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嫌い過ぎて……
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「それは……なんですか」
勝負を受けてくれたらこれを渡す……と言われてからとはいえ、いきなり高級なネックレスを見せられては、色々と戸惑ってしまうティール。
「これは、身代わりのネックレスだ」
「身代わりの、ネックレス、ですか」
そこまで冒険者としての知識が豊富ではないため、名前を言われただけでは価値が解らない。
ただ、なんとなく防御系のアイテムなのだろうという事だけは解った。
「これはランク七のマジックアイテムだ」
「「「っ!!!!????」」」
ヒツギの言葉が耳に入ると、ティールだけはなくラストとアキラも、面白いほど表情が崩れ、驚きを一切隠せなかった。
「ら、ランク、七って……えっ、は?」
当然、変な声しか零れない。
普通に考えて、誰かに何かを頼み込むために提示する品質のマジックアイテムではない。
「このネックレスは、着用者が命に関わる攻撃を食らった際、自動で即回復する。加えて、発動後は体力や魔力などを全て全快の状態まで回復してくれる」
「そ、そうなん、ですね」
まだ驚きが消えない。
何故そんなアイテムを持ってるのか、用意したのか。
色々と口に出したい言葉があるも、上手く出てこない。
そんな中、ティールは本当に目の前のネックレスにはその様な効果があるのか……視させてもらった。
(………………ほ、本当、だ。マジだ…………以前、オーク? たちから助けた令嬢から、貰った指輪の……完全上位互換?)
随分と昔の出来事ではあるが、ティールはバラックという街で出会った、クララ・インタールの妹の存在を忘れてはいなかった。
クララの妹から貰った指輪は、奇襲を防いでくれる優秀なマジックアイテム。
だが、それでも防げる攻撃には限度がある。
身代わりのネックレスはランク七のマジックアイテムのくせに、使い捨てではあるが、それでも発動した際の効果は完全にその指輪を上回っていた。
「申し出を受けてくれたら、これを渡す」
(…………いやいやいや、やっぱりアホでしょ)
ここで、自分に勝ったら渡すと……そう言ったのであれば、ティールもまだ色々と納得出来る。
しかし、ヒツギは申し出を受けるだけで、身代わりのネックレスを渡すと、確かに口にした。
(ん~~~~~…………カモフラージュはされてない、か)
再度鑑定を行い調べても、何かしらの魔法やスキル、マジックアイテムによって騙そうとする形跡はない。
(だったら、尚更解らない。なんでだ?)
そもそもヒツギが自分に勝負を挑む理由すら、あまりよく解ってないティール。
「頼む……後生の願いだ」
「っ!!!!!!??????」
最初から、それをするつもりだったのかは解らない。
ただ……現在、ティールたちの周囲には人がいない。
だからこそ、ヒツギが超高級使い捨てマジックアイテムを渡してでもティールに勝負を申し込む光景も……両膝を地面に付け、両手を……額を地面に付けて頼み込むヒツギの姿も……誰も見ていない。
(へ……へんな薬でも、飲んでる、のか?)
土・下・座をしながら頼み込むヒツギに対して、非常に失礼な言葉を心の中で呟いてしまったティール。
土下座という正式な名前は知らない。
それでも、人に何かを申し込む、頼み込む際に行う最終ポーズであることだけは理解していた。
「ティール……」
(うっ!!! あ、アキラさん……そ、そんな顔を、されると……)
当然ながら、土下座の意味……実際に行う者の気持ちを知っている、理解しているアキラとしては、正直……身代わりのネックレスやこれまでの確執? 云々を抜きにして、ティールに受けて上げてほしいと思いが湧き上がっていた。
(こいつ、アキラさんの性格? を狙って……って訳じゃ、ない、か……)
本当にヒツギのことが嫌い過ぎて、もしや額を地面に付ける裏で、ニヤリと笑っているのではないかと考えてしまうティール。
とはいえ、ティールはヒツギのことが嫌いというだけで、殺したいほど憎い負の感情を抱いてはいなかった。
勝負を受けてくれたらこれを渡す……と言われてからとはいえ、いきなり高級なネックレスを見せられては、色々と戸惑ってしまうティール。
「これは、身代わりのネックレスだ」
「身代わりの、ネックレス、ですか」
そこまで冒険者としての知識が豊富ではないため、名前を言われただけでは価値が解らない。
ただ、なんとなく防御系のアイテムなのだろうという事だけは解った。
「これはランク七のマジックアイテムだ」
「「「っ!!!!????」」」
ヒツギの言葉が耳に入ると、ティールだけはなくラストとアキラも、面白いほど表情が崩れ、驚きを一切隠せなかった。
「ら、ランク、七って……えっ、は?」
当然、変な声しか零れない。
普通に考えて、誰かに何かを頼み込むために提示する品質のマジックアイテムではない。
「このネックレスは、着用者が命に関わる攻撃を食らった際、自動で即回復する。加えて、発動後は体力や魔力などを全て全快の状態まで回復してくれる」
「そ、そうなん、ですね」
まだ驚きが消えない。
何故そんなアイテムを持ってるのか、用意したのか。
色々と口に出したい言葉があるも、上手く出てこない。
そんな中、ティールは本当に目の前のネックレスにはその様な効果があるのか……視させてもらった。
(………………ほ、本当、だ。マジだ…………以前、オーク? たちから助けた令嬢から、貰った指輪の……完全上位互換?)
随分と昔の出来事ではあるが、ティールはバラックという街で出会った、クララ・インタールの妹の存在を忘れてはいなかった。
クララの妹から貰った指輪は、奇襲を防いでくれる優秀なマジックアイテム。
だが、それでも防げる攻撃には限度がある。
身代わりのネックレスはランク七のマジックアイテムのくせに、使い捨てではあるが、それでも発動した際の効果は完全にその指輪を上回っていた。
「申し出を受けてくれたら、これを渡す」
(…………いやいやいや、やっぱりアホでしょ)
ここで、自分に勝ったら渡すと……そう言ったのであれば、ティールもまだ色々と納得出来る。
しかし、ヒツギは申し出を受けるだけで、身代わりのネックレスを渡すと、確かに口にした。
(ん~~~~~…………カモフラージュはされてない、か)
再度鑑定を行い調べても、何かしらの魔法やスキル、マジックアイテムによって騙そうとする形跡はない。
(だったら、尚更解らない。なんでだ?)
そもそもヒツギが自分に勝負を挑む理由すら、あまりよく解ってないティール。
「頼む……後生の願いだ」
「っ!!!!!!??????」
最初から、それをするつもりだったのかは解らない。
ただ……現在、ティールたちの周囲には人がいない。
だからこそ、ヒツギが超高級使い捨てマジックアイテムを渡してでもティールに勝負を申し込む光景も……両膝を地面に付け、両手を……額を地面に付けて頼み込むヒツギの姿も……誰も見ていない。
(へ……へんな薬でも、飲んでる、のか?)
土・下・座をしながら頼み込むヒツギに対して、非常に失礼な言葉を心の中で呟いてしまったティール。
土下座という正式な名前は知らない。
それでも、人に何かを申し込む、頼み込む際に行う最終ポーズであることだけは理解していた。
「ティール……」
(うっ!!! あ、アキラさん……そ、そんな顔を、されると……)
当然ながら、土下座の意味……実際に行う者の気持ちを知っている、理解しているアキラとしては、正直……身代わりのネックレスやこれまでの確執? 云々を抜きにして、ティールに受けて上げてほしいと思いが湧き上がっていた。
(こいつ、アキラさんの性格? を狙って……って訳じゃ、ない、か……)
本当にヒツギのことが嫌い過ぎて、もしや額を地面に付ける裏で、ニヤリと笑っているのではないかと考えてしまうティール。
とはいえ、ティールはヒツギのことが嫌いというだけで、殺したいほど憎い負の感情を抱いてはいなかった。
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