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六百四十五話 帰りに幸運と巡り合う
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「はっはっは!!!! 良いぞ、良いぞ!! もっとこいッ!!!!!!」
ヒートミノタウロスを倒したソウスケはこのまま下に降りず、三十一階層に戻って地上に戻ることを決めた。
元々ターリアから頼まれ武器の素材集めの為に三十一階層以降を目指していたので、ミレアナとザハークもソウスケの決定に文句はない。
ただ……やはり地上に戻るまで何が起こるのか分からないのがダンジョン。
上の階層に戻る途中で滅多に現れない竜種、ファイヤドレイクが姿を現した。
まさかの強敵出現にザハークは感極まり、直ぐにソウスケへ自分が戦っても良いかと尋ねた。
ザハークは元々決めていた事なのでヒートミノタウロスとの戦闘はソウスケに譲ったが、やはりBランクのモンスターと戦いたいという欲はあった。
そこで運悪く……ではなく、運良くファイヤドレイクが現れ、戦闘開始。
ザハークは装備した大剣に水の魔力を纏い、最高のテンションでファイヤドレイクの討伐に熱中する。
「本当に楽しそうだな。鍛冶をしてる時のザハークも楽しそうというか、良い感じに夢中になってるけど、強敵と戦ってる時のザハークの方がハッキリと表情に現れるな」
「ファイヤドレイクはBランクのモンスターですから、ザハークにとっては力を発揮できる適当なモンスターなのでしょう。ですが……戦いが始まってから気温が少し上がりましたね」
水の魔力や魔法を使いながら戦うザハークだが、体からは闘争心という名の熱気が溢れ出ている。
そしてファイヤドレイクは遠慮なしにガンガン火のブレスや攻撃魔法を使うため、たださえ暑いマグマ帯の気温が暑くなってしまった。
「そうだな。暑さ対策のマジックアイテムや術がなかったら、まともに体を動かせない」
ソウスケたちは当然、その類のマジックアイテムを身に着けている。
そして水の魔力を上手く利用し、二人の周囲は動きやすい気温が保たれている。
「まぁ、最も……ザハークからすれば多少気温が上がったところで、影響があるとは思えない」
「同感ですね。寧ろボルテージが上がり、スピードが徐々に上がっているかと」
「そうだな……何にしても、直ぐには終らないだろうな」
相手の全力を叩き潰す。強者との戦いを楽しむ。
そういった思いがあるからこそ、直ぐには終らない。
というのがザハーク側にある理由であり……単純にファイヤドレイクが強く、宙を自在に飛ぶの攻撃が当てずらい。
「ザハークのウォーターランスを軽々と掻き消すか。あの炎の鉤爪、ヤバいな」
「ヤバいですね。ウォーターランスの攻撃力自体は全体的に見て真ん中ぐらいですが、ザハークの場合は投擲による加速が加わっている……ジャストで捉えるのが難しいと思うのですが、もしかしたら戦い慣れている個体なのかもしれませんね」
ザハークはファイヤドレイクを相手に、ただウォーターランスを放つのではなく、ぶん投げている。
当然投擲による威力の増加があるのだが、ファイヤドレイクも爪撃で対抗。
「俺たち冒険者が知らないだけど、もしかしたらそうなのかもな……もしくは、目撃した冒険者は全員殺されてるか」
「十分にありえますね」
ソウスケとしては軽い冗談だったが、いたって真剣に返された。
(サラッと真面目な表情で答えるな……でも、ザハークとの戦いぶりを見れば今まで何人もの冒険者を狩ってきてたとしても、おかしくないな)
人型の相手にやや慣れている。
ザハークとの戦いからソウスケはそんな印象を受けた。
(ランクは前回ザハークがバチバチに戦ったアシュラコングの方が上だけど、総合的に見れば……どうなんだ?)
ザハークにとって、アシュラコングは非常にかみ合う相手だった。
だが、ファイヤドレイクは何度も何度も真正面から殴り合うタイプではない。
「ゼェェエエアアアアアッ!!!!」
「ッ!!?? ギィィィアアアアァァァアアアアッ!!!!!!」
それでも現状はややザハークが優勢であり、クリティカルヒットはないがいくつか手傷を負わせている。
しかし、まだまだファイヤドレイクの調子が降りる様子はなく、自慢の炎の鉤爪で襲い掛かる。
ヒートミノタウロスを倒したソウスケはこのまま下に降りず、三十一階層に戻って地上に戻ることを決めた。
元々ターリアから頼まれ武器の素材集めの為に三十一階層以降を目指していたので、ミレアナとザハークもソウスケの決定に文句はない。
ただ……やはり地上に戻るまで何が起こるのか分からないのがダンジョン。
上の階層に戻る途中で滅多に現れない竜種、ファイヤドレイクが姿を現した。
まさかの強敵出現にザハークは感極まり、直ぐにソウスケへ自分が戦っても良いかと尋ねた。
ザハークは元々決めていた事なのでヒートミノタウロスとの戦闘はソウスケに譲ったが、やはりBランクのモンスターと戦いたいという欲はあった。
そこで運悪く……ではなく、運良くファイヤドレイクが現れ、戦闘開始。
ザハークは装備した大剣に水の魔力を纏い、最高のテンションでファイヤドレイクの討伐に熱中する。
「本当に楽しそうだな。鍛冶をしてる時のザハークも楽しそうというか、良い感じに夢中になってるけど、強敵と戦ってる時のザハークの方がハッキリと表情に現れるな」
「ファイヤドレイクはBランクのモンスターですから、ザハークにとっては力を発揮できる適当なモンスターなのでしょう。ですが……戦いが始まってから気温が少し上がりましたね」
水の魔力や魔法を使いながら戦うザハークだが、体からは闘争心という名の熱気が溢れ出ている。
そしてファイヤドレイクは遠慮なしにガンガン火のブレスや攻撃魔法を使うため、たださえ暑いマグマ帯の気温が暑くなってしまった。
「そうだな。暑さ対策のマジックアイテムや術がなかったら、まともに体を動かせない」
ソウスケたちは当然、その類のマジックアイテムを身に着けている。
そして水の魔力を上手く利用し、二人の周囲は動きやすい気温が保たれている。
「まぁ、最も……ザハークからすれば多少気温が上がったところで、影響があるとは思えない」
「同感ですね。寧ろボルテージが上がり、スピードが徐々に上がっているかと」
「そうだな……何にしても、直ぐには終らないだろうな」
相手の全力を叩き潰す。強者との戦いを楽しむ。
そういった思いがあるからこそ、直ぐには終らない。
というのがザハーク側にある理由であり……単純にファイヤドレイクが強く、宙を自在に飛ぶの攻撃が当てずらい。
「ザハークのウォーターランスを軽々と掻き消すか。あの炎の鉤爪、ヤバいな」
「ヤバいですね。ウォーターランスの攻撃力自体は全体的に見て真ん中ぐらいですが、ザハークの場合は投擲による加速が加わっている……ジャストで捉えるのが難しいと思うのですが、もしかしたら戦い慣れている個体なのかもしれませんね」
ザハークはファイヤドレイクを相手に、ただウォーターランスを放つのではなく、ぶん投げている。
当然投擲による威力の増加があるのだが、ファイヤドレイクも爪撃で対抗。
「俺たち冒険者が知らないだけど、もしかしたらそうなのかもな……もしくは、目撃した冒険者は全員殺されてるか」
「十分にありえますね」
ソウスケとしては軽い冗談だったが、いたって真剣に返された。
(サラッと真面目な表情で答えるな……でも、ザハークとの戦いぶりを見れば今まで何人もの冒険者を狩ってきてたとしても、おかしくないな)
人型の相手にやや慣れている。
ザハークとの戦いからソウスケはそんな印象を受けた。
(ランクは前回ザハークがバチバチに戦ったアシュラコングの方が上だけど、総合的に見れば……どうなんだ?)
ザハークにとって、アシュラコングは非常にかみ合う相手だった。
だが、ファイヤドレイクは何度も何度も真正面から殴り合うタイプではない。
「ゼェェエエアアアアアッ!!!!」
「ッ!!?? ギィィィアアアアァァァアアアアッ!!!!!!」
それでも現状はややザハークが優勢であり、クリティカルヒットはないがいくつか手傷を負わせている。
しかし、まだまだファイヤドレイクの調子が降りる様子はなく、自慢の炎の鉤爪で襲い掛かる。
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