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再びわざと踏んで……
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「いきなりの挨拶、って感じだな」
「「「「「「「「シィイイアアアアア!!!!」」」」」」」」
三十三階層まで進んだティールたちは、再び……あるトラップを見つけてしまった。
それは、転移トラップ。
しかも……別の階層に飛ばすようなトラップではなく、全くの別空間に飛ばし、条件をクリアするまで元いた場所に戻れないタイプの転移トラップ。
今回もティールたちはうっかり引っ掛かってしまったのではなく……そういったトラップなのだと認識した上で、三人同時に踏んだ。
結果、広い広い地面や壁……転移が洞窟感のある場所に飛ばされた。
そして三人が転移してから約十秒後、大量のラミアが何もない空間から召喚された。
「ふむ……これまた、奇怪なモンスターだな」
基本的に蛇ではあるが、上半身は女性に近い姿を持つモンスター。
片手には短剣を持っており、その短剣には毒が付与されている。
ランクはDと、三人からすれば決して強敵ではないが……そこはさすが三十一階層以降の転移トラップ先で出現するモンスター。
たかがランクDだろと油断していれば、うっかり咬みつかれたり毒付き短剣で斬撃をくらいかねないスピードで動き、モンスターらしからぬ連携でトラップに引っ掛かった愚か者? に襲い掛かる。
「フンッ!!」
「よっと」
「シッ!!!」
「「「っ!!??」」」
とはいえ、あくまで常識の範囲内での強化。
ランクはDなのに、実はBランククラスの実力を持っている、なんて恐ろし過ぎる詐欺モンスターと化していないため、三人は余裕をもって各々の得意攻撃をぶちかまし、瞬殺していく。
ラミアという予想外のモンスターが出現したものの、ティールたちからすれば……あまり戦おうという欲が湧き上がる相手ではない。
「ラミア、か……あまり山岳地帯とは関係無いモンスターだったな」
「山岳地帯に出現しないモンスターと戦わせるのが狙いかもしれないよ」
「対策出来てないであろうモンスターと戦えば、動揺するかもしれないということか…………理には適っているのだろうな」
あれこれ話しながら、ティールが討伐したラミアの死体を回収し終えてから約十秒後、再びモンスターが現れた。
「今度はグリーンウルフか」
十数体の緑狼が出現。
現れるなりティールたちを睨みつけるも……直ぐに直接襲い掛かることはなく、円状に三人を囲み……一斉に風の爪撃刃を放った。
「っと、これは…………なるほど。そういう指示を詰め込まれて、召喚されたということかな?」
一斉に風爪斬を放ったグリーンウルフたちは、今度は接近して爪撃をぶちかまそうとするのではなく、そのまま円状の陣を維持し続け、風爪斬を放ち続ける。
(このグリーンウルフたち、以前戦ったことがある個体よりも、魔力量が明らかに多い)
二度や三度繰り返すだけではなく、緑狼たちは延々と位置を変えながらも、三人に向かって風爪斬を放ち続ける……そんな緑狼たちの戦いに理解はあるが、気に入らないというのが本音であるラストが動いた。
「ぬぅゥゥアアアアッ!!!!」
気に入らない、気に入らない、ひたすら気に入らない。
そんなグリーンウルフに対する超個人的な感情を、抑えることなくぶつけていく。
(わぁ~~~~……普通のグリーンウルフより魔力量は多いけど、あれは……うん、どう考えても魔力を多く纏ったからって耐えられないよな~~)
グリーンウルフでは迫るラストを振り切ることは出来ず、大剣による斬撃を耐えるという選択肢しかないのだが……緑狼にラストの腕力から繰り出される牙竜の斬撃を耐えられる防御力などある訳がなく……一体ずつ紙切れのように切り裂かれていった。
当然、接近戦を仕掛けるラストに風爪斬が集中するが、その全てをティールたちが相殺していき……十数体もいたグリーンウルフは一分も経たないうちに全滅した。
「……結構、長くなりそうだなぁ」
死体回収から約十秒後、再びモンスターが出現。
今度はメタルゴーレムとCランクのモンスターであり、ラストのイライラが少しは晴れる……と思ったが、全くそんなことはなく、基本的に攻めることなく防御がメインで戦う鋼鉄人形。
「…………ヌゥゥウウウアアアアアアアアアアッ!!!!!!」
当然、再びラストの気に入らないという思いが爆発した。
「「「「「「「「シィイイアアアアア!!!!」」」」」」」」
三十三階層まで進んだティールたちは、再び……あるトラップを見つけてしまった。
それは、転移トラップ。
しかも……別の階層に飛ばすようなトラップではなく、全くの別空間に飛ばし、条件をクリアするまで元いた場所に戻れないタイプの転移トラップ。
今回もティールたちはうっかり引っ掛かってしまったのではなく……そういったトラップなのだと認識した上で、三人同時に踏んだ。
結果、広い広い地面や壁……転移が洞窟感のある場所に飛ばされた。
そして三人が転移してから約十秒後、大量のラミアが何もない空間から召喚された。
「ふむ……これまた、奇怪なモンスターだな」
基本的に蛇ではあるが、上半身は女性に近い姿を持つモンスター。
片手には短剣を持っており、その短剣には毒が付与されている。
ランクはDと、三人からすれば決して強敵ではないが……そこはさすが三十一階層以降の転移トラップ先で出現するモンスター。
たかがランクDだろと油断していれば、うっかり咬みつかれたり毒付き短剣で斬撃をくらいかねないスピードで動き、モンスターらしからぬ連携でトラップに引っ掛かった愚か者? に襲い掛かる。
「フンッ!!」
「よっと」
「シッ!!!」
「「「っ!!??」」」
とはいえ、あくまで常識の範囲内での強化。
ランクはDなのに、実はBランククラスの実力を持っている、なんて恐ろし過ぎる詐欺モンスターと化していないため、三人は余裕をもって各々の得意攻撃をぶちかまし、瞬殺していく。
ラミアという予想外のモンスターが出現したものの、ティールたちからすれば……あまり戦おうという欲が湧き上がる相手ではない。
「ラミア、か……あまり山岳地帯とは関係無いモンスターだったな」
「山岳地帯に出現しないモンスターと戦わせるのが狙いかもしれないよ」
「対策出来てないであろうモンスターと戦えば、動揺するかもしれないということか…………理には適っているのだろうな」
あれこれ話しながら、ティールが討伐したラミアの死体を回収し終えてから約十秒後、再びモンスターが現れた。
「今度はグリーンウルフか」
十数体の緑狼が出現。
現れるなりティールたちを睨みつけるも……直ぐに直接襲い掛かることはなく、円状に三人を囲み……一斉に風の爪撃刃を放った。
「っと、これは…………なるほど。そういう指示を詰め込まれて、召喚されたということかな?」
一斉に風爪斬を放ったグリーンウルフたちは、今度は接近して爪撃をぶちかまそうとするのではなく、そのまま円状の陣を維持し続け、風爪斬を放ち続ける。
(このグリーンウルフたち、以前戦ったことがある個体よりも、魔力量が明らかに多い)
二度や三度繰り返すだけではなく、緑狼たちは延々と位置を変えながらも、三人に向かって風爪斬を放ち続ける……そんな緑狼たちの戦いに理解はあるが、気に入らないというのが本音であるラストが動いた。
「ぬぅゥゥアアアアッ!!!!」
気に入らない、気に入らない、ひたすら気に入らない。
そんなグリーンウルフに対する超個人的な感情を、抑えることなくぶつけていく。
(わぁ~~~~……普通のグリーンウルフより魔力量は多いけど、あれは……うん、どう考えても魔力を多く纏ったからって耐えられないよな~~)
グリーンウルフでは迫るラストを振り切ることは出来ず、大剣による斬撃を耐えるという選択肢しかないのだが……緑狼にラストの腕力から繰り出される牙竜の斬撃を耐えられる防御力などある訳がなく……一体ずつ紙切れのように切り裂かれていった。
当然、接近戦を仕掛けるラストに風爪斬が集中するが、その全てをティールたちが相殺していき……十数体もいたグリーンウルフは一分も経たないうちに全滅した。
「……結構、長くなりそうだなぁ」
死体回収から約十秒後、再びモンスターが出現。
今度はメタルゴーレムとCランクのモンスターであり、ラストのイライラが少しは晴れる……と思ったが、全くそんなことはなく、基本的に攻めることなく防御がメインで戦う鋼鉄人形。
「…………ヌゥゥウウウアアアアアアアアアアッ!!!!!!」
当然、再びラストの気に入らないという思いが爆発した。
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