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八百九十話 真に受けてはならない
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「こちらが買取金額になります」
「どうも」
アマンダたちから頼まれている事に必要な素材以外は全て売却。
あまりBランクモンスターの素材はなく、Cランクモンスターの素材に関しても冒険者たち程素材の質を考えて倒せてはいないが……それでも数が数であるため、当然……買取金額は白金貨以上となる。
見た目、まだようやっと青年ほどの冒険者がその様な大金を持っていれば、バカなことを考える輩が現れるものだが……学術都市では既にそういったバカが何人かソウスケたちによって潰されている。
そのため、帰るまでの道中でソウスケがアホな輩に絡まれることはなかった。
(……余生はこの街で過ごすのもありかもな)
まだまだ冒険者人生を続ける気満々のソウスケだが、前回アホなバカたちをそれなりに潰した甲斐もあって、ある程度の過ごし易さを感じた。
「これが今回の戦果です」
「「「「「「「…………」」」」」」」
第三騎士団の女性騎士たちは前回と同じく固まってしまっていた。
「どうぞ、受け取ってください。皆さんが頑張って多くの戦いを乗り越えた結果です」
「っ、で……ですが」
色々と反論したい事がある。
勿論、ソウスケに対する文句ではない。
寧ろどれだけ感謝しているか、あなた達のお陰でどれほど救われているのか、そういう事を反乱の材料として使いたかった。
「それではソウスケさん、ザハークさん。こちらから私たちが依頼した武器の製作費などを引いてください」
「分かりました…………………………これぐらいですね」
「っ!!??」
ソウスケはソウスケなりに考えた結果、テーブルに置かれている硬貨を分けた。
「こっちが、俺たちへ依頼した金額ということで」
「っ……ソウスケさん、私はそこまで制作費や材料費などに関して詳しくはありません。ただ……その、安くはありませんか?」
ソウスケが頂いた代金は、全部で白金貨数枚と金貨数十枚。
これはこれで大金なのだが、テーブルの上にはまだ同等の金額が残っている。
「いや? これぐらいが妥当だと思いますよ。それなりに材料は揃ってるんで。それに、俺もザハークも鍛冶は趣味でやってることなんで」
「そ、そう……ですか」
アマンダはソウスケの言葉を真に受けなかった。
女性騎士たちも……目の前の青年が直ぐに普通ではないことを思い出し、色々と真に受けてはいけないと……他の人たちとは感覚が違うのだと己に言い聞かせた。
「それでは…………次の探索は四日後にしましょうか」
「分かりました。それでお願いします」
次の日の朝食後からソウスケとザハークは鍛冶ギルドの鍛冶場に籠り始めた。
「やぁ、ソウスケさん。今日も何かを造りに?」
ギルド内に入ってきた二人に顔見知りの職員が声を掛ける。
「えぇ、そうです。ちょっと依頼が入ったんで」
「おぉ~~、そうですか。ソウスケさんやザハークさんに依頼が出来るとは、その方たちは他の戦闘職の方々から羨まがれるでしょうね」
「そうなんですか?」
「そうですとも! お忘れですか、ソウスケさん。学術都市にはレガースさんがいるのですよ」
「…………そんなに、自慢したり?」
「話を聞いただけですが、同じ戦闘職の方々と呑む際には、必ず自慢してるそうですよ。この刀がなければ最後の決戦、ルクローラ王国の強敵を倒すことが出来なかったと」
武器を造り、売って使ってくれてる人にそこまで褒めてもらえるのは非常に嬉しい。
ただ、自信の強さを褒められた時以上の恥ずかしさに襲われた。
(レガースさ~~ん。自慢してくれるのは嬉しいっすけど、やり過ぎは良くないですよ~~)
ソウスケからすれば、戦争での最終決戦はレガースの実力あってこそ勝ち得た勝利だと思っている。
しかし、逆に……レガースからすれば、本当にソウスケが全身全霊を込めて造ってくれた残焔があったからこそ対戦した騎士を倒せたと本気で思っている。
「どうも」
アマンダたちから頼まれている事に必要な素材以外は全て売却。
あまりBランクモンスターの素材はなく、Cランクモンスターの素材に関しても冒険者たち程素材の質を考えて倒せてはいないが……それでも数が数であるため、当然……買取金額は白金貨以上となる。
見た目、まだようやっと青年ほどの冒険者がその様な大金を持っていれば、バカなことを考える輩が現れるものだが……学術都市では既にそういったバカが何人かソウスケたちによって潰されている。
そのため、帰るまでの道中でソウスケがアホな輩に絡まれることはなかった。
(……余生はこの街で過ごすのもありかもな)
まだまだ冒険者人生を続ける気満々のソウスケだが、前回アホなバカたちをそれなりに潰した甲斐もあって、ある程度の過ごし易さを感じた。
「これが今回の戦果です」
「「「「「「「…………」」」」」」」
第三騎士団の女性騎士たちは前回と同じく固まってしまっていた。
「どうぞ、受け取ってください。皆さんが頑張って多くの戦いを乗り越えた結果です」
「っ、で……ですが」
色々と反論したい事がある。
勿論、ソウスケに対する文句ではない。
寧ろどれだけ感謝しているか、あなた達のお陰でどれほど救われているのか、そういう事を反乱の材料として使いたかった。
「それではソウスケさん、ザハークさん。こちらから私たちが依頼した武器の製作費などを引いてください」
「分かりました…………………………これぐらいですね」
「っ!!??」
ソウスケはソウスケなりに考えた結果、テーブルに置かれている硬貨を分けた。
「こっちが、俺たちへ依頼した金額ということで」
「っ……ソウスケさん、私はそこまで制作費や材料費などに関して詳しくはありません。ただ……その、安くはありませんか?」
ソウスケが頂いた代金は、全部で白金貨数枚と金貨数十枚。
これはこれで大金なのだが、テーブルの上にはまだ同等の金額が残っている。
「いや? これぐらいが妥当だと思いますよ。それなりに材料は揃ってるんで。それに、俺もザハークも鍛冶は趣味でやってることなんで」
「そ、そう……ですか」
アマンダはソウスケの言葉を真に受けなかった。
女性騎士たちも……目の前の青年が直ぐに普通ではないことを思い出し、色々と真に受けてはいけないと……他の人たちとは感覚が違うのだと己に言い聞かせた。
「それでは…………次の探索は四日後にしましょうか」
「分かりました。それでお願いします」
次の日の朝食後からソウスケとザハークは鍛冶ギルドの鍛冶場に籠り始めた。
「やぁ、ソウスケさん。今日も何かを造りに?」
ギルド内に入ってきた二人に顔見知りの職員が声を掛ける。
「えぇ、そうです。ちょっと依頼が入ったんで」
「おぉ~~、そうですか。ソウスケさんやザハークさんに依頼が出来るとは、その方たちは他の戦闘職の方々から羨まがれるでしょうね」
「そうなんですか?」
「そうですとも! お忘れですか、ソウスケさん。学術都市にはレガースさんがいるのですよ」
「…………そんなに、自慢したり?」
「話を聞いただけですが、同じ戦闘職の方々と呑む際には、必ず自慢してるそうですよ。この刀がなければ最後の決戦、ルクローラ王国の強敵を倒すことが出来なかったと」
武器を造り、売って使ってくれてる人にそこまで褒めてもらえるのは非常に嬉しい。
ただ、自信の強さを褒められた時以上の恥ずかしさに襲われた。
(レガースさ~~ん。自慢してくれるのは嬉しいっすけど、やり過ぎは良くないですよ~~)
ソウスケからすれば、戦争での最終決戦はレガースの実力あってこそ勝ち得た勝利だと思っている。
しかし、逆に……レガースからすれば、本当にソウスケが全身全霊を込めて造ってくれた残焔があったからこそ対戦した騎士を倒せたと本気で思っている。
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