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「ぬぅううあああああッ!!!!!」
「ゴバっ!!!???」
ラストはややボロボロになりながらも、アドバースコングの懐に入り、渾身の一撃を心臓部に叩きこんだ。
「っ!!?? っ、ァ…………」
ラストが放った拳は見事にアドバースコングの胸部にめり込んでおり、心臓を破壊した。
「はぁ、はぁ……ふぅーーーーーーーー」
「お疲れさん、ラスト。結構ボロボロになったな」
「ふっ、そうだな。強かった……そして、我ながらバカな戦い方をしたとは思うが、後悔はない」
「だろうな。でも、ちゃんとポーションは飲んでくれよ」
青痣だけではなく、骨に日々が入っていた。
一か所だけではなく複数個所にヒビが入っており、ラストはここ最近の戦いで一番ダメージを負っていた。
しかし、打撃戦が得意なアドバースコングに打撃戦で勝負を挑めば、そうなるだろうと容易に予想出来る。
寧ろ、アドバースコングの攻撃力を考えれば、ヒビどころか完全に折られて戦線離脱もやむを得ないという状態になってもおかしくなかった。
「あぁ………………ふぅーーー……相変わらずポーションは不味いな。ところで……そいつは、いつぞやのヴァルガング……だよな?」
薄々、なんとなくではあるが、アドバースコングとの戦闘中に気付いていた。
「そうだ。ヴァルって名前にした」
「呼びやすくて良いな。ただ……どうして今呼んだんだ?」
「ほら、まだ人の手が付いてないダンジョンを見つけてダンジョンコアを探すなら、戦力というか、数が足りないかもしれないみたいな話をしただろ」
「……したかもしれないな。それで、いざ実際に共に行動する前に、ダンジョンで共に探索して、感覚を養うということか」
「そういう事」
Bランクモンスターであるヴァルガングと共に行動するということは、それだけ戦闘の機会が減ってしまう。
だが、ラストは子供ではない。
事前に共に行動する、もしくは共に戦う経験があった方が、目的地を探索する際にスムーズにいく。
それぐらいは解るため、文句はなかった。
「そうか……よろしく頼む、ヴァル」
「ワゥ」
ヴァルはラストとも盟約を結んでおり、元から仲良く行動するつもりであった。
「ヴァルは、既にアキラには慣れてるのか?」
「みたいだな。アキラさんが強いからかな」
「その可能性が高そうだな」
強さこそが判断基準。
その点に関して、ラストは特に疑問に思うことはなく、薄情だと思うこともなかった。
「んじゃ、見張りよろしくな」
血抜きを行い、ササっとアドバースコングの死体を解体していく。
「っ……ワゥ」
「いるのか」
「ワゥ」
ラストの問いに応え、ヴァルは当然の様に前に出た。
そして……木影からフォレストウルフの姿が現れると同時に、ヴァルも地面を蹴った。
「瞬殺、といったところか」
「そうだな。優れた脚力と見事な急所への攻撃だった」
アドバースコングの血の匂いに釣られて現れたフォレストウルフの数は三体。
フォレストウルフはCランクのモンスターであり、決して弱くはない。
寧ろダンジョンの下層に生息しているモンスターということもあり、地上に生息している大半のフォレストウルフよりも高い戦闘力を有している。
だが、ヴァルが三体を仕留めるまでに、十秒も掛からなかった。
最初の一体は喉を噛み千切り、二体目は爪撃を躱し、カウンターの爪撃を叩き込んだ。
そして最後の一体の咬み付き回避し、空中で思いっきり踏みつけ……そのまま頭部を粉砕した。
どれも首、頭部といった急所を狙った最短んして最良の一撃を叩き込み、戦いを終わらせた。
「ワゥ!!」
「ん? ……あぁ、良いんじゃないか」
ヴァルの仕留めた一体をそのまま食らいたいという要望に、ラストは食って良いぞと許可を出した。
仕留めたのはヴァル自身であり、フォレストウルフの素材は波状試練の下層を探索していれば、いくらでも出会う。
そのため、ラストはティールに確認を取らずに食べても構わないと返した。
「生で食ったのか? 腹が減ってたなら、ちゃんと調理してやったのに」
当然、ティールがその件でラストに怒鳴ることはなかった。
「ゴバっ!!!???」
ラストはややボロボロになりながらも、アドバースコングの懐に入り、渾身の一撃を心臓部に叩きこんだ。
「っ!!?? っ、ァ…………」
ラストが放った拳は見事にアドバースコングの胸部にめり込んでおり、心臓を破壊した。
「はぁ、はぁ……ふぅーーーーーーーー」
「お疲れさん、ラスト。結構ボロボロになったな」
「ふっ、そうだな。強かった……そして、我ながらバカな戦い方をしたとは思うが、後悔はない」
「だろうな。でも、ちゃんとポーションは飲んでくれよ」
青痣だけではなく、骨に日々が入っていた。
一か所だけではなく複数個所にヒビが入っており、ラストはここ最近の戦いで一番ダメージを負っていた。
しかし、打撃戦が得意なアドバースコングに打撃戦で勝負を挑めば、そうなるだろうと容易に予想出来る。
寧ろ、アドバースコングの攻撃力を考えれば、ヒビどころか完全に折られて戦線離脱もやむを得ないという状態になってもおかしくなかった。
「あぁ………………ふぅーーー……相変わらずポーションは不味いな。ところで……そいつは、いつぞやのヴァルガング……だよな?」
薄々、なんとなくではあるが、アドバースコングとの戦闘中に気付いていた。
「そうだ。ヴァルって名前にした」
「呼びやすくて良いな。ただ……どうして今呼んだんだ?」
「ほら、まだ人の手が付いてないダンジョンを見つけてダンジョンコアを探すなら、戦力というか、数が足りないかもしれないみたいな話をしただろ」
「……したかもしれないな。それで、いざ実際に共に行動する前に、ダンジョンで共に探索して、感覚を養うということか」
「そういう事」
Bランクモンスターであるヴァルガングと共に行動するということは、それだけ戦闘の機会が減ってしまう。
だが、ラストは子供ではない。
事前に共に行動する、もしくは共に戦う経験があった方が、目的地を探索する際にスムーズにいく。
それぐらいは解るため、文句はなかった。
「そうか……よろしく頼む、ヴァル」
「ワゥ」
ヴァルはラストとも盟約を結んでおり、元から仲良く行動するつもりであった。
「ヴァルは、既にアキラには慣れてるのか?」
「みたいだな。アキラさんが強いからかな」
「その可能性が高そうだな」
強さこそが判断基準。
その点に関して、ラストは特に疑問に思うことはなく、薄情だと思うこともなかった。
「んじゃ、見張りよろしくな」
血抜きを行い、ササっとアドバースコングの死体を解体していく。
「っ……ワゥ」
「いるのか」
「ワゥ」
ラストの問いに応え、ヴァルは当然の様に前に出た。
そして……木影からフォレストウルフの姿が現れると同時に、ヴァルも地面を蹴った。
「瞬殺、といったところか」
「そうだな。優れた脚力と見事な急所への攻撃だった」
アドバースコングの血の匂いに釣られて現れたフォレストウルフの数は三体。
フォレストウルフはCランクのモンスターであり、決して弱くはない。
寧ろダンジョンの下層に生息しているモンスターということもあり、地上に生息している大半のフォレストウルフよりも高い戦闘力を有している。
だが、ヴァルが三体を仕留めるまでに、十秒も掛からなかった。
最初の一体は喉を噛み千切り、二体目は爪撃を躱し、カウンターの爪撃を叩き込んだ。
そして最後の一体の咬み付き回避し、空中で思いっきり踏みつけ……そのまま頭部を粉砕した。
どれも首、頭部といった急所を狙った最短んして最良の一撃を叩き込み、戦いを終わらせた。
「ワゥ!!」
「ん? ……あぁ、良いんじゃないか」
ヴァルの仕留めた一体をそのまま食らいたいという要望に、ラストは食って良いぞと許可を出した。
仕留めたのはヴァル自身であり、フォレストウルフの素材は波状試練の下層を探索していれば、いくらでも出会う。
そのため、ラストはティールに確認を取らずに食べても構わないと返した。
「生で食ったのか? 腹が減ってたなら、ちゃんと調理してやったのに」
当然、ティールがその件でラストに怒鳴ることはなかった。
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