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あれを教えた
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(敬意、ねぇ……)
ヒツギとの試合を終え、街に戻って昼食を食べ、午前中以外は普段通りの休日を過ごした。
そんな中、ベッドに入ったティールは……まだ、昼間にラストから伝えられたもしもの話について考えていた。
(…………あいつが、アキラさんに気があった、恋心的なものを感じたのは、一時の気の迷い……だったのか?)
本当にアキラに好意を抱いていたのであれば、中を縮めようとした際に邪魔してきた自分の事を嫌いになる。
そのアキラの傍にいる自分に憎悪を抱いてもおかしくない……といったティールの考えは、決して間違ってはいない。
そう考えるのが妥当ではあるが、本気でアキラに惹かれていた訳ではなかったのであれば、辻褄が合う。
(……っていうか、そんな事あり得るか!!!???)
惚れたのが、意識したのが一時の気の迷いだったかもしれない。
であれば辻褄が合うと解った瞬間……それはそれで納得いかない気持ちが湧き上がり、ほんの少し怒りもこみ上げる。
珍しく、ティール自身が厄介な考えを持ってしまっていた。
その後も悶々とした状態であれこれ考え続けるも、答えが出る訳がなく……いつの間にか寝落ちしていた。
「……………………」
「……どうしたんだ、マスター。今日は特別眠そうな顔をしてるな」
「かもしれないね」
いつの間にか寝落ちしていた。
だが、ベッドの中で何十分……何時間ともやもやもやもやしながら考え続けていたという事は覚えていたため、素直に認めた。
「ティール、何か考え事でもしていたのか?」
「まぁ、そんなところです。俺にしては、珍しく考え過ぎましたね」
正直な話、そこまで考え込む必要がない事ではあった。
ただ……良く解らないと、もやもやが残り続けている。
「そうか。考える事は良いことだが、寝る時はしっかりと寝た方が良いぞ」
「ですね」
焼けたソーセージを食べながら、ティールは今日の予定を考えていた。
(……昨日、午前中はヒツギの奴と戦ったけど、その後は普通に休んでたし……もう、今日からダンジョン探索を再開させるか?)
特に予定はない。
強いて言えば、まだ波状試練の最下層まで探索してボスモンスターを討伐してないため、それが予定であった。
「やぁ、良かった良かった。まだ宿に居たんだね」
「……ジェンさんじゃないですか。朝からどうしたんですか? まさか、この前観戦してた奴らが、今度は俺が戦いたいって言い始めたとかじゃないですよね」
ヒツギは確かな……大き過ぎる対価を用意した。
加えて、恥も外聞も捨ててティールに……歳下の冒険者に対して、土下座をして頼み込んだ。
結果としてではあるが、ティールはヒツギとの戦いを、価値のある戦いだったと思った。
だが、自分で頼みに来もしない人間の要望を叶えるつもりは一切ない。
「勿論だよ。というか、今日は礼をしようと思って来たんだ」
「礼、ですか。試合の対価なら、既にヒツギから貰てますが」
「ふふ……君は本当に幼いのに、そういうところは大人びてるね」
報酬の二重取り。
自分が悪巧みして行った結果ではなく、結果的にそうなったにもかかわらず、それを拒否する人物は珍しい。
「実はね……あれを教えたのは、僕なんだ」
「あれ……あれ………………………っ!!!!! ……あれ、ジェンさんが、教えたん、ですか」
「うん、そうだよ」
ジェンが口にした「あれ」が何を指してるのか、ティールは少しの間考え込み、察した。
候補はいくつかあるが、教えてしまった事を理由に、自分にお礼しようとしている事を考えれば、どの事を指してるのか解ってしまった。
「…………普通、あぁいう事を、後輩に教えますか」
「あまりにも本気だったからね。僕はちゃんと確認を取ったよ。そもそも、それをしたからといって、成功する保証もないとね」
「……はぁ~~~~~~~。そうだったんですね」
土・下・座!!! をヒツギに教えた人物がジェンだと解り、ティールは大人しくヒツギからの礼を受け取ることにした。
ヒツギとの試合を終え、街に戻って昼食を食べ、午前中以外は普段通りの休日を過ごした。
そんな中、ベッドに入ったティールは……まだ、昼間にラストから伝えられたもしもの話について考えていた。
(…………あいつが、アキラさんに気があった、恋心的なものを感じたのは、一時の気の迷い……だったのか?)
本当にアキラに好意を抱いていたのであれば、中を縮めようとした際に邪魔してきた自分の事を嫌いになる。
そのアキラの傍にいる自分に憎悪を抱いてもおかしくない……といったティールの考えは、決して間違ってはいない。
そう考えるのが妥当ではあるが、本気でアキラに惹かれていた訳ではなかったのであれば、辻褄が合う。
(……っていうか、そんな事あり得るか!!!???)
惚れたのが、意識したのが一時の気の迷いだったかもしれない。
であれば辻褄が合うと解った瞬間……それはそれで納得いかない気持ちが湧き上がり、ほんの少し怒りもこみ上げる。
珍しく、ティール自身が厄介な考えを持ってしまっていた。
その後も悶々とした状態であれこれ考え続けるも、答えが出る訳がなく……いつの間にか寝落ちしていた。
「……………………」
「……どうしたんだ、マスター。今日は特別眠そうな顔をしてるな」
「かもしれないね」
いつの間にか寝落ちしていた。
だが、ベッドの中で何十分……何時間ともやもやもやもやしながら考え続けていたという事は覚えていたため、素直に認めた。
「ティール、何か考え事でもしていたのか?」
「まぁ、そんなところです。俺にしては、珍しく考え過ぎましたね」
正直な話、そこまで考え込む必要がない事ではあった。
ただ……良く解らないと、もやもやが残り続けている。
「そうか。考える事は良いことだが、寝る時はしっかりと寝た方が良いぞ」
「ですね」
焼けたソーセージを食べながら、ティールは今日の予定を考えていた。
(……昨日、午前中はヒツギの奴と戦ったけど、その後は普通に休んでたし……もう、今日からダンジョン探索を再開させるか?)
特に予定はない。
強いて言えば、まだ波状試練の最下層まで探索してボスモンスターを討伐してないため、それが予定であった。
「やぁ、良かった良かった。まだ宿に居たんだね」
「……ジェンさんじゃないですか。朝からどうしたんですか? まさか、この前観戦してた奴らが、今度は俺が戦いたいって言い始めたとかじゃないですよね」
ヒツギは確かな……大き過ぎる対価を用意した。
加えて、恥も外聞も捨ててティールに……歳下の冒険者に対して、土下座をして頼み込んだ。
結果としてではあるが、ティールはヒツギとの戦いを、価値のある戦いだったと思った。
だが、自分で頼みに来もしない人間の要望を叶えるつもりは一切ない。
「勿論だよ。というか、今日は礼をしようと思って来たんだ」
「礼、ですか。試合の対価なら、既にヒツギから貰てますが」
「ふふ……君は本当に幼いのに、そういうところは大人びてるね」
報酬の二重取り。
自分が悪巧みして行った結果ではなく、結果的にそうなったにもかかわらず、それを拒否する人物は珍しい。
「実はね……あれを教えたのは、僕なんだ」
「あれ……あれ………………………っ!!!!! ……あれ、ジェンさんが、教えたん、ですか」
「うん、そうだよ」
ジェンが口にした「あれ」が何を指してるのか、ティールは少しの間考え込み、察した。
候補はいくつかあるが、教えてしまった事を理由に、自分にお礼しようとしている事を考えれば、どの事を指してるのか解ってしまった。
「…………普通、あぁいう事を、後輩に教えますか」
「あまりにも本気だったからね。僕はちゃんと確認を取ったよ。そもそも、それをしたからといって、成功する保証もないとね」
「……はぁ~~~~~~~。そうだったんですね」
土・下・座!!! をヒツギに教えた人物がジェンだと解り、ティールは大人しくヒツギからの礼を受け取ることにした。
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