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八百九十六話 早めに終わらせてね
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(うわぁ~~~~……そうだよな~~~。ゴーレムに睡眠とかいらないもんな)
解体中のソウスケの元へ堂々と、真正面から現れたのは巨大サイズのマグマゴーレム。
「ん~~~……魔石はいっか」
「ッ!!!!!」
魔石は要らない。
素材だけ回収できれば良いと判断し、右手に普段以上に水の魔力を集中させ、一本の強力な水槍を生み出す。
「おりゃっ!!!」
身体強化と剛腕を発動し、原動力である魔石に向かって全力投擲。
どういった攻撃が飛んでくるか予想出来た巨大マグマゴーレムは両腕をクロスし、炎の魔力を纏ってガードを固めるも……放たれた水槍は両腕と強固なボディを貫き、そのまま魔石を砕いた。
「ほいほい、ほいほいほいっと。こいつらは斬るだけで解体が済むから、そこは良い点だよな」
アクシデント? はあったものの、解体は続行。
途中でミレアナも加わったことで、翌日万全な状態で活動する為の睡眠時間は十分に確保できた。
「おはようございます。今日も元気に頑張っていきましょう」
ソウスケの掛け声に……女性騎士たちは答えるものの、その声には明らかに疲れが残っていた。
(まっ、当然だろうな。暑さ対策の装備を身に付けているとはいえ、いざ戦闘が始まれば動き回るんだ。結局は暑さを感じることになるし、Bランクやモンスターレベルがそれなりに高いCランクモンスターとの戦闘を何度も繰り返した……もしかしたら、今回の探索は一度に最下層まで降りない方が良いかもしれないな)
騎士団長であるアマンダは普段通りに戦えているものの、彼女の部下である女性騎士たちは戦闘で怪我を負うことも珍しくない。
「そういえばソウスケさん、ボスのクリムゾンリビングナイト以外のAランクモンスターと遭遇した場合、どうするんだ」
「どうって…………ザハーク、お前は戦いたいんだろ」
「そうだな。しかし、今回の探索は彼女たちの実戦訓練がメインだろ」
ザハークがAランクという最高のバトル相手が見つかったとしても、我慢しようかと考えている。
その事実にソウスケとミレアナはほんの数秒驚き固まるも、パーティーのリーダーは直ぐにどうすべきかを考え始めた。
「…………十分、だな。十分以内に倒す。それが出来るなら、ザハーク一人でAランクモンスターと戦っても構わない」
「……本当に、良いのか?」
「男に二言は無しってやつだ。あっ、でも相手がガルムだった場合は俺かミレアナも手を貸す。それだけは了承してくれ」
「そうだな……仕方ない、というやつだな」
やれやれ、ソウスケさんは……主人は心配性だな~~、という意味の仕方ないではない。
希少種のオーガであるザハークはAランクモンスターと比べても全く劣らない身体能力を有しているが、ガルムという巨狼はスピードで完全にザハークを上回っている。
これから先どうなるかは解らないが、少なくとも……現時点ではザハークにとって相性が良くない相手であるのは間違いない。
(ガルムというモンスターでなければ、本当に一人で戦うのですね)
(……私たち、眼で追えるでしょうか)
参考になるか否かは置いておき、ザハークとAランクモンスターのガチバトルは……金を払ってでも観たい。
しかし、ザハークが本気になれば当然、彼女たちは必至で目で追わなければ戦況を把握出来ない。
そしてAランクモンスターも彼女たちより身体能力が高いことは確定しているため、万が一……折角の好カードの戦いが目で追えないという可能性があった。
だが、二日後の昼過ぎ…………五十五階層で、遂にAランクモンスターを発見。
「ソウスケさん……我慢しなくても、良いんだよな?」
「あぁ、我慢しなくても良いよ。ただ、十分以内には倒して戻ってきてくれよ」
「了解!!!!!!!!!」
主人の最終許可を貰い、ザハークは嬉々とした表情でまだ自身に気付いていない強敵の元へ走る。
その強敵とは……以前Aランク冒険者であるワード、エル、レノア、ソフィーが四人で討伐した巨大モンスター、スラウザーマンモス。
解体中のソウスケの元へ堂々と、真正面から現れたのは巨大サイズのマグマゴーレム。
「ん~~~……魔石はいっか」
「ッ!!!!!」
魔石は要らない。
素材だけ回収できれば良いと判断し、右手に普段以上に水の魔力を集中させ、一本の強力な水槍を生み出す。
「おりゃっ!!!」
身体強化と剛腕を発動し、原動力である魔石に向かって全力投擲。
どういった攻撃が飛んでくるか予想出来た巨大マグマゴーレムは両腕をクロスし、炎の魔力を纏ってガードを固めるも……放たれた水槍は両腕と強固なボディを貫き、そのまま魔石を砕いた。
「ほいほい、ほいほいほいっと。こいつらは斬るだけで解体が済むから、そこは良い点だよな」
アクシデント? はあったものの、解体は続行。
途中でミレアナも加わったことで、翌日万全な状態で活動する為の睡眠時間は十分に確保できた。
「おはようございます。今日も元気に頑張っていきましょう」
ソウスケの掛け声に……女性騎士たちは答えるものの、その声には明らかに疲れが残っていた。
(まっ、当然だろうな。暑さ対策の装備を身に付けているとはいえ、いざ戦闘が始まれば動き回るんだ。結局は暑さを感じることになるし、Bランクやモンスターレベルがそれなりに高いCランクモンスターとの戦闘を何度も繰り返した……もしかしたら、今回の探索は一度に最下層まで降りない方が良いかもしれないな)
騎士団長であるアマンダは普段通りに戦えているものの、彼女の部下である女性騎士たちは戦闘で怪我を負うことも珍しくない。
「そういえばソウスケさん、ボスのクリムゾンリビングナイト以外のAランクモンスターと遭遇した場合、どうするんだ」
「どうって…………ザハーク、お前は戦いたいんだろ」
「そうだな。しかし、今回の探索は彼女たちの実戦訓練がメインだろ」
ザハークがAランクという最高のバトル相手が見つかったとしても、我慢しようかと考えている。
その事実にソウスケとミレアナはほんの数秒驚き固まるも、パーティーのリーダーは直ぐにどうすべきかを考え始めた。
「…………十分、だな。十分以内に倒す。それが出来るなら、ザハーク一人でAランクモンスターと戦っても構わない」
「……本当に、良いのか?」
「男に二言は無しってやつだ。あっ、でも相手がガルムだった場合は俺かミレアナも手を貸す。それだけは了承してくれ」
「そうだな……仕方ない、というやつだな」
やれやれ、ソウスケさんは……主人は心配性だな~~、という意味の仕方ないではない。
希少種のオーガであるザハークはAランクモンスターと比べても全く劣らない身体能力を有しているが、ガルムという巨狼はスピードで完全にザハークを上回っている。
これから先どうなるかは解らないが、少なくとも……現時点ではザハークにとって相性が良くない相手であるのは間違いない。
(ガルムというモンスターでなければ、本当に一人で戦うのですね)
(……私たち、眼で追えるでしょうか)
参考になるか否かは置いておき、ザハークとAランクモンスターのガチバトルは……金を払ってでも観たい。
しかし、ザハークが本気になれば当然、彼女たちは必至で目で追わなければ戦況を把握出来ない。
そしてAランクモンスターも彼女たちより身体能力が高いことは確定しているため、万が一……折角の好カードの戦いが目で追えないという可能性があった。
だが、二日後の昼過ぎ…………五十五階層で、遂にAランクモンスターを発見。
「ソウスケさん……我慢しなくても、良いんだよな?」
「あぁ、我慢しなくても良いよ。ただ、十分以内には倒して戻ってきてくれよ」
「了解!!!!!!!!!」
主人の最終許可を貰い、ザハークは嬉々とした表情でまだ自身に気付いていない強敵の元へ走る。
その強敵とは……以前Aランク冒険者であるワード、エル、レノア、ソフィーが四人で討伐した巨大モンスター、スラウザーマンモス。
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