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二種類
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「それじゃ、野営にしよう」
後一時間もあれば完全に日が暮れる。
そんな中、ティールたちはセーフティーポイントに向かうことはなく、ある程度野営に適した場所で野営することにした。
理由は勿論、ヴァルと共に行動しているからである。
「ちょっと待ってろよ、ヴァル」
「ワゥ…………」
ティールに言われた通り、夕食の準備が出来るまで、周囲を警戒しながら大人しく待っておく。
だが、ヴァルは心の中で何故、自分を返さないのかと考えていた。
ティールたちの会話内容を完全には理解していないが、自分と共に行動していることで、なんとなくティールたちが不利な状況になることを察していた。
実際のところ、ここでヴァルを元居た場所の返せば、ティールたちはわざわざセーフティーポイント以外の場所で野営する必要がなくなる。
それが賢い選択ではあるが……ティールとしては、盟約を結んでいるとはいえ、自分たちの都合で呼び出しておいて、戦闘が終われば直ぐに返すというのはとても不義理だと感じた。
それに……いざ本当にダンジョンコアを探すことになれば、安全が確保されていない場所で野営をすることは当然ある。
「よし。ほら、じゃんじゃん食って良いぞ」
ティールは大きな皿の上に、大量の焼肉を乗せてヴァルの前に置いた。
「…………っ!!!!!」
血の匂い以外で、良い匂いを感じたヴァルは、途中から思いっきり涎を零していた。
そして目の前に良い匂いを発していた肉を置かれ、ヴァルはおそるおそる一切れの肉を食べ……その美味さに驚いた。
「ふふ、そんなに美味いか」
「ワゥ!」
「良い食いっぷりだな」
ヴァルの食べっぷりに、見ててティールたちも自然を笑みを零してしまう。
「そうか。普通に考えれば、こういう反応になるのも当然か」
「だな」
ティールがヴァルに提供した焼肉は、特別な調理を施した物ではない。
ただ、道中で討伐したモンスターの肉を自分たちよりも少し大きめのサイズにカットし、香辛料を少々振りかけながら焼いた物。
それだけの料理ではあるが、野性の世界で生きているヴァルからすれば、それだけで大きな衝撃を受けるというもの。
「そういえば、マスター。四十階層のボスは、確か二種類あるんだったな」
「あぁ、そうだな。ラスト的には、やっぱり珍しい方のボスが出現してくれた方が嬉しいか?」
「ふふ……そう思わなくもない」
肯定的な意見で答えるも、ラストの体は僅かに震えていた……が、ティールとアキラは直ぐにそれが怯えから来るものではなく、武者震いだと気付いた。
四十階層のボス部屋には、ラストの言う通り二パターンのモンスターが存在する。
まず、通常の状態がマウンテンベアというBランクモンスターと、天猿というBランクモンスターのタッグ。
どちらもベネルトスパイダーと同じくBランクモンスターではあるが、マウンテンベアはパワーがAランク並みであり、天猿は魔力量がAランクモンスター並み。
そこら辺のBランクモンスターと同じだろうと油断していれば、手痛いダメージを負ってしまい、そのまま殺されてしまう可能性は十分にある。
だが……十回に一回程度の確率で、他のモンスターがボスモンスターとして現れる。
そのモンスターとは……以前、ティールとラストが遭遇した岩窟竜レグレザイアと同じAランクモンスター、ジェットガルーダ。
翼を四つ持つ風属性の怪鳥である。
「これからの目標を考えれば、今のうちにAランクモンスターと本気で戦うに越したことはないだろう」
「そうだね……本気で戦って、絶対に勝つ」
ティールの瞳に怯えはなく、ラストやアキラの表情にも恐れはなく……話の流れから、なんとなく内容を察していたヴァルの顔にも怯えや恐れはなかった。
後一時間もあれば完全に日が暮れる。
そんな中、ティールたちはセーフティーポイントに向かうことはなく、ある程度野営に適した場所で野営することにした。
理由は勿論、ヴァルと共に行動しているからである。
「ちょっと待ってろよ、ヴァル」
「ワゥ…………」
ティールに言われた通り、夕食の準備が出来るまで、周囲を警戒しながら大人しく待っておく。
だが、ヴァルは心の中で何故、自分を返さないのかと考えていた。
ティールたちの会話内容を完全には理解していないが、自分と共に行動していることで、なんとなくティールたちが不利な状況になることを察していた。
実際のところ、ここでヴァルを元居た場所の返せば、ティールたちはわざわざセーフティーポイント以外の場所で野営する必要がなくなる。
それが賢い選択ではあるが……ティールとしては、盟約を結んでいるとはいえ、自分たちの都合で呼び出しておいて、戦闘が終われば直ぐに返すというのはとても不義理だと感じた。
それに……いざ本当にダンジョンコアを探すことになれば、安全が確保されていない場所で野営をすることは当然ある。
「よし。ほら、じゃんじゃん食って良いぞ」
ティールは大きな皿の上に、大量の焼肉を乗せてヴァルの前に置いた。
「…………っ!!!!!」
血の匂い以外で、良い匂いを感じたヴァルは、途中から思いっきり涎を零していた。
そして目の前に良い匂いを発していた肉を置かれ、ヴァルはおそるおそる一切れの肉を食べ……その美味さに驚いた。
「ふふ、そんなに美味いか」
「ワゥ!」
「良い食いっぷりだな」
ヴァルの食べっぷりに、見ててティールたちも自然を笑みを零してしまう。
「そうか。普通に考えれば、こういう反応になるのも当然か」
「だな」
ティールがヴァルに提供した焼肉は、特別な調理を施した物ではない。
ただ、道中で討伐したモンスターの肉を自分たちよりも少し大きめのサイズにカットし、香辛料を少々振りかけながら焼いた物。
それだけの料理ではあるが、野性の世界で生きているヴァルからすれば、それだけで大きな衝撃を受けるというもの。
「そういえば、マスター。四十階層のボスは、確か二種類あるんだったな」
「あぁ、そうだな。ラスト的には、やっぱり珍しい方のボスが出現してくれた方が嬉しいか?」
「ふふ……そう思わなくもない」
肯定的な意見で答えるも、ラストの体は僅かに震えていた……が、ティールとアキラは直ぐにそれが怯えから来るものではなく、武者震いだと気付いた。
四十階層のボス部屋には、ラストの言う通り二パターンのモンスターが存在する。
まず、通常の状態がマウンテンベアというBランクモンスターと、天猿というBランクモンスターのタッグ。
どちらもベネルトスパイダーと同じくBランクモンスターではあるが、マウンテンベアはパワーがAランク並みであり、天猿は魔力量がAランクモンスター並み。
そこら辺のBランクモンスターと同じだろうと油断していれば、手痛いダメージを負ってしまい、そのまま殺されてしまう可能性は十分にある。
だが……十回に一回程度の確率で、他のモンスターがボスモンスターとして現れる。
そのモンスターとは……以前、ティールとラストが遭遇した岩窟竜レグレザイアと同じAランクモンスター、ジェットガルーダ。
翼を四つ持つ風属性の怪鳥である。
「これからの目標を考えれば、今のうちにAランクモンスターと本気で戦うに越したことはないだろう」
「そうだね……本気で戦って、絶対に勝つ」
ティールの瞳に怯えはなく、ラストやアキラの表情にも恐れはなく……話の流れから、なんとなく内容を察していたヴァルの顔にも怯えや恐れはなかった。
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