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九百八十八話 読み合いの末
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(そろそろ終わりそうな気がしなくもないんだが……このままいくと、ややアマンダさんが不利……か)
戦いが進むごとに、ガルムの経験予測が成長。
直感という形に現れ、アマンダのカウンターを回避する場面が増えてきた。
だが、アマンダも歴戦の直感と防御技術によって今のところ大きな傷は負っていない。
(少し肌は切れてるが、ガルムの方はしっかりと斬られてる箇所がある。回復力は高い方だろうけど、この戦いの中で完全回復することはない……だろうけど、スタミナと魔力に関してはやっぱりガルムに分がありそうだな)
そろそろもう一度仕事をしなければならない。
今度はただ戦意を放つ……だけではなく、同時に数十の攻撃魔法を展開。
「っ!!!???」
戦意の解放だけであれば、ガルムは経験予測、ほんの少し前の出来事から学習して……もう一人の人間に意識は割くものの、二割から三割程度に留め、残りの意識は全てアマンダに残すことが出来た。
だが、今回は戦意の解放だけではなく、同時に無視できない魔力量を含んだ攻撃が多数展開された。
今度こそ遠距離攻撃が飛んでくるかもしれない。
そんな意識が、今回の戦いでは命取りになる。
「ッ!!!!!!」
この一撃で決める。
そんな気迫が込められた剛剣が振るわれた。
が…………ガルムは、そう来ることを読んでいた。
ソウスケの行動に意識こそ取られていたが、少し前に意識を取られ……どうなったかは忘れていなかった。
(おいおい……完璧にこっちの狙いを解ってるのかよ。いくらなんでも、ちょっと成長し過ぎじゃないか…………こいつが二、三回マジな戦闘経験を積んでたら、本気でサポートしなきゃ倒せなかっただろうな)
以前戦った二体のガルムよりも、戦闘センスは上だったかもしれない。
しかし……今回に限っては、アマンダという歴戦の騎士の方が一枚上手だった。
「刃ッ!!!!!!!!!!!」
「っ!!!!!!??????」
アマンダは冷静に、正しくガルムという圧倒的な強者が持つ戦闘力を評価していた。
持っているスキルのお陰という部分もあるが、戦いが進むにつれて自身の行動が把握され始めていた。
その事実を冷静に受け止めたが故に……ソウスケが戦意と攻撃魔法のセットでガルムの意識を自分に向けた瞬間、そのまま一回転するつもりで斬撃を行った。
これまでの戦闘経験から、ガルムは殆ど防御するという選択を取ってこなかった。
知能が高いモンスター故に、それをブラフに使ってくることも考えたが、やはり唯一防御に使えるであろう爪はガルムの中で究極の矛。
体を回転させ、宙に浮く……その何も出来ない瞬間を狙われ、振り下ろされた剛剣は見事ガルムの体を斬り裂いた。
(本当に、見事としか言いようがないな)
ソウスケはアマンダの勝利が決まった瞬間、全力ダッシュ。
血などの素材を無駄にしないよう、地面にぶちまけられる前に回収。
最後の一刀によって心臓が斬り裂かれており、まさかの事態が起こることなく回収された。
「っと、大丈夫ですか。アマンダさん」
「えぇ……大丈夫です」
ふらっとしたアマンダを速攻で支えるソウスケ。
ただ戦闘力が高いだけではなく、精神力も並ではないアマンダ。
しかし、予想はしていたものの、それ以上に精神の消耗が激しく、やや限界が近かった。
「……ソウスケさんは、よくあの怪物を一人で倒せましたね」
実際に戦い、戦闘を終えたからこそ解る……あれを一人で倒すのは非常に困難であると。
「俺の場合、アイテムや身体能力のゴリ押しに頼ってるだけで、何も凄くないですよ。クリムゾンリビングナイトとの戦いを観てから解った気でいましたけど、本当にアマンダさんの戦いっぷりは凄かったです」
「……ありがとうございます」
アイテムや身体能力に頼ろうとも、それらを十全に扱えなければ勝てる相手ではない。
そういった思いはあるものの……強者から褒められるのは、やはり悪い気分ではなかった。
戦いが進むごとに、ガルムの経験予測が成長。
直感という形に現れ、アマンダのカウンターを回避する場面が増えてきた。
だが、アマンダも歴戦の直感と防御技術によって今のところ大きな傷は負っていない。
(少し肌は切れてるが、ガルムの方はしっかりと斬られてる箇所がある。回復力は高い方だろうけど、この戦いの中で完全回復することはない……だろうけど、スタミナと魔力に関してはやっぱりガルムに分がありそうだな)
そろそろもう一度仕事をしなければならない。
今度はただ戦意を放つ……だけではなく、同時に数十の攻撃魔法を展開。
「っ!!!???」
戦意の解放だけであれば、ガルムは経験予測、ほんの少し前の出来事から学習して……もう一人の人間に意識は割くものの、二割から三割程度に留め、残りの意識は全てアマンダに残すことが出来た。
だが、今回は戦意の解放だけではなく、同時に無視できない魔力量を含んだ攻撃が多数展開された。
今度こそ遠距離攻撃が飛んでくるかもしれない。
そんな意識が、今回の戦いでは命取りになる。
「ッ!!!!!!」
この一撃で決める。
そんな気迫が込められた剛剣が振るわれた。
が…………ガルムは、そう来ることを読んでいた。
ソウスケの行動に意識こそ取られていたが、少し前に意識を取られ……どうなったかは忘れていなかった。
(おいおい……完璧にこっちの狙いを解ってるのかよ。いくらなんでも、ちょっと成長し過ぎじゃないか…………こいつが二、三回マジな戦闘経験を積んでたら、本気でサポートしなきゃ倒せなかっただろうな)
以前戦った二体のガルムよりも、戦闘センスは上だったかもしれない。
しかし……今回に限っては、アマンダという歴戦の騎士の方が一枚上手だった。
「刃ッ!!!!!!!!!!!」
「っ!!!!!!??????」
アマンダは冷静に、正しくガルムという圧倒的な強者が持つ戦闘力を評価していた。
持っているスキルのお陰という部分もあるが、戦いが進むにつれて自身の行動が把握され始めていた。
その事実を冷静に受け止めたが故に……ソウスケが戦意と攻撃魔法のセットでガルムの意識を自分に向けた瞬間、そのまま一回転するつもりで斬撃を行った。
これまでの戦闘経験から、ガルムは殆ど防御するという選択を取ってこなかった。
知能が高いモンスター故に、それをブラフに使ってくることも考えたが、やはり唯一防御に使えるであろう爪はガルムの中で究極の矛。
体を回転させ、宙に浮く……その何も出来ない瞬間を狙われ、振り下ろされた剛剣は見事ガルムの体を斬り裂いた。
(本当に、見事としか言いようがないな)
ソウスケはアマンダの勝利が決まった瞬間、全力ダッシュ。
血などの素材を無駄にしないよう、地面にぶちまけられる前に回収。
最後の一刀によって心臓が斬り裂かれており、まさかの事態が起こることなく回収された。
「っと、大丈夫ですか。アマンダさん」
「えぇ……大丈夫です」
ふらっとしたアマンダを速攻で支えるソウスケ。
ただ戦闘力が高いだけではなく、精神力も並ではないアマンダ。
しかし、予想はしていたものの、それ以上に精神の消耗が激しく、やや限界が近かった。
「……ソウスケさんは、よくあの怪物を一人で倒せましたね」
実際に戦い、戦闘を終えたからこそ解る……あれを一人で倒すのは非常に困難であると。
「俺の場合、アイテムや身体能力のゴリ押しに頼ってるだけで、何も凄くないですよ。クリムゾンリビングナイトとの戦いを観てから解った気でいましたけど、本当にアマンダさんの戦いっぷりは凄かったです」
「……ありがとうございます」
アイテムや身体能力に頼ろうとも、それらを十全に扱えなければ勝てる相手ではない。
そういった思いはあるものの……強者から褒められるのは、やはり悪い気分ではなかった。
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