928 / 1,043
八百九十八話 常に地震?
しおりを挟む
「おっ!!! 貫手が中までいったな」
「同じ個所を狙い続けていましたからね。確か、スラウザーマンモスは再生などのスキルや特性は有していません……いや、筋肉を収縮させて止血とかできましたっけ?」
「ん~~~~、そんな器用なタイプには思えないけど……仮に出来たとしても、そんな事に意識を使ってたらあっという間に持っていくだろうな)
スピードで勝り、打撃をクリティカルヒットし続けているザハーク。
ここにきてようやく戦況を傾け始めたが……スラウザーマンモスの体は二人が思っているよりも堅く、骨が砕けてなどはいないが、ザハークの拳や脚はそれなりに痺れていた。
(戦況は、俺が有利! 有利だが……ははっ!!! 思わず震える攻撃だな!!!!)
一か所に貫手をぶち込まれたとはいえ、まだまだその暴れっぷりは健全。
脚を踏み下ろすたびに地面が……階層が揺れ、大きな鼻が薙ぎ払われれば、余波で地面を抉る。
「二人の戦いが凄過ぎるからか、スラウザーマンモス以外にザハークを倒そうって奴はいないな」
「戦闘意欲が高いダンジョンのモンスターですら、あの戦いに割って入れば死ぬという明確なイメージが浮かんでしまうのでしょう」
「ってことは、そういう事を考えるタイプじゃなくても、自然と漁夫の利を得ようと動いてしまってるってことだな」
「そういう事になるかと」
第三騎士団の女性騎士たちは……そうなるダンジョンサインのモンスターたちの気持ちが凄く解る。
今、自分たちがあの戦いに割って入ろうものなら、速攻でぺしゃんこに踏みつぶされ、長い鼻による打撃で骨をボキボキに折られ、旋回した水流を纏う豪拳や疾脚などで即絶命してしまう。
ただ……彼女たちの中で、団長のアマンダだけが、自分ならあの激闘の中でどう戦うかを考えていた。
(斬る……切断する。スラウザーマンモスを相手には、それだけを考えるのが一番良さそうですね。出来ればあの脚のどれか一つを切断したいですが、その猶予を与えてくれるかどうか……そうなると、一番に狙うはあの鼻でしょうか。あれを切断できたのであれば、一気に選択肢を絞る事が出来る)
スラウザーマンモスをどうすべきかは、実行出来るかはさておき、ある程度の対処方法は思い付いた。
(…………強いということは彼女たちの模擬戦時から、今回のダンジョン内での実戦訓練で更に深く解った……つもりでいましたが……ソウスケさんは、よくあの程まで強大な戦闘力を持つオーガを従魔に出来ましたね)
ザハークを従魔に出来た……という点に関しては、かなりの豪運を発揮したと、本人も断言する。
元々は希少種ではあるものの、スタートはゴブリン。
ゴブリン時代に他のゴブリンたちを率いてソウスケとミレアナを襲おうとしたところ、ソウスケが普通のゴブリンとは違う個体だけを生かし……ザハークと名付け、自身の従魔として迎えた。
それからとんとん拍子でオーガへと成長していき、それからも激闘を重ねに重ね続け、現在の様にAランクという化け物を相手にも真っ向から戦えるほどに成長した。
(技で何とかしたいところですが、そちら寄りのソウスケさんやミレアナさんと共に行動をしてることを考えると、同じ事は出来ずとも対処方法は知っている……もしくは、無理矢理力で破ることも出来るのでしょうか?)
中々攻略の糸口が見えないが、脳内での攻略を決して諦めないアマンダ。
ただ、アマンダ頭の中であれこれ考えてるうちに……化け物同士の戦いにも終わりが見え始めた。
途中でスラウザーマンモスの踏み込みによって現れたマグマの柱が地面に噴出し、モロに食らってしまったザハークだが……焼ける肌を、体を無視して容赦ない打撃を浴びせることだけに集中。
因みに、離れた場所から観戦している女性騎士たちは、ザハークの焼けた肌を見て反射的に脳内イメージを浮かべ、勝手にダメージを食らっていた。
「同じ個所を狙い続けていましたからね。確か、スラウザーマンモスは再生などのスキルや特性は有していません……いや、筋肉を収縮させて止血とかできましたっけ?」
「ん~~~~、そんな器用なタイプには思えないけど……仮に出来たとしても、そんな事に意識を使ってたらあっという間に持っていくだろうな)
スピードで勝り、打撃をクリティカルヒットし続けているザハーク。
ここにきてようやく戦況を傾け始めたが……スラウザーマンモスの体は二人が思っているよりも堅く、骨が砕けてなどはいないが、ザハークの拳や脚はそれなりに痺れていた。
(戦況は、俺が有利! 有利だが……ははっ!!! 思わず震える攻撃だな!!!!)
一か所に貫手をぶち込まれたとはいえ、まだまだその暴れっぷりは健全。
脚を踏み下ろすたびに地面が……階層が揺れ、大きな鼻が薙ぎ払われれば、余波で地面を抉る。
「二人の戦いが凄過ぎるからか、スラウザーマンモス以外にザハークを倒そうって奴はいないな」
「戦闘意欲が高いダンジョンのモンスターですら、あの戦いに割って入れば死ぬという明確なイメージが浮かんでしまうのでしょう」
「ってことは、そういう事を考えるタイプじゃなくても、自然と漁夫の利を得ようと動いてしまってるってことだな」
「そういう事になるかと」
第三騎士団の女性騎士たちは……そうなるダンジョンサインのモンスターたちの気持ちが凄く解る。
今、自分たちがあの戦いに割って入ろうものなら、速攻でぺしゃんこに踏みつぶされ、長い鼻による打撃で骨をボキボキに折られ、旋回した水流を纏う豪拳や疾脚などで即絶命してしまう。
ただ……彼女たちの中で、団長のアマンダだけが、自分ならあの激闘の中でどう戦うかを考えていた。
(斬る……切断する。スラウザーマンモスを相手には、それだけを考えるのが一番良さそうですね。出来ればあの脚のどれか一つを切断したいですが、その猶予を与えてくれるかどうか……そうなると、一番に狙うはあの鼻でしょうか。あれを切断できたのであれば、一気に選択肢を絞る事が出来る)
スラウザーマンモスをどうすべきかは、実行出来るかはさておき、ある程度の対処方法は思い付いた。
(…………強いということは彼女たちの模擬戦時から、今回のダンジョン内での実戦訓練で更に深く解った……つもりでいましたが……ソウスケさんは、よくあの程まで強大な戦闘力を持つオーガを従魔に出来ましたね)
ザハークを従魔に出来た……という点に関しては、かなりの豪運を発揮したと、本人も断言する。
元々は希少種ではあるものの、スタートはゴブリン。
ゴブリン時代に他のゴブリンたちを率いてソウスケとミレアナを襲おうとしたところ、ソウスケが普通のゴブリンとは違う個体だけを生かし……ザハークと名付け、自身の従魔として迎えた。
それからとんとん拍子でオーガへと成長していき、それからも激闘を重ねに重ね続け、現在の様にAランクという化け物を相手にも真っ向から戦えるほどに成長した。
(技で何とかしたいところですが、そちら寄りのソウスケさんやミレアナさんと共に行動をしてることを考えると、同じ事は出来ずとも対処方法は知っている……もしくは、無理矢理力で破ることも出来るのでしょうか?)
中々攻略の糸口が見えないが、脳内での攻略を決して諦めないアマンダ。
ただ、アマンダ頭の中であれこれ考えてるうちに……化け物同士の戦いにも終わりが見え始めた。
途中でスラウザーマンモスの踏み込みによって現れたマグマの柱が地面に噴出し、モロに食らってしまったザハークだが……焼ける肌を、体を無視して容赦ない打撃を浴びせることだけに集中。
因みに、離れた場所から観戦している女性騎士たちは、ザハークの焼けた肌を見て反射的に脳内イメージを浮かべ、勝手にダメージを食らっていた。
応援ありがとうございます!
44
お気に入りに追加
4,658
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる