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八百二十三話 終わらせに行く
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ルティナ・ヴィリストの捕獲、レジル。アルバティアを含めた部隊の殲滅。
これらの情報が上に伝わると、上役たちはここで一気に勝負に出ようと考え始めた。
ソウスケたち以外にも強者は多い。
しかし、本体とミレアナとザハーク、そして分身が多くの強者と潰してきた成果もあって、エイリスト王国側の強者は多く残っている。
敵陣にがっつり攻め込むことになれば、自陣の守備が手薄になってしまうものだが、今回はソウスケたちのお陰で防御が手薄るになることはない。
「という訳で、君たち三人には是非とも超最前線での攻撃に加わって欲しい」
ファードを拠点として攻め込む戦闘者たちのトップである騎士から、決戦に参加してほしいと伝えられた三人。
ルティナ・ヴィリスト率いる部隊との戦闘で多少は消耗したが、既に普段通りの状態に戻っているため、特に断る理由はなかった。
「分かりました」
「……頼んでいるのはこちら側だが、少しは迷っても良いんだぞ」
「いや、別に迷う理由もないんで」
「そうか。こちらとしては助かる」
ギルドの情報から、目の前にいる少年がまだ二十にもなっていないことは知っている。
(二十にもなっていない少年が、ここまでハッキリと決戦に参加しても問題無いと告げる、か……ルクローラ王国には悪いが、今回の戦争……元々私たちの勝ちは決まっていたのかもしれないな)
退室する前、ソウスケ本体は騎士に一つだけ質問した。
「相手の大将を狙う決戦に関してなんですけど、やはりルティナ・ヴィリストと同じ様に捕らえた方がよろしいんですか?」
「むっ、それはそうだな。無傷とはいかずとも、大将の周りにいる騎士なども含めて捕らえてくれれば、有難い」
「そうですか……解りました」
部屋から出て宿に戻ったソウスケは、高ランクモンスターの素材を亜空間から取り出し、錬金術で何かを造り始めた。
「ソウスケさん、何かを造るのですか?」
「縄だよな縄。特別製のやつをな」
ルティナ・ヴィリストを拘束する際に使用した縄は、上級者向けダンジョンの宝箱からでも、そう簡単には手に入らない。
しかし、強者を捕らえるとなれば、それ相応の縄でなければ力で無理矢理破壊されてしまう。
「なるほど……しかし、わざわざそこまでする必要はないのでは?」
「……捕らえるのが難しいなら、殺してしまえば良いってことか」
「もしくは片足か片腕を切断すればよろしいかと」
戦争という戦場に参加するのであれば、誰もがそうなる覚悟を持っているのは当然。
そういった認識は間違っておらず、その覚悟が出来ていない者が来ていい場所ではない。
だが、覚悟を持って戦場にやって来る者たちの帰りを待つ者たちは……同じ覚悟を持てているか?
「お前の言葉は間違ってない。でもな、殺したり腕や脚をぶった斬ったりして……そいつの実家とかから恨みを買うのは面倒だろ」
「貴族出身であれば、恥と考えないでしょうか?」
「そういったしっかりと貴族らしい考えを持ってくれてるならあれだけど、そういう人たちじゃないから復讐とか起こすんだよ。金がある分、本当に厄介だ」
現在ソウスケたちが旅をしているエイリスト王国ではないため、どんなに強い権力を持っていたとしても、社会的制裁を与えることは不可能。
だが、金があれば裏の連中を雇い、ソウスケたちの命を狙うことは出来る。
「何はともあれ、捕らえることが出来るなら、捕らえられるのに越したことはない」
「……そうですね。差し出がましい助言でした」
「気にするな。俺もそう出来るなら、面倒なことを考えずに全力で潰したいと思ってる」
主に火属性モンスター素材を使用しつつ、惜しいと思いつつも……高価な鉱石を使いながら捕らえる用の縄の製作が完了。
予想外の労働を行ったことで、その日の夜はいつもよりも早く就寝。
そして翌日……ソウスケ本体は精鋭たちと共に大将首を狙いに向かった。
これらの情報が上に伝わると、上役たちはここで一気に勝負に出ようと考え始めた。
ソウスケたち以外にも強者は多い。
しかし、本体とミレアナとザハーク、そして分身が多くの強者と潰してきた成果もあって、エイリスト王国側の強者は多く残っている。
敵陣にがっつり攻め込むことになれば、自陣の守備が手薄になってしまうものだが、今回はソウスケたちのお陰で防御が手薄るになることはない。
「という訳で、君たち三人には是非とも超最前線での攻撃に加わって欲しい」
ファードを拠点として攻め込む戦闘者たちのトップである騎士から、決戦に参加してほしいと伝えられた三人。
ルティナ・ヴィリスト率いる部隊との戦闘で多少は消耗したが、既に普段通りの状態に戻っているため、特に断る理由はなかった。
「分かりました」
「……頼んでいるのはこちら側だが、少しは迷っても良いんだぞ」
「いや、別に迷う理由もないんで」
「そうか。こちらとしては助かる」
ギルドの情報から、目の前にいる少年がまだ二十にもなっていないことは知っている。
(二十にもなっていない少年が、ここまでハッキリと決戦に参加しても問題無いと告げる、か……ルクローラ王国には悪いが、今回の戦争……元々私たちの勝ちは決まっていたのかもしれないな)
退室する前、ソウスケ本体は騎士に一つだけ質問した。
「相手の大将を狙う決戦に関してなんですけど、やはりルティナ・ヴィリストと同じ様に捕らえた方がよろしいんですか?」
「むっ、それはそうだな。無傷とはいかずとも、大将の周りにいる騎士なども含めて捕らえてくれれば、有難い」
「そうですか……解りました」
部屋から出て宿に戻ったソウスケは、高ランクモンスターの素材を亜空間から取り出し、錬金術で何かを造り始めた。
「ソウスケさん、何かを造るのですか?」
「縄だよな縄。特別製のやつをな」
ルティナ・ヴィリストを拘束する際に使用した縄は、上級者向けダンジョンの宝箱からでも、そう簡単には手に入らない。
しかし、強者を捕らえるとなれば、それ相応の縄でなければ力で無理矢理破壊されてしまう。
「なるほど……しかし、わざわざそこまでする必要はないのでは?」
「……捕らえるのが難しいなら、殺してしまえば良いってことか」
「もしくは片足か片腕を切断すればよろしいかと」
戦争という戦場に参加するのであれば、誰もがそうなる覚悟を持っているのは当然。
そういった認識は間違っておらず、その覚悟が出来ていない者が来ていい場所ではない。
だが、覚悟を持って戦場にやって来る者たちの帰りを待つ者たちは……同じ覚悟を持てているか?
「お前の言葉は間違ってない。でもな、殺したり腕や脚をぶった斬ったりして……そいつの実家とかから恨みを買うのは面倒だろ」
「貴族出身であれば、恥と考えないでしょうか?」
「そういったしっかりと貴族らしい考えを持ってくれてるならあれだけど、そういう人たちじゃないから復讐とか起こすんだよ。金がある分、本当に厄介だ」
現在ソウスケたちが旅をしているエイリスト王国ではないため、どんなに強い権力を持っていたとしても、社会的制裁を与えることは不可能。
だが、金があれば裏の連中を雇い、ソウスケたちの命を狙うことは出来る。
「何はともあれ、捕らえることが出来るなら、捕らえられるのに越したことはない」
「……そうですね。差し出がましい助言でした」
「気にするな。俺もそう出来るなら、面倒なことを考えずに全力で潰したいと思ってる」
主に火属性モンスター素材を使用しつつ、惜しいと思いつつも……高価な鉱石を使いながら捕らえる用の縄の製作が完了。
予想外の労働を行ったことで、その日の夜はいつもよりも早く就寝。
そして翌日……ソウスケ本体は精鋭たちと共に大将首を狙いに向かった。
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