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四百八十三話 参加する場合もある

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リアス達を学園まで護衛すると決めたソウスケ達は翌日には街を出発し、三人が所属する学園がある都市へ向かう。

「本当にありがとうございます。学園まで護衛して頂けるなんて」

「頭を下げなくても大丈夫だって。ほら、折角手に入れた素材のせいで被害にあったりしたら俺達の方が目覚めが悪いしさ」

もう何度もこのようなやり取りを行っている。
ただ、ソウスケ達の実力を知っているリアス達からすれば三人に護衛をして貰えることが、どれだけ価値があるのかを良く理解している。

本来ならリアス達の所持金では払えない様な金額なのだが、報酬はいらない。善意だからという理由で無料で護衛してもらえている。

全員がソロでAランクモンスターを渡り合える実力を持っていると考えれば、護衛額は金貨何十枚という値段になる。
これがダンジョンの中などであれば、白金貨まで値が上がる可能性だってある。

「それにしても……ザハークさんがいるのに襲ってくる盗賊がいるのですね」

「あぁ、俺達にとってはあるあるなんだよな」

ソウスケから視てもザハークの外見はその強さを表している様に思える。
実際にその強さも尋常ではなく、Aランクモンスターを単独で撃破してしまう。

だが、盗賊達からすればあの鬼人族さえ何とかすれば大丈夫だという認識。
そもそもザハークをオーガではなく鬼人族と思っているのだ。

(あんまりごつい装備をしてないし、盗賊達にとってはあんまり威圧感を感じていないのかもな)

ソウスケは言わずもがな見た目は子供だ。
解る者には解かる実力を有しているが、そこら辺の盗賊共からすれば誰でも狩れると思われている。

そしてミレアナだが、そのクールな印象から強者と思われても不思議では無いのだが……発情している盗賊共にその様な慧眼は持ち合わせていない。

そんな無知で理解しようともしない盗賊達がソウスケ達を襲った結果、一時間以内にアジトごと全員潰された。

(こういうのを繰り返していると戦いでは侮られるってのも武器の一つの様に思えるな)

勿論人に侮られるのは気分が良いものでは無い。
だが、それ故に戦いを進めやすいという事実もある。

「でも、盗賊達には敵の技量を見切る技量なんてないんだろう」

「そもそも数の差でどうとでもなる、そう考えてるかもしれませんよ」

「……なるほどな、一理ある」

ミレアナの考えは盗賊達のあるあるであり、数の差で質を埋められると考えている者が殆どだ。
事実として確かに数の多さは脅威であり、潰されてしまった者も多い。

「戦争でも基本的には質より量でみる場合が多い、と俺は思うんだけど貴族の中ではどういった認識なんだ?」

「国に所属する騎士団の階級によって質を量として計算するらしいですが……それでも数は重要視されているかと」

ここ最近大きな戦争は行われていないが、仮に戦争が起きた場合は貴族の子息や令嬢が戦線に出ることもある。
なので、学生の身分であってもそういった場合にどうするべきかの思考を続ける学生の集まりなどがある。

「なるほどね……質は大事だけど、一対多数の多数が我が低レベルな場合のみ有効だからな」

レベル四十の一人とレベル三十四人が戦った場合、高確率でレベル四十の方が殺される。
レベル四十が勝つ場合もあるが、人には得手不得手があるのでそこを突かれる可能性が大きい。

「……ソウスケさんは、戦争が起これば参加しますか?」

「そう、だな……多分、参加すると思う」

蛇腹剣による食事の能力はそういった場ではご馳走が転がっている状態だ。
そんなフルコースをソウスケが逃す訳がない。

「まっ、戦争なんて起こらないのが一番なんだけどな」

恋人や家族を残して戦場に挑まなければならない。
国を守るということに存在意義を感じている者もおり、その役割を担っていることに誇りを感じている者もいる。

だが、ソウスケとしては死ねばそこまでなのになという思いが強く、そういった考えを持つ兵士や騎士の気持ちは理解出来ない。
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