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百九十二話加減

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「ここがウドモーキか・・・・・・街の大きさはモバールと一緒ぐらいか? ダンジョンを保有している街は基本的に栄えているのかもしれないな。それにしてもこう・・・・・・木の匂いが漂って来るな」

決して嫌な臭いではない為鼻を塞ごうとはしない。


ソウスケ達はモバールの街を発ってから四日目、無事に目的の街であるウドモーキに到着した。

護衛中、盗賊に襲われることは無かったが数度モンスターの襲撃に合った。
とはいえ高ランクのモンスターに襲われるずに済んだ。

戦いの中でソウスケは特に目立った動きをせず、前衛をサポートする形で戦いに参戦した。
ミレアナもモンスターを一撃で倒す事もあったが、襲い掛かって来たモンスター一人で全滅させる様な行動は取らず目立たない様に頑張っていた。

ただ、ゴブリンを引き連れたオークが襲って来た時、本気は出さないが大怪我をする人が出ない様に二人は立ちまわった。
結果はラックの斧がオークの心臓を斬り裂いて戦いは終わり、二人は投擲と弓で援護するだけで不必要に手札を見せずに済んだ。

(オークがゴブリンを引き連れて襲って来た時は少しだけ焦ったな。普通にゴブリンの数多かったし。まぁ、俺の投擲とミレアナの弓の腕があればそこまで苦労する数でもないけど。それにブライドさん達は勿論、バックス達もゴブリンに後れを取る程実力は低くないしな)

数だけはソウスケ達の三倍ほどあったが、幾ら多くても所詮はゴブリン。
上位種が相手ならば話は別だが、碌に指揮も取れていない、奇襲も下手くそなゴブリンとオークにそれほど体力を削る事無くセルガ―と商品を守り切る事に成功。

そして見張りという嫌で嫌で仕方ない仕事を数度頑張り、ようやくウドモーキに辿り着いた。

街の中へ入ったソウスケ達はギルドに向かい、報酬を貰うと夜に酒場で集合して食事をしようと決めた。
だがバックス達はソウスケを恐れてか、食事には参加しないと伝えて早足にギルドから出て行った。

「・・・・・・・・・・・・バックスは俺を怖がっているんですかね」

「それで合っていると思うぞ。あいつは基本的に人を見た目で判断する傾向が強いけど、実際に人の戦いぶりを見れば侮った相手の評価を修正する。だからソウスケの怒りを買えば自分達は冒険者として終わってしまうって思ったんじゃないか?」

「冒険者として終わるって、俺はそこまでの事は別に・・・・・・・・・・・・まぁ、場合によってはするかもしれないですね」

自身がバカにされれば腕や足の骨を折る程度で済ませる。場合によっては片方の睾丸を潰す。
しかしミレアナに対して糞の様な下心丸出しの対応を取る者に、ソウスケはあまり容赦出来る気がしない。

(いくら相手が悪くても殺すのは良くないよな・・・・・・一応。そういえば、ポーションで治せる傷って限度はどれくらいなんだ?)

傷を回復させるポーションにもランクがあり、ランクによって治せる怪我が変わってくる。
そこら辺を考えればラックの言う通り殺さず相手を冒険者として終わらせる事が出来るのではソウスケは考える。

(いや、一番手っ取り早いのは手足のどちらかを焼き斬る事か。そうすればよっぽどの幸運が無い限り人生終了一歩手前ってところか)

この世界に義手の様な物があるのかソウスケは知らない。

「お前ならそれを簡単に出来そうだしな」

「おいおいラック、事実だとしてもあまりソウスケ君にそういう事を勧めるなよ」

雑談は十分程続き、一旦解散となりそこそこな宿を見つけたソウスケは部屋を取ってから約束の時間まで、ベットにダイブして眠りについた。
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