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「「「…………」」」
ティールたち三人は、現在とある場所で立ち止まっていた。
その場所は……特に変わった場所ではない。
どこにでもある山岳地帯の一部なのだが、三人はそこでがっつり止まっていた。
「ティール……この目の前にあるのは、本当にそうなのか?」
「そうですね。飛んだ先で、何が待ってるのかまでは解りませんが」
三人の目の前には、何も無いように見えて……転移トラップが仕込まれている。
話のネタとして、過去の冒険譚を話していた際、アキラは以前ティールが体験した内容を覚えていた。
大量のモンスターが一つの空間に現れ、ティールが本気で殲滅に乗り出すほど多くのモンスターと戦い……最後にはメタルアーマードビートルというBランクのモンスターがボスとして現れた。
アキラからすれば、血肉湧き踊る空間である。
「……マスター、転移トラップには違う階層に飛んでしまうタイプのトラップもあるのだろ。それは……良いのか?」
「むっ。それは………………嫌かな」
一階層ずつ、一階層ずつ攻略してこその楽しさがあると、ティールは考えている。
今回が初めてのダンジョン探索ではあるが、アキラもなんとなくその楽しみを理解していた。
「……止めておくか? まだ同じニ十階層代であればまだしも、いきなり三十階層以降に飛ばされるかもしれないぞ」
ボスを倒さずに三十階層以降に? という疑問が零れるものの、あり得ないと思ってしまう現象が珍しくないのがダンジョン。
アキラが口にした内容は、さすがに怒り得ないとは断言出来なかった二人。
「ん~~~~~……でも、俺達は一応ダンジョンを楽しむ為に、冒険するために訪れたんですから……ありといえば、ありかと思います」
ダンジョンを楽しんで冒険する場所と解釈する冒険者は多くない。
加えて、楽しむ為にわざわざ転移トラップに引っ掛かろうとするのは……ただのバカである。
しかし……この場にそのバカな考えを止める者は、一人もいなかった。
「ふっふっふ、流石ティールだな。よし、私は腹を決めた!」
「楽しそうであるのは、間違いないな」
ラストとアキラがティールの意思に同意したことで、三人は軽くジャンプし、同時に着地。
すると足元に魔法陣が展開され……三人はあっという間にその場から消えた。
「……っ、どうやら転移し終えたようだな」
「そうみたいですね」
無事に転移し終えた三人。
ティールたちが転移した場所は……ある程度広い空間ではあるものの、大量のモンスターがいきなり現れるとは思ない空間。
「マスター、どうやら奥に続く道があるようだな」
ラストの言う通り、一つだけ扉があり……奥に進まなければ進めない事は明白。
(……この空間では、全くモンスターが出現する気配がない。つまり、未知に挑むために休憩できる場所、ということかな?)
自分たちも少し休憩するべきか? と思うものの、三人は数時間前に飯を食べており、今丁度良い感じで食べた食事が消化されているのを……力になっているのを感じていた。
「そうみたいだね。ところで、俺はこのまま進むべきかなって思うんだけど、二人はどう思う? がっつりここで休んでから挑むこともできる」
ほんの少しだけ悩んでから、二人は答えを出した。
「私はこのまま進むべきだと思う」
「俺も同感だ。特に疲労がたまっている訳でもないしな」
「ぃよし……それじゃ、行くか」
扉を開け、通路を進んでいくと……いくつもの柱が立っている空間に足を踏み入れた。
(柱の高さが、結構バラバラになってる…………多分この柱、土や岩? が素材に見えるけど、かなり堅そうだな)
足を踏み入れた空間は非常に広く、天井も高い。
「……まだ全てを見た訳ではないが、扉はなさそうだな」
「そうですね……っ、どうやら試練? が始まるようですね」
複数の気配を察知し、三人と一斉に得物を抜いた。
ティールたち三人は、現在とある場所で立ち止まっていた。
その場所は……特に変わった場所ではない。
どこにでもある山岳地帯の一部なのだが、三人はそこでがっつり止まっていた。
「ティール……この目の前にあるのは、本当にそうなのか?」
「そうですね。飛んだ先で、何が待ってるのかまでは解りませんが」
三人の目の前には、何も無いように見えて……転移トラップが仕込まれている。
話のネタとして、過去の冒険譚を話していた際、アキラは以前ティールが体験した内容を覚えていた。
大量のモンスターが一つの空間に現れ、ティールが本気で殲滅に乗り出すほど多くのモンスターと戦い……最後にはメタルアーマードビートルというBランクのモンスターがボスとして現れた。
アキラからすれば、血肉湧き踊る空間である。
「……マスター、転移トラップには違う階層に飛んでしまうタイプのトラップもあるのだろ。それは……良いのか?」
「むっ。それは………………嫌かな」
一階層ずつ、一階層ずつ攻略してこその楽しさがあると、ティールは考えている。
今回が初めてのダンジョン探索ではあるが、アキラもなんとなくその楽しみを理解していた。
「……止めておくか? まだ同じニ十階層代であればまだしも、いきなり三十階層以降に飛ばされるかもしれないぞ」
ボスを倒さずに三十階層以降に? という疑問が零れるものの、あり得ないと思ってしまう現象が珍しくないのがダンジョン。
アキラが口にした内容は、さすがに怒り得ないとは断言出来なかった二人。
「ん~~~~~……でも、俺達は一応ダンジョンを楽しむ為に、冒険するために訪れたんですから……ありといえば、ありかと思います」
ダンジョンを楽しんで冒険する場所と解釈する冒険者は多くない。
加えて、楽しむ為にわざわざ転移トラップに引っ掛かろうとするのは……ただのバカである。
しかし……この場にそのバカな考えを止める者は、一人もいなかった。
「ふっふっふ、流石ティールだな。よし、私は腹を決めた!」
「楽しそうであるのは、間違いないな」
ラストとアキラがティールの意思に同意したことで、三人は軽くジャンプし、同時に着地。
すると足元に魔法陣が展開され……三人はあっという間にその場から消えた。
「……っ、どうやら転移し終えたようだな」
「そうみたいですね」
無事に転移し終えた三人。
ティールたちが転移した場所は……ある程度広い空間ではあるものの、大量のモンスターがいきなり現れるとは思ない空間。
「マスター、どうやら奥に続く道があるようだな」
ラストの言う通り、一つだけ扉があり……奥に進まなければ進めない事は明白。
(……この空間では、全くモンスターが出現する気配がない。つまり、未知に挑むために休憩できる場所、ということかな?)
自分たちも少し休憩するべきか? と思うものの、三人は数時間前に飯を食べており、今丁度良い感じで食べた食事が消化されているのを……力になっているのを感じていた。
「そうみたいだね。ところで、俺はこのまま進むべきかなって思うんだけど、二人はどう思う? がっつりここで休んでから挑むこともできる」
ほんの少しだけ悩んでから、二人は答えを出した。
「私はこのまま進むべきだと思う」
「俺も同感だ。特に疲労がたまっている訳でもないしな」
「ぃよし……それじゃ、行くか」
扉を開け、通路を進んでいくと……いくつもの柱が立っている空間に足を踏み入れた。
(柱の高さが、結構バラバラになってる…………多分この柱、土や岩? が素材に見えるけど、かなり堅そうだな)
足を踏み入れた空間は非常に広く、天井も高い。
「……まだ全てを見た訳ではないが、扉はなさそうだな」
「そうですね……っ、どうやら試練? が始まるようですね」
複数の気配を察知し、三人と一斉に得物を抜いた。
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