……複数の指を切断することに成功した。
敗走という結果になってしまったが、冒険者たちが大敗したわけではなかった。
「……面倒な流れになったな」
「トロールシャーマンと戦わなければならない可能性が高いから、ですか?」
「違う。それに関しては……ぶっちゃけな話、ザハークに任せれば良いだけの話だろ」
Bランクのモンスターであれば、仮に複数体いたとしても、ザハーク一人で十分討伐することが出来る。
普段から模擬戦を行っているソウスケは、その強さを身を持って知っている。
故に、ソウスケが心配している部分はそこではなかった。
「配下なモンスターは全て討伐した。親玉のトロールシャーマンにも大ダメージは与えた……ここで俺らが緊急事態だ!! つって挑んでみろ……既に別の地域に移動されてたらあれだけど、頑張れば走って探せる。探すことが出来れば、間違いなく討伐出来る」
「…………つまり、あの冒険者たちが、自分たちの獲物を横取りするような真似をしやがって! と怒り狂うかもしれないという事ですね」
「そういうことだ。トロールシャーマンに良いダメージを与えた……その話は、多分嘘じゃないと思ってる」
冒険者ギルドから依頼されてやって来た冒険者たちに対して鑑定は使用していないが、それでも雰囲気からある程度の実力は察していた……だからこそ、ソウスケはその情報を信じられた。
「そうですね……私も、その情報は嘘ではないと思います」
「だろ。結構ボロボロになって戻って来たみたいだけど、こっちはポーションを使えば怪我は何とか出来るだろ」
「……値は張るでしょうが、呪いを掛けられたとしても、彼らレベルであればなんとか出来るでしょうね」
「けど、トロールシャーマンの方は人間と比べれば回復力は高いだろうけど、回復系の魔法は戦闘中に使ってなかったみたいだし、次対峙した時に万全の状態に戻ってるとは断言出来ない」
短期間の間に遭遇出来れば、配下のアンデットモンスターが再編成されている可能性も低い。
そんな諸々の事情を考えれば……依頼を受けた冒険者たちがリベンジ出来る確率は間違いなく半分は上回っている。
「やっぱり、俺たちがわざわざトロールシャーマンを探して討伐するのは……ダメだと思わないか?」
「ダメか良いかで言えば……冒険者ギルドとしては、寧ろ嬉しいでしょうね」
ミレアナはソウスケの意見を反対するつもりはない。
そのつもりはないが……ただ、今回は淡々と事実を述べた。
「私たちが勝手に討伐したとなれば、冒険者ギルドも依頼料を払う必要はないですか」
「うっ……それは、そうかもな」
「ただ、私たちが勝手に動いてしまうことで、彼等から恨まれる可能性は高いでしょう」
まさにソウスケが避けたい流れ。
しかし、それは完全にソウスケの私情であり、力がある冒険者としては、あまりよろしくない姿勢である。
「という訳で、私としては彼らに直接話を聞いた方が早いと思います」
「そいつは……いや、でも…………はぁ~~~~。悩むだけ、時間の無駄か~」
大きなため息を吐くも、ミレアナの言う通りだと思ったソウスケは直ぐに動き始めた。
「そのようですね」
昼から歩いて歩いて情報を集めた結果、本当に他の街から依頼を受けた冒険者たちがトロールシャーマンに負けたと知ったソウスケとミレアナ。
(どうやら、正確にはトロールシャーマンと、そいつが従えてたアンデットモンスターとの戦闘に負けたみたいだけど……それを考えたら、命を懸けて戦ったとしてもそういう結果になるか)
どういったアンデットモンスターを従えていたのか、そこまで詳細な情報は一日の間に手に入らなかったものの、彼らがシャーマンの配下だったアンデットモンスターは全て討伐したという情報は得ていた。
加えて、冒険者たちは一方的にトロールシャーマンにボコボコにされたのではなく、多くの傷を与え……複数の指を切断することに成功した。
敗走という結果になってしまったが、冒険者たちが大敗したわけではなかった。
「……面倒な流れになったな」
「トロールシャーマンと戦わなければならない可能性が高いから、ですか?」
「違う。それに関しては……ぶっちゃけな話、ザハークに任せれば良いだけの話だろ」
Bランクのモンスターであれば、仮に複数体いたとしても、ザハーク一人で十分討伐することが出来る。
普段から模擬戦を行っているソウスケは、その強さを身を持って知っている。
故に、ソウスケが心配している部分はそこではなかった。
「配下なモンスターは全て討伐した。親玉のトロールシャーマンにも大ダメージは与えた……ここで俺らが緊急事態だ!! つって挑んでみろ……既に別の地域に移動されてたらあれだけど、頑張れば走って探せる。探すことが出来れば、間違いなく討伐出来る」
「…………つまり、あの冒険者たちが、自分たちの獲物を横取りするような真似をしやがって! と怒り狂うかもしれないという事ですね」
「そういうことだ。トロールシャーマンに良いダメージを与えた……その話は、多分嘘じゃないと思ってる」
冒険者ギルドから依頼されてやって来た冒険者たちに対して鑑定は使用していないが、それでも雰囲気からある程度の実力は察していた……だからこそ、ソウスケはその情報を信じられた。
「そうですね……私も、その情報は嘘ではないと思います」
「だろ。結構ボロボロになって戻って来たみたいだけど、こっちはポーションを使えば怪我は何とか出来るだろ」
「……値は張るでしょうが、呪いを掛けられたとしても、彼らレベルであればなんとか出来るでしょうね」
「けど、トロールシャーマンの方は人間と比べれば回復力は高いだろうけど、回復系の魔法は戦闘中に使ってなかったみたいだし、次対峙した時に万全の状態に戻ってるとは断言出来ない」
短期間の間に遭遇出来れば、配下のアンデットモンスターが再編成されている可能性も低い。
そんな諸々の事情を考えれば……依頼を受けた冒険者たちがリベンジ出来る確率は間違いなく半分は上回っている。
「やっぱり、俺たちがわざわざトロールシャーマンを探して討伐するのは……ダメだと思わないか?」
「ダメか良いかで言えば……冒険者ギルドとしては、寧ろ嬉しいでしょうね」
ミレアナはソウスケの意見を反対するつもりはない。
そのつもりはないが……ただ、今回は淡々と事実を述べた。
「私たちが勝手に討伐したとなれば、冒険者ギルドも依頼料を払う必要はないですか」
「うっ……それは、そうかもな」
「ただ、私たちが勝手に動いてしまうことで、彼等から恨まれる可能性は高いでしょう」
まさにソウスケが避けたい流れ。
しかし、それは完全にソウスケの私情であり、力がある冒険者としては、あまりよろしくない姿勢である。
「という訳で、私としては彼らに直接話を聞いた方が早いと思います」
「そいつは……いや、でも…………はぁ~~~~。悩むだけ、時間の無駄か~」
大きなため息を吐くも、ミレアナの言う通りだと思ったソウスケは直ぐに動き始めた。
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