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六百五十八話 ある意味面白い

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「なんなんだ、これは?」

「まぁ、読んでみろ。面白いことが書かれているぞ」

いったいどんな面白い内容が書かれているのか。

ソウスケはワクワクしながら……ではなく、少しドキドキしながら読み始めた。

(レグルスの笑みからして、ある意味面白い内容だろうな)

言葉通り面白い内容が書かれているとは思わず、警戒しながら渡された書類を読み進めていくと……確かに、ある意味面白い内容が書かれていた。

「ふ~~~~~ん…………あれか、やっぱり俺たちはそれなりに有名になったって事か」

「ふっふっふ。そういうことかもしれないな」

「ソウスケさん、いったいどんな内容が書かれていたのですか?」

ミレアナは直ぐにレグルスの面白いという言葉が、ある意味面白いという事実に気が付いた。
なぜなら……ソウスケの顔には怒りの表情が浮かんでいた。

この場が高級料理店の個室ではなく、周囲の誰もいない森の中であれば、今すぐにでも全力で拳を……もしくは蹴りを振るいそうな予感がした。

「……俺も、少し気になるな」

レグルスがソウスケに渡した書類の内容など、全く興味がないと思っていたが、やはり少々気になった。
料理を食べ続けながらも、耳はソウスケの言葉を聞き取ろうとしている。

「簡単に言えば、俺とミレアナとザハークの身柄を生死は問わないから、攫ってこいって依頼だ。ただし、生きていた方が報酬は高いって書かれてあるな」

「「ッ!!!」」

ソウスケから書類に書かれてある内容を見た瞬間、二人はソウスケと同じ様に一瞬で沸点が頂点に達した。

だが、ここは森やダンジョンの中ではない。
決して戦意や殺気を全力で零して良い場所ではないと思い出し、直ぐに昂る感情を抑える。

「三人とも、少し落ち着きなさいよ。そんなに殺気wが零れてたら、店員さんが中に入ってこれないじゃない」

「そうだな」

ソウスケも含め、三人が完全に戦意や殺意を引っ込めてから数秒後、少し顔色が悪い店員が新しい料理を持ってきた。
その際、レグルスとレーラとザハークはまだまだ食べられるので追加で注文を行った。

これで三度目の追加注文にも拘わらず、まだ追加で食事を頼む。
いったい三人の胃袋はどうなっているのかと思い、店員はまた別の理由で表情が少し悪くなった。

「……………………ん? ちょっと待て。そもそもだが……なんでこんな書類を持ってるんだ?」

「生徒たちを護衛している時に、生徒たちを狙ったチンピラを見つけてな。勿論、そいつらが生徒たちに接触する前に潰したぞ」

「そうか、ありがとう」

「礼ならきっちり貰っている。当然の働きだ。その書類に関してだが、そいつらの記憶を覗いてアジトに行ったんだ」

「レグルス……お前、そんなことまで出来たのか?」

人の記憶を覗く。
そういったことが出来るスキルや魔法は確かに存在するが、習得しようと思って習得出来る技ではない。

「記憶を覗くといっても、あまり細かいことまでは分からないぞ。ただ、アジトの場所ぐらいは特定できた。一応生徒たちを狙っていたから、誘拐系の依頼を受けた連中かと思ってアジトを潰した」

「潰したって……簡単に言うな」

「大して強い者たちはいなかった。ソウスケたちでも余裕で潰せる組織だったぞ。一人か二人……それなりに戦える者がいたが、全滅させることに集中していたのであまり覚えていないが、束になってもソウスケたちの内、一人にも敵わないだろう」

「……そんなもんか」

表に出ていない、裏の世界で生きる強者というのは確かに存在する。
しかし、表と同じ様に大した実力を持っていない者も多い。

レグルスが潰した組織の規模はそれなりだが、レベルが高い実力者は少なかった。

「そいつらを倒した後、アジトを調べているとその書類が見つかってな」

書類を発見し、手紙を読んだ時……レグルスはギリスのオチを聞いたとき並みに爆笑したのを覚えている。
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