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武者震う実感
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「フッ!!!!!」
一閃。
放たれた斬撃は見事、メタルスケルトンソルジャーの右腕を切断。
「ッ!!!!!」
しかしアンデット、加えて痛覚などなく、骨だけの存在であるメタルスケルトンソルジャーにとって、腕が斬り裂かれたことなど、大した問題ではない。
片腕が斬られたのであれば、残っている左腕で殴り掛かれば良い。
名前にソルジャーという名前が付いている通り、ロングソードを扱うのが得意なモンスターではあるが、鋼の拳はそれだけで脅威。
受け方を間違えると、Cランクの冒険者であっても手痛いダメージを負うことになる。
「シッ!!!!!」
だが、痛みなど感じず、次の攻撃を仕掛けてくると解っていたアキラは華麗に左拳を躱し、再び一閃。
今度は左腕を斬り落とし……そこで止まらず、今度は両足の骨まで切断。
いくらスケルトン系のモンスターが片足、片腕を切断されたところで動き続けるクレイジーな個体であっても、両手両足を斬り裂かれてしまっては……もう何も出来ない。
メタルスケルトンソルジャーに残っていた魂? が生きることを諦めたのか、数秒後には完全に停止。
「っ……ふ、ふっふっふ。ふふふ……ティール、ラスト。この宝箱が現れたということは、私の勝利ということで良いのだな」
「はい、そうですよ。見事な勝利でした」
ボスを倒し、目の前のボスモンスターを倒したという証明になる宝箱が現れた。
この……今、自分はダンジョンを探索しているのだという実感を得られる内容を体験し、更にテンションが上がるアキラ。
しかし、本日のダンジョン探索はここまで。
三人の体力的には、まだまだ更に下の階層を探索できるが、ダンジョンという場所の恐ろしさを知っているティールとラスト。
そして今回が初の探索ではあるが、メタルスケルトンソルジャーの強さにある程度の脅威を感じ取っていたアキラ。
三人は慢心することなく、メタルスケルトンソルジャーの素材と宝箱を回収し、地上へと転移。
「……っ、なんとも不思議な感覚だ」
「俺も同じ感覚でしたよ。どういった原理なのか……まぁ、ダンジョンそのものが色々と謎に包まれてるんで、そういうものだって納得するしかないんでしょうけど」
ギフトの知性のお陰で、同世代の者たちよりも物事を深く考えられる頭を持つティールだが、どれだけ考えても納得のいく理屈が思い浮かばない。
「俺はマスターほど考える頭がないから、全く解らん。とはいえ、俺にとっては強敵たちと何度も戦える最高の実践場……それが変わらなければ、何でも良い」
「ふっふっふ、私も同感だ。まだ十層までしか探索していないが、実戦の感覚を養う場所としては非常に好ましい」
中々に戦闘狂な言葉を平然とした表情で呟く二人に、すれ違う同業者たちは少々引く……か、同じ様な考えを持つ者たちは……同士がいることが嬉しかったのか、笑みを浮かべる。
(二人ともブレないね~。俺も似た様な者ではあると思うけど、二人の方が絶対に強い……戦闘欲を持ってるよな)
冒険者として生き続けることを考えるとあまりよろしくない思考ではあるが、パーティーを組んでいるティールからすれば、この上なく頼もしい存在である。
「買取をお願いします」
「か、かしこまりました」
少年と言える顔を持つ冒険者が、アイテムバッグの中から大量の素材を取り出す。
ティールやラストからすればいつもの事ではあるが、同業者たち……受付嬢たちからすれば、見慣れない光景であるのは間違いない。
(相変わらず視線は集まるようだが……先日、俺が馬鹿共を殴った甲斐があったのか、視線を向けてくるだけでバカな考えを起こそうとする者たちはいないようだな)
冒険者たちの中には、いつもの如くティールがラストに……加えて、今ではアキラにおんぶ抱っこの実力しかないと思う者はいるが、それが余計にティールは権力者の息子なのではないかと……全くもって見当はずれな考えを加速させた。
一閃。
放たれた斬撃は見事、メタルスケルトンソルジャーの右腕を切断。
「ッ!!!!!」
しかしアンデット、加えて痛覚などなく、骨だけの存在であるメタルスケルトンソルジャーにとって、腕が斬り裂かれたことなど、大した問題ではない。
片腕が斬られたのであれば、残っている左腕で殴り掛かれば良い。
名前にソルジャーという名前が付いている通り、ロングソードを扱うのが得意なモンスターではあるが、鋼の拳はそれだけで脅威。
受け方を間違えると、Cランクの冒険者であっても手痛いダメージを負うことになる。
「シッ!!!!!」
だが、痛みなど感じず、次の攻撃を仕掛けてくると解っていたアキラは華麗に左拳を躱し、再び一閃。
今度は左腕を斬り落とし……そこで止まらず、今度は両足の骨まで切断。
いくらスケルトン系のモンスターが片足、片腕を切断されたところで動き続けるクレイジーな個体であっても、両手両足を斬り裂かれてしまっては……もう何も出来ない。
メタルスケルトンソルジャーに残っていた魂? が生きることを諦めたのか、数秒後には完全に停止。
「っ……ふ、ふっふっふ。ふふふ……ティール、ラスト。この宝箱が現れたということは、私の勝利ということで良いのだな」
「はい、そうですよ。見事な勝利でした」
ボスを倒し、目の前のボスモンスターを倒したという証明になる宝箱が現れた。
この……今、自分はダンジョンを探索しているのだという実感を得られる内容を体験し、更にテンションが上がるアキラ。
しかし、本日のダンジョン探索はここまで。
三人の体力的には、まだまだ更に下の階層を探索できるが、ダンジョンという場所の恐ろしさを知っているティールとラスト。
そして今回が初の探索ではあるが、メタルスケルトンソルジャーの強さにある程度の脅威を感じ取っていたアキラ。
三人は慢心することなく、メタルスケルトンソルジャーの素材と宝箱を回収し、地上へと転移。
「……っ、なんとも不思議な感覚だ」
「俺も同じ感覚でしたよ。どういった原理なのか……まぁ、ダンジョンそのものが色々と謎に包まれてるんで、そういうものだって納得するしかないんでしょうけど」
ギフトの知性のお陰で、同世代の者たちよりも物事を深く考えられる頭を持つティールだが、どれだけ考えても納得のいく理屈が思い浮かばない。
「俺はマスターほど考える頭がないから、全く解らん。とはいえ、俺にとっては強敵たちと何度も戦える最高の実践場……それが変わらなければ、何でも良い」
「ふっふっふ、私も同感だ。まだ十層までしか探索していないが、実戦の感覚を養う場所としては非常に好ましい」
中々に戦闘狂な言葉を平然とした表情で呟く二人に、すれ違う同業者たちは少々引く……か、同じ様な考えを持つ者たちは……同士がいることが嬉しかったのか、笑みを浮かべる。
(二人ともブレないね~。俺も似た様な者ではあると思うけど、二人の方が絶対に強い……戦闘欲を持ってるよな)
冒険者として生き続けることを考えるとあまりよろしくない思考ではあるが、パーティーを組んでいるティールからすれば、この上なく頼もしい存在である。
「買取をお願いします」
「か、かしこまりました」
少年と言える顔を持つ冒険者が、アイテムバッグの中から大量の素材を取り出す。
ティールやラストからすればいつもの事ではあるが、同業者たち……受付嬢たちからすれば、見慣れない光景であるのは間違いない。
(相変わらず視線は集まるようだが……先日、俺が馬鹿共を殴った甲斐があったのか、視線を向けてくるだけでバカな考えを起こそうとする者たちはいないようだな)
冒険者たちの中には、いつもの如くティールがラストに……加えて、今ではアキラにおんぶ抱っこの実力しかないと思う者はいるが、それが余計にティールは権力者の息子なのではないかと……全くもって見当はずれな考えを加速させた。
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