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八百四十八話 隣に立つには
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「だっはっは!!! ソウスケ、お前あの間抜けたちの顔を見てたか?」
「間抜けって……もしかしてミレアナのことを狙ってた令息、騎士たちのことですか?」
ソウスケは美味い飯を食べながら、終始高位騎士や貴族の当主たちと会話をしていたため、あまり他の方に意識を集中する暇はなかった。
ただ、パーティーが終わった後……とぼとぼとした様子でパーティー会場から出て行く男性を何人か目にした。
「そうそう、そいつらだよ! いやぁ~~~~、マジで傑作だったな」
「傑作というのは少し彼らに失礼だけど……でも、良い感じに絶望した表情を浮かべていたね」
先輩冒険者たちは機会を窺うだけ窺うい続け、結局声をかけられなかったクソダサハンターたちのことを、再度爆笑。
「まっ、なんな奴らがミレアナを狙うってのも無謀っつーか、恐れ多いってのがなんで解らねぇのかな」
「貴族出身の者たちというのは、総じて冒険者の恐ろしさを知らないものだろ」
「はっはっは!! それもそうだったな」
彼らは空になったグラスにワインを次、同じ様な話題で何度も盛り上がる。
(そんなに笑ってしまうほど面白い顔をしてたのか……俺もしっかり見とけば良かったな)
決して聖人君主ではないため、ソウスケとしてもそこまで間抜けな顔をしていたのであれば、是非とも見ておきたかったという悔しさが芽生える。
「ソウスケ君、吞んでるかい?」
「はい、あんまりがっつりは呑んでませんけど」
「そうか。まぁ、若い内からあまり吞み過ぎるのも良くない」
レガースは既に一張羅から普段着に着替えており、ソウスケとしては……それがやや惜しく思えた。
(ちょっとヤ〇ザぽかったけど、レガースさんが着てるからか、超カッコ良かったな)
脳内でレガースの和服姿を思い出しながら、バーテンダーにミルク系のカクテルを頼む。
「ソウスケ君、先程の話の続きの様な話があるんだ」
「先程のって言うと……ミレアナに関してですか? あいつ、パーティー中に何かやらかしてましたか?」
ミレアナに限って、基本的にあり得ない。
そう思っているが、それでも自分と同じくなんだかんだでトラブルに愛されていると知っているた、ほんの少しの不安が生まれる。
「いや、ミレアナ君は何もしてない。勿論彼女を狙っている令息や騎士たちも何も出来なかった……ただ、何人か彼女の事を諦めていない者たちがいてね」
自分よりも遥かに歳上であり、人間としての深みが段違いであるレガースの言葉であれば信用出来る。
(そいつらの気持ちは解らなくもないけど、ミレアナの心が揺らぐことなんてあるか? 主に俺と喋ってた人たちの中にはレガースさんに似て渋さと強さを持つ人がいたけど)
パーティーのリーダーとして、仲間として出来ればミレアナは自分の元から離れてほしくない。
そういった思いは確かにある。
しかし……自分のエゴでミレアナを縛り付けたくないという思いもある。
故に、ミレアナが心の底からこの人と共に生きていきたいと思った相手であれば、それもやむなし……と考えてはいるが、それは大前提としてソウスケが認めた相手に限り。
(歳を取っても恋多き人はいるだろうけど、主に狙ってるのって若い人たちだよな。俺ぐらい頭おかしい人物とは言わないけど、Aランクモンスターをソロで倒せるぐらいの人じゃないと……それぐらいの戦闘力がないと、ミレアナの隣に立つなんて不可能だし)
中々にアホで無茶なことを考えている化け物だが、ソウスケが考えている通り、ミレアナという超ハイスペックなハイ・エルフの隣に立つとなれば、それぐらいの実力がなければ釣り合わないというのは……紛れもない事実である。
「その中には俺の記憶が正しければ、公爵家の令息もいたんだよ」
「公爵家……侯爵家ではなく?」
「公爵家だね。どちらにせよ面倒な相手ではある青年だよ」
ごもっともな意見を聞き、グラスを片手に大きなため息を吐き……残っていた中身を一気に飲み干した。
「間抜けって……もしかしてミレアナのことを狙ってた令息、騎士たちのことですか?」
ソウスケは美味い飯を食べながら、終始高位騎士や貴族の当主たちと会話をしていたため、あまり他の方に意識を集中する暇はなかった。
ただ、パーティーが終わった後……とぼとぼとした様子でパーティー会場から出て行く男性を何人か目にした。
「そうそう、そいつらだよ! いやぁ~~~~、マジで傑作だったな」
「傑作というのは少し彼らに失礼だけど……でも、良い感じに絶望した表情を浮かべていたね」
先輩冒険者たちは機会を窺うだけ窺うい続け、結局声をかけられなかったクソダサハンターたちのことを、再度爆笑。
「まっ、なんな奴らがミレアナを狙うってのも無謀っつーか、恐れ多いってのがなんで解らねぇのかな」
「貴族出身の者たちというのは、総じて冒険者の恐ろしさを知らないものだろ」
「はっはっは!! それもそうだったな」
彼らは空になったグラスにワインを次、同じ様な話題で何度も盛り上がる。
(そんなに笑ってしまうほど面白い顔をしてたのか……俺もしっかり見とけば良かったな)
決して聖人君主ではないため、ソウスケとしてもそこまで間抜けな顔をしていたのであれば、是非とも見ておきたかったという悔しさが芽生える。
「ソウスケ君、吞んでるかい?」
「はい、あんまりがっつりは呑んでませんけど」
「そうか。まぁ、若い内からあまり吞み過ぎるのも良くない」
レガースは既に一張羅から普段着に着替えており、ソウスケとしては……それがやや惜しく思えた。
(ちょっとヤ〇ザぽかったけど、レガースさんが着てるからか、超カッコ良かったな)
脳内でレガースの和服姿を思い出しながら、バーテンダーにミルク系のカクテルを頼む。
「ソウスケ君、先程の話の続きの様な話があるんだ」
「先程のって言うと……ミレアナに関してですか? あいつ、パーティー中に何かやらかしてましたか?」
ミレアナに限って、基本的にあり得ない。
そう思っているが、それでも自分と同じくなんだかんだでトラブルに愛されていると知っているた、ほんの少しの不安が生まれる。
「いや、ミレアナ君は何もしてない。勿論彼女を狙っている令息や騎士たちも何も出来なかった……ただ、何人か彼女の事を諦めていない者たちがいてね」
自分よりも遥かに歳上であり、人間としての深みが段違いであるレガースの言葉であれば信用出来る。
(そいつらの気持ちは解らなくもないけど、ミレアナの心が揺らぐことなんてあるか? 主に俺と喋ってた人たちの中にはレガースさんに似て渋さと強さを持つ人がいたけど)
パーティーのリーダーとして、仲間として出来ればミレアナは自分の元から離れてほしくない。
そういった思いは確かにある。
しかし……自分のエゴでミレアナを縛り付けたくないという思いもある。
故に、ミレアナが心の底からこの人と共に生きていきたいと思った相手であれば、それもやむなし……と考えてはいるが、それは大前提としてソウスケが認めた相手に限り。
(歳を取っても恋多き人はいるだろうけど、主に狙ってるのって若い人たちだよな。俺ぐらい頭おかしい人物とは言わないけど、Aランクモンスターをソロで倒せるぐらいの人じゃないと……それぐらいの戦闘力がないと、ミレアナの隣に立つなんて不可能だし)
中々にアホで無茶なことを考えている化け物だが、ソウスケが考えている通り、ミレアナという超ハイスペックなハイ・エルフの隣に立つとなれば、それぐらいの実力がなければ釣り合わないというのは……紛れもない事実である。
「その中には俺の記憶が正しければ、公爵家の令息もいたんだよ」
「公爵家……侯爵家ではなく?」
「公爵家だね。どちらにせよ面倒な相手ではある青年だよ」
ごもっともな意見を聞き、グラスを片手に大きなため息を吐き……残っていた中身を一気に飲み干した。
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