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条件
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「ふぅ~~~~~、なんかちょっとスッキリした」
「お疲れ、マスター。いつもより……ワイルド? な倒し方だったな」
「そうか? まぁ、確かにちょっと荒っぽい倒し方だったかもな」
普段通りのやり取りにしか見えない光景に、助けられた冒険者たちは……まだ今一つ、目の前で起こった光景を飲み込めていなかった。
「あ、あの……」
「あっ、皆さん大丈夫でしたか?」
「あぁ、あんたのお陰で誰も死ぬことはなかった。本当に助かった…………って、もしかしてあんた、ティール……さんたち、か?」
少年と呼べる冒険者と、竜人族の青年。
そして黒髪の凛々しいタイプの美人。
その組み合わせの冒険者たちは、今ジラーニで中々にホットなパーティー。
実際に顔を見たことがなくとも、その組み合わせだけでティールたちがティールたちだと解る。
「そうだよ。俺はティール。こっちはラストで、こっちはアキラさん。よろしく」
「……よろしく」
「よろしく」
「ど、どうも……」
リーダーの男も含めて、彼らはどうすれば良いのか……中々喉奥から言葉が出てこなかった。
「えっと、あの、本当に、ありがとうございました」
「「「ありがとうございました」」」
「ふふ、もうお礼の言葉は聞きましたよ」
「いや、でもなんと言うか……」
ティールという少年が、完全に少年の見た目でありながら、Bランクという話は……それなりに広まっていた。
それは助けられた冒険者たちも軽く耳にしていた。
ギルド内で起こった……とある有望な若手の株を下げる事件の中心にいた人物。
それでも、だからといって強いという確証にはならない。
だが……今、目の前で自分たちが苦戦していたモンスター、ダーディーディアスを相手に、突進を真正面から受け止めるだけではなく、そのまま持ち上げて振り下ろし、四肢の骨を砕いた。
(この人、ま、マジで強いん、だな)
仮にうまくダーディーディアスの突進を受け止められたところで、振り回されて吹き飛ぶオチが見えている。
しかし、ティールという少年は持ち上げられ、吹き飛ばされることなく逆に自分が持ち上げ、地面に叩きつけた。
「あ、俺ら深緑のファミリアに所属してる冒険者です」
「深緑の、ファミリア……」
「ティール、確かあの男…………ヒツギが所属している紫獅の誓いというクランと肩を並べる有名どころのクランだ」
「あぁ、そこか」
ダンジョンの情報であれば、それなりに頭に入っているが、波状試練を拠点とするクランの詳細までは覚えていなかった。
「ティールさん、ラストさん、アキラさん。このご縁は、決して忘れません!!」
打算ありの行動ではあるが、リーダーの男は自分よりも一回りほど歳下であるティールに対して、深々と頭を下げた。
メンバーもリーダーの意図を察し、頭を下げてお礼の言葉を伝えた。
「ど、どうも……ところで、このまま無事に二十一階層まで戻れますか?」
「「「「っ!!!」」」」
ティールの言葉に対し、プライドが傷付いたのではない。
助けられた恩人に心配された通り、かなり余裕がなかった。
「良かったら、一緒に二十一階層まで行きましょうか」
「い、いや。そこまでしてもらうのは」
「せっかくって言い方は少しあれですけど、助けた相手が後で地上に戻る前に亡くなったという話は聞きたくないので」
「っ…………では、お言葉に甘えさせていただきます」
「そうしてください。あっ、でも一つ条件があります」
条件。
その言葉を聞いて、リーダーの男は自分たちが二十一階層まで護衛されるのだから、当然報酬の件に関して話し合わなければならないと思った。
だが、ティールの口から出た条件の内容は……報酬とは全く関係のない話だった。
「雷鳥と遭遇したら、俺が戦うので。そこのところだけ、よろしくお願いします」
「ら、雷鳥、ですか……わ、分かりました?」
まさか過ぎる条件の要求に、リーダーを含めて全員首を傾げるしかなかった。
「お疲れ、マスター。いつもより……ワイルド? な倒し方だったな」
「そうか? まぁ、確かにちょっと荒っぽい倒し方だったかもな」
普段通りのやり取りにしか見えない光景に、助けられた冒険者たちは……まだ今一つ、目の前で起こった光景を飲み込めていなかった。
「あ、あの……」
「あっ、皆さん大丈夫でしたか?」
「あぁ、あんたのお陰で誰も死ぬことはなかった。本当に助かった…………って、もしかしてあんた、ティール……さんたち、か?」
少年と呼べる冒険者と、竜人族の青年。
そして黒髪の凛々しいタイプの美人。
その組み合わせの冒険者たちは、今ジラーニで中々にホットなパーティー。
実際に顔を見たことがなくとも、その組み合わせだけでティールたちがティールたちだと解る。
「そうだよ。俺はティール。こっちはラストで、こっちはアキラさん。よろしく」
「……よろしく」
「よろしく」
「ど、どうも……」
リーダーの男も含めて、彼らはどうすれば良いのか……中々喉奥から言葉が出てこなかった。
「えっと、あの、本当に、ありがとうございました」
「「「ありがとうございました」」」
「ふふ、もうお礼の言葉は聞きましたよ」
「いや、でもなんと言うか……」
ティールという少年が、完全に少年の見た目でありながら、Bランクという話は……それなりに広まっていた。
それは助けられた冒険者たちも軽く耳にしていた。
ギルド内で起こった……とある有望な若手の株を下げる事件の中心にいた人物。
それでも、だからといって強いという確証にはならない。
だが……今、目の前で自分たちが苦戦していたモンスター、ダーディーディアスを相手に、突進を真正面から受け止めるだけではなく、そのまま持ち上げて振り下ろし、四肢の骨を砕いた。
(この人、ま、マジで強いん、だな)
仮にうまくダーディーディアスの突進を受け止められたところで、振り回されて吹き飛ぶオチが見えている。
しかし、ティールという少年は持ち上げられ、吹き飛ばされることなく逆に自分が持ち上げ、地面に叩きつけた。
「あ、俺ら深緑のファミリアに所属してる冒険者です」
「深緑の、ファミリア……」
「ティール、確かあの男…………ヒツギが所属している紫獅の誓いというクランと肩を並べる有名どころのクランだ」
「あぁ、そこか」
ダンジョンの情報であれば、それなりに頭に入っているが、波状試練を拠点とするクランの詳細までは覚えていなかった。
「ティールさん、ラストさん、アキラさん。このご縁は、決して忘れません!!」
打算ありの行動ではあるが、リーダーの男は自分よりも一回りほど歳下であるティールに対して、深々と頭を下げた。
メンバーもリーダーの意図を察し、頭を下げてお礼の言葉を伝えた。
「ど、どうも……ところで、このまま無事に二十一階層まで戻れますか?」
「「「「っ!!!」」」」
ティールの言葉に対し、プライドが傷付いたのではない。
助けられた恩人に心配された通り、かなり余裕がなかった。
「良かったら、一緒に二十一階層まで行きましょうか」
「い、いや。そこまでしてもらうのは」
「せっかくって言い方は少しあれですけど、助けた相手が後で地上に戻る前に亡くなったという話は聞きたくないので」
「っ…………では、お言葉に甘えさせていただきます」
「そうしてください。あっ、でも一つ条件があります」
条件。
その言葉を聞いて、リーダーの男は自分たちが二十一階層まで護衛されるのだから、当然報酬の件に関して話し合わなければならないと思った。
だが、ティールの口から出た条件の内容は……報酬とは全く関係のない話だった。
「雷鳥と遭遇したら、俺が戦うので。そこのところだけ、よろしくお願いします」
「ら、雷鳥、ですか……わ、分かりました?」
まさか過ぎる条件の要求に、リーダーを含めて全員首を傾げるしかなかった。
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