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あっち行ったり、こっちに行ったり
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(今のは……悪くなかったな)
オーガという外見には全く似合わない連携プレイで攻めてきた。
これまた似合わない、アーチャーやメイジという上位種もいたが、それでもこれまで転移された空間で行った戦闘と比べれば悪くなかった。
これで、少しは溜まりに溜まったラストの怒りも解消された……筈だった。
「「「っ!?」」」
ティールが上位種オーガたちの死体を回収してから約十秒後、地面から多数の石柱が現れた。
「………………………ヌゥウウウウウァアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!」
(あぁ……うん、そりゃ仕方ないよね)
まだ転移先空間での戦闘は終っておらず、現れたモンスターは以前ティールたちが戦ったモンスター、キラータイガー。
殺し屋の虎。
名前に相応しい隠遁力と、俊敏性。
ダンジョンの三十階層以降に出現した個体ということもあり、敏捷性に限ってはBランクの域に到達している。
そんな殺し屋に有利な戦場にする為に現れた数の石柱。
何故いきなり石柱が現れたのか……狙いが見え見えであり、理解してしまったラストは……完全に冷静さを失ってしまわない様にと雄叫びを上げて少しでもストレスを解消。
そしてまずはキラータイガーの接近などお構いなしに……牙竜で石柱を根本付近からぶった斬り始めた。
「「「っ!!!???」」」
キラータイガーの数は合計三体。
一体でも厄介なモンスターが三体……通常のパーティーなら、石柱とキラータイガーの出現に絶望してもおかしくない。
だが、キラータイガーはダンジョンから石柱を利用して探索者たちを攻めろという指令を受けている。
それが最も有効な攻撃方法であり、キラータイガーの特性を活かしている。
だからこそ……いきなり石柱をぶった斬るという探索者の行動に、驚くなというのは無理な注文。
そもそもこのタイミングで現れた石柱は容易に切断できる硬度ではない。
とはいえ、牙竜のランクは五であり、頑丈さだけではなく鋭さも並ではなく……ラストの腕力と切断技術を持ってすれば、切断するのは決して不可能ではない。
「っ!?」
「ガっ!!???」
「ッ!!」
当然、予想外の行動とその結果に驚くも、キラータイガーたちは即座にラストを攻撃しようとするが、別の角度からティールとアキラの遠距離攻撃が飛来。
「ほら、こっちこっち」
「一旦、大人しくしておいてもらうか」
ティールは主に攻撃魔法、アキラは短刀から繰り出す斬撃でキラータイガーの気を引き寄せる。
「フンッ!!! ゼアッ!!! ヌゥゥゥアアアッ!!!!」
だが、二人の攻撃に気を取られていれば、その間に次々と石柱が切断されてしまう。
再度ラストを狙おうとするが、今度は直接狙うのではなく、妨害するような形でキラータイガーたちの動きを制限する二人。
「「「ッ!!!!!」」」
あっちへ行ったりこっちへ行ったり……怒りの矛先が何度も何度も移動してる間に……全ての石柱がラストによって斬り倒されてしまった。
「「「…………」」」
石柱を利用して自分たちの特性を活かし、探索者たちを殺す。
そういった思考を埋め込まれたキラータイガーたちにとって、改めてその光景を見せられると……思わず思考停止。
「助かった。マスター、アキラ」
仲間たちに感謝の言葉を伝え、一体のキラータイガーに接近。
「ッ!? ッ…………ッ」
思考停止していなければ回避出来た斬撃だったが、中途半端にしか移動できず頭をスパッと切断されてしまった。
「むっ……やはり、侮れない素早さだな」
ラストとしては首元を狙ったつもりだったのだが、思考停止中のキラータイガーは咄嗟にラストの殺意に反応出来たが……移動が中途半端に終わり、頭部を横から切断される形となった。
「貴様らも、逃がさんぞ」
「「っ!!!!!?????」」
ダンジョン内で生まれるモンスターたちの多くは、逃げたいといった感情が湧かないのだが……この時のキラータイガーたちは、ラストの威圧感に気圧され、蛇に睨まれた蛙状態になっていた。
オーガという外見には全く似合わない連携プレイで攻めてきた。
これまた似合わない、アーチャーやメイジという上位種もいたが、それでもこれまで転移された空間で行った戦闘と比べれば悪くなかった。
これで、少しは溜まりに溜まったラストの怒りも解消された……筈だった。
「「「っ!?」」」
ティールが上位種オーガたちの死体を回収してから約十秒後、地面から多数の石柱が現れた。
「………………………ヌゥウウウウウァアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!」
(あぁ……うん、そりゃ仕方ないよね)
まだ転移先空間での戦闘は終っておらず、現れたモンスターは以前ティールたちが戦ったモンスター、キラータイガー。
殺し屋の虎。
名前に相応しい隠遁力と、俊敏性。
ダンジョンの三十階層以降に出現した個体ということもあり、敏捷性に限ってはBランクの域に到達している。
そんな殺し屋に有利な戦場にする為に現れた数の石柱。
何故いきなり石柱が現れたのか……狙いが見え見えであり、理解してしまったラストは……完全に冷静さを失ってしまわない様にと雄叫びを上げて少しでもストレスを解消。
そしてまずはキラータイガーの接近などお構いなしに……牙竜で石柱を根本付近からぶった斬り始めた。
「「「っ!!!???」」」
キラータイガーの数は合計三体。
一体でも厄介なモンスターが三体……通常のパーティーなら、石柱とキラータイガーの出現に絶望してもおかしくない。
だが、キラータイガーはダンジョンから石柱を利用して探索者たちを攻めろという指令を受けている。
それが最も有効な攻撃方法であり、キラータイガーの特性を活かしている。
だからこそ……いきなり石柱をぶった斬るという探索者の行動に、驚くなというのは無理な注文。
そもそもこのタイミングで現れた石柱は容易に切断できる硬度ではない。
とはいえ、牙竜のランクは五であり、頑丈さだけではなく鋭さも並ではなく……ラストの腕力と切断技術を持ってすれば、切断するのは決して不可能ではない。
「っ!?」
「ガっ!!???」
「ッ!!」
当然、予想外の行動とその結果に驚くも、キラータイガーたちは即座にラストを攻撃しようとするが、別の角度からティールとアキラの遠距離攻撃が飛来。
「ほら、こっちこっち」
「一旦、大人しくしておいてもらうか」
ティールは主に攻撃魔法、アキラは短刀から繰り出す斬撃でキラータイガーの気を引き寄せる。
「フンッ!!! ゼアッ!!! ヌゥゥゥアアアッ!!!!」
だが、二人の攻撃に気を取られていれば、その間に次々と石柱が切断されてしまう。
再度ラストを狙おうとするが、今度は直接狙うのではなく、妨害するような形でキラータイガーたちの動きを制限する二人。
「「「ッ!!!!!」」」
あっちへ行ったりこっちへ行ったり……怒りの矛先が何度も何度も移動してる間に……全ての石柱がラストによって斬り倒されてしまった。
「「「…………」」」
石柱を利用して自分たちの特性を活かし、探索者たちを殺す。
そういった思考を埋め込まれたキラータイガーたちにとって、改めてその光景を見せられると……思わず思考停止。
「助かった。マスター、アキラ」
仲間たちに感謝の言葉を伝え、一体のキラータイガーに接近。
「ッ!? ッ…………ッ」
思考停止していなければ回避出来た斬撃だったが、中途半端にしか移動できず頭をスパッと切断されてしまった。
「むっ……やはり、侮れない素早さだな」
ラストとしては首元を狙ったつもりだったのだが、思考停止中のキラータイガーは咄嗟にラストの殺意に反応出来たが……移動が中途半端に終わり、頭部を横から切断される形となった。
「貴様らも、逃がさんぞ」
「「っ!!!!!?????」」
ダンジョン内で生まれるモンスターたちの多くは、逃げたいといった感情が湧かないのだが……この時のキラータイガーたちは、ラストの威圧感に気圧され、蛇に睨まれた蛙状態になっていた。
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