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八百七十八話 後は祈るだけ
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「強くなる為には絶対に金が必要です。なので、可能であれば対峙するモンスターの売れる素材を把握して、なるべくそこを傷付けない様に戦ってください」
あっさりと言うが、売れる素材を傷付けない様に戦うというのは、それなりの技術が必要。
その技術は轟炎流の人を倒すための技術とは異なる為、門下生たちには少々厳しい注文ではあるものの……既に彼らの向上心は爆発しており、ソウスケのアドバイスに対して一切文句を吐かなかった。
「事前に収納袋や収納リングを用意してください。それと、可能であれば水属性の魔剣。それらを持っているだけで、生存確率がぐっと上がります」
ソウスケの見立てであれば、三十一階層に出現するモンスターたちであれば、門下生たちでも倒せる。
しかし、安全に生きて帰ることを考えると、装備なども万全な状態でなければならない。
「ソウスケさん、水魔法を習得したほうが良いですか」
轟炎流の門下生だからといって、水に関連する技術や魔法を習得してはならないという決まりはない。
だが、ソウスケ的にそういった戦力アップはナンセンスだった。
「いえ、皆さんはダンジョンにいる時間以外は、これまで戦ってきたモンスターとの戦いを振り返って、このモンスターにはこのタイミングでこの斬撃を放つのが有効……そういった反省と改良の時間に使ってください」
それからソウスケは二十一階層から三十階層まで行く場合の準備や要注意内容、三十層ボスの攻略方法などを事細かく伝えた。
「ソウスケさん、今日は本当にありがとうございました!!!」
「「「「「「ありがとうございました!!!!!」」」」」」
「……皆さんが無事に想いを伝えられることを祈っています」
夜も遅くなった頃、ソウスケとザハークは門下生徒たちと別れる、宿へと戻る。
「あの中で、何人が生き残れるだろうな」
「なんだよ、ザハークは彼らの内誰かが死ぬかもしれないって思ってるのか?」
「ダンジョンでは何が起こるか解らないのが常だろ。であれば、例え二十一階層や三十一階層で鍛えていようとも、不測の事態が起こらないとは限らない」
「……そうだな」
それなりに不測の事態に遭遇してきたため、直ぐに地上へ転移できる階層を探索していたとしても、絶対はあり得ないと解っている。
「二十一階層だと……モンスターパーティーが起こると、さすがに対処出来ないかもしれないな」
「三十一階層であれば、モンスターパーティーもそうだが……ヒートミノタウロス、もしくはファイアドレイクと遭遇してしまうと難しいかもしれないな」
「……全員が生き残るのは、難しいかもしれないな」
当然ながら、ソウスケはダンジョンで実戦を積むときに関しては一人で行動しろとは伝えてない。
ソウスケの様なザ・人外であるならばダンジョンを一人で行うのも不可能ではないが、門下生たちの中には潜在能力が高い者はいれど、その様なザ・人外はさすがにいない。
「それでも、これ以上俺がくよくよと考え続けるのは良くないというか……無意味だよな」
「言葉は悪いかもしれないが、心配するだけ無駄ではあるだろう。ソウスケさんが直接あいつらに指導するのではなく、道を示した……付きっきりで指導するというのも、あいつらの為にはならないと思ったのだろ」
「……ぶっちゃけ、今依頼を受けてる最中だから、それが出来ないってのもあるけどな」
二日後からはまた一応王女を守りながら第三騎士団のアマンダたちを下へ下へと案内する。
そんな状況で門下生たちの面倒まで見れるわけがない。
(伝えられることは全部伝えた。それを実行して上手く意中の相手とゴールイン出来るか出来ないかは、彼ら次第だ)
仕事に支障が出ない様に意識を切り替え、二日後……二度目のダンジョン探索(護衛)へ挑む。
あっさりと言うが、売れる素材を傷付けない様に戦うというのは、それなりの技術が必要。
その技術は轟炎流の人を倒すための技術とは異なる為、門下生たちには少々厳しい注文ではあるものの……既に彼らの向上心は爆発しており、ソウスケのアドバイスに対して一切文句を吐かなかった。
「事前に収納袋や収納リングを用意してください。それと、可能であれば水属性の魔剣。それらを持っているだけで、生存確率がぐっと上がります」
ソウスケの見立てであれば、三十一階層に出現するモンスターたちであれば、門下生たちでも倒せる。
しかし、安全に生きて帰ることを考えると、装備なども万全な状態でなければならない。
「ソウスケさん、水魔法を習得したほうが良いですか」
轟炎流の門下生だからといって、水に関連する技術や魔法を習得してはならないという決まりはない。
だが、ソウスケ的にそういった戦力アップはナンセンスだった。
「いえ、皆さんはダンジョンにいる時間以外は、これまで戦ってきたモンスターとの戦いを振り返って、このモンスターにはこのタイミングでこの斬撃を放つのが有効……そういった反省と改良の時間に使ってください」
それからソウスケは二十一階層から三十階層まで行く場合の準備や要注意内容、三十層ボスの攻略方法などを事細かく伝えた。
「ソウスケさん、今日は本当にありがとうございました!!!」
「「「「「「ありがとうございました!!!!!」」」」」」
「……皆さんが無事に想いを伝えられることを祈っています」
夜も遅くなった頃、ソウスケとザハークは門下生徒たちと別れる、宿へと戻る。
「あの中で、何人が生き残れるだろうな」
「なんだよ、ザハークは彼らの内誰かが死ぬかもしれないって思ってるのか?」
「ダンジョンでは何が起こるか解らないのが常だろ。であれば、例え二十一階層や三十一階層で鍛えていようとも、不測の事態が起こらないとは限らない」
「……そうだな」
それなりに不測の事態に遭遇してきたため、直ぐに地上へ転移できる階層を探索していたとしても、絶対はあり得ないと解っている。
「二十一階層だと……モンスターパーティーが起こると、さすがに対処出来ないかもしれないな」
「三十一階層であれば、モンスターパーティーもそうだが……ヒートミノタウロス、もしくはファイアドレイクと遭遇してしまうと難しいかもしれないな」
「……全員が生き残るのは、難しいかもしれないな」
当然ながら、ソウスケはダンジョンで実戦を積むときに関しては一人で行動しろとは伝えてない。
ソウスケの様なザ・人外であるならばダンジョンを一人で行うのも不可能ではないが、門下生たちの中には潜在能力が高い者はいれど、その様なザ・人外はさすがにいない。
「それでも、これ以上俺がくよくよと考え続けるのは良くないというか……無意味だよな」
「言葉は悪いかもしれないが、心配するだけ無駄ではあるだろう。ソウスケさんが直接あいつらに指導するのではなく、道を示した……付きっきりで指導するというのも、あいつらの為にはならないと思ったのだろ」
「……ぶっちゃけ、今依頼を受けてる最中だから、それが出来ないってのもあるけどな」
二日後からはまた一応王女を守りながら第三騎士団のアマンダたちを下へ下へと案内する。
そんな状況で門下生たちの面倒まで見れるわけがない。
(伝えられることは全部伝えた。それを実行して上手く意中の相手とゴールイン出来るか出来ないかは、彼ら次第だ)
仕事に支障が出ない様に意識を切り替え、二日後……二度目のダンジョン探索(護衛)へ挑む。
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