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八百十九話 参加した価値が、そこにあった
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ルティナ・ヴィリストの部隊を撃破し、リーダーであるルティナ・ヴィリストを捕虜として捕獲に成功。
その情報がファード中に広がり、その日の夜は宴会状態となった。
先日、エイリスト王国側に決して少なくない被害をもたらした怪物。
その怪物が属する部隊を壊滅出来ただけではなく、怪物を捕虜として捕獲することに成功。
これは戦場に出る冒険者や騎士たちだけではなく、上役の騎士たちも……思わずガッツポーズを取ってしまう程の功績。
「おい、ソウスケ! ちゃんと呑んでるか!?」
「ぶっ倒れない程度には呑んでるよ」
今日の主役でソウスケ、ミレアナにザハークたちの周囲には、多くの冒険者や騎士たちが集まり、三人の功績を褒め称えていた。
「相手が油断していたというのもあるかもしれないが、ソウスケは上手くその隙を突き、強者たちの首を刈り取った。まぁ、敵の実力を見抜くのも実力の内……とは言うが、総合的に見て刈り取る速さが尋常ではなかったな」
回りくどい言い方をする騎士だが、纏めればソウスケは全てを上手く活かし、卓越した技術で止めを刺した、ということである。
「ミレアナさんも凄かったわ。弓と魔法の同時発動が上手いのは前から解ってはいたけど、あの戦いでは本当に素晴らしかった。相手の油断を突き刺す一瞬の攻撃なんて、もはや芸術だった」
防御に必死ではあったが、彼女たちの視界の端では、確かに二人が猛者を相手に一歩も引かず、神がかった戦闘力と技術力によって勝利を収めていた。
「いや、二人の戦いっぷりは本当に凄かったけど、今日の一番はやっぱりザハークだよ!!」
男の話し声を聞きを多くの者が黙々と夕食を食べるザハークへ視線を向ける。
「あのサイレントハーベストを相手に腕力勝負でバチバチに戦うんだぜ! それに最後のあの判断力の高さ! 片腕を犠牲にして、豪快なパンチを腹にぶち込んだんだ!! いやぁ~~、マジであの戦場は今までで一番恐ろしかったけど、白金貨を払ってでも見る価値はあったな!」
決して大袈裟な表現ではない。
一般人では絶対に観戦出来ない、高次元な戦いが確かに目の前にあった。
戦争というクソみたいな戦場に参加することになったが、あの戦いを観れただけで参加した価値があった、と男は断言出来る。
「技術や戦場での動きといった点では、ソウスケの戦いも見事だった」
「ミレアナさんの戦いだって素晴らしかったわ。あれは完全に芸術よ」
先程ソウスケ、ミレアナの戦いぶりを語っていた二人も酒が入っている事もあって彼、彼女の戦いぶりも負けてないと反論。
(……褒めてくれるのは嬉しいが、そんなに褒められると……やっぱり恥ずかしいな)
(もうその辺りで止めてほしいのですが……そんなことを口にすれば、場が白けてしまいますね)
(ふむ、この肉料理も美味いな)
ソウスケとミレアナの二人は、そろそろ自分たちを褒めるのは止めてほしいと言いたかったが、空気を読んでその思いを口にする事はなかった。
そんな中、ザハークだけは冒険者や騎士たちからの称賛に何か思うことはなく、明日の血肉となる料理を食べ始めと変わらないスピードで食べていた。
なにはともあれ、ファードではまだ終戦して勝利していないにもかかわらず、お祭り状態となっていた。
戦闘者たちを纏め上げる騎士や、現場に出る騎士に冒険者に魔術師に傭兵、全員が心の底から喜ぶことが出来る戦況。
そんなソウスケ本体たちとは裏腹に、ルクローラ王国側の拠点とする二つの街では、お通夜状態といっても過言ではない状況となっていた。
確実の我が国が勝利するうえで、大きな障害となるエイリスト王国の戦闘者。
その厄介な戦闘者を葬るために、特大戦力を投下した。
これで戦況は少しでも自分たち有利に傾く……そう思っていたにも関わらず、結果は最悪のものとなった。
その情報がファード中に広がり、その日の夜は宴会状態となった。
先日、エイリスト王国側に決して少なくない被害をもたらした怪物。
その怪物が属する部隊を壊滅出来ただけではなく、怪物を捕虜として捕獲することに成功。
これは戦場に出る冒険者や騎士たちだけではなく、上役の騎士たちも……思わずガッツポーズを取ってしまう程の功績。
「おい、ソウスケ! ちゃんと呑んでるか!?」
「ぶっ倒れない程度には呑んでるよ」
今日の主役でソウスケ、ミレアナにザハークたちの周囲には、多くの冒険者や騎士たちが集まり、三人の功績を褒め称えていた。
「相手が油断していたというのもあるかもしれないが、ソウスケは上手くその隙を突き、強者たちの首を刈り取った。まぁ、敵の実力を見抜くのも実力の内……とは言うが、総合的に見て刈り取る速さが尋常ではなかったな」
回りくどい言い方をする騎士だが、纏めればソウスケは全てを上手く活かし、卓越した技術で止めを刺した、ということである。
「ミレアナさんも凄かったわ。弓と魔法の同時発動が上手いのは前から解ってはいたけど、あの戦いでは本当に素晴らしかった。相手の油断を突き刺す一瞬の攻撃なんて、もはや芸術だった」
防御に必死ではあったが、彼女たちの視界の端では、確かに二人が猛者を相手に一歩も引かず、神がかった戦闘力と技術力によって勝利を収めていた。
「いや、二人の戦いっぷりは本当に凄かったけど、今日の一番はやっぱりザハークだよ!!」
男の話し声を聞きを多くの者が黙々と夕食を食べるザハークへ視線を向ける。
「あのサイレントハーベストを相手に腕力勝負でバチバチに戦うんだぜ! それに最後のあの判断力の高さ! 片腕を犠牲にして、豪快なパンチを腹にぶち込んだんだ!! いやぁ~~、マジであの戦場は今までで一番恐ろしかったけど、白金貨を払ってでも見る価値はあったな!」
決して大袈裟な表現ではない。
一般人では絶対に観戦出来ない、高次元な戦いが確かに目の前にあった。
戦争というクソみたいな戦場に参加することになったが、あの戦いを観れただけで参加した価値があった、と男は断言出来る。
「技術や戦場での動きといった点では、ソウスケの戦いも見事だった」
「ミレアナさんの戦いだって素晴らしかったわ。あれは完全に芸術よ」
先程ソウスケ、ミレアナの戦いぶりを語っていた二人も酒が入っている事もあって彼、彼女の戦いぶりも負けてないと反論。
(……褒めてくれるのは嬉しいが、そんなに褒められると……やっぱり恥ずかしいな)
(もうその辺りで止めてほしいのですが……そんなことを口にすれば、場が白けてしまいますね)
(ふむ、この肉料理も美味いな)
ソウスケとミレアナの二人は、そろそろ自分たちを褒めるのは止めてほしいと言いたかったが、空気を読んでその思いを口にする事はなかった。
そんな中、ザハークだけは冒険者や騎士たちからの称賛に何か思うことはなく、明日の血肉となる料理を食べ始めと変わらないスピードで食べていた。
なにはともあれ、ファードではまだ終戦して勝利していないにもかかわらず、お祭り状態となっていた。
戦闘者たちを纏め上げる騎士や、現場に出る騎士に冒険者に魔術師に傭兵、全員が心の底から喜ぶことが出来る戦況。
そんなソウスケ本体たちとは裏腹に、ルクローラ王国側の拠点とする二つの街では、お通夜状態といっても過言ではない状況となっていた。
確実の我が国が勝利するうえで、大きな障害となるエイリスト王国の戦闘者。
その厄介な戦闘者を葬るために、特大戦力を投下した。
これで戦況は少しでも自分たち有利に傾く……そう思っていたにも関わらず、結果は最悪のものとなった。
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