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噂は消えない
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「あら、ティールさんとラストさんにシャーリーさんじゃないですか」
討伐依頼を終えて帰還後、三人はバルバラたちと出会った。
「バルバラ、そちらが先日話していた今話題のタッグか」
「本当に子供? なのね。でも雰囲気は不釣り合い? って感じ」
「でも、とにかくBランクなんでしょ? 人畜無害そうだし、男とか関係無しに勧誘したいわね」
バルバラのパーティーメンバーは、全員女性。
これからメンバーが増えたとしても、加入させるのは女性と限定しているパーティーだが……初対面であるにもかかわらず、初対面の三人の反応は比較的良好だった。
そのため、そのまま一緒に夕食を食べるなり、食事の席でも三人は積極的に二人に声をかけた。
そんな中……途中でバルバラがとある提案を二人に伝えた。
「お二人とも、現役を引退した後は私の実家に努めませんか」
「…………勧誘、ってことですか?」
「勿論、今すぐという訳ではありませんわ。そうですね……お二人が五十代ぐらい? になってからでも、私としては非常に嬉しいですわ」
竜人族であるラストはともかく、人族であるティールは五十を越えたとなれば、肉体的には確実に全盛期を過ぎている。
それが解らないバルバラではない。
なのに、五十を越えてからでも全然ウェルカム……といった反応を見せるリーダーに疑問を持ったパーティーメンバーたち。
「バルバラ。人族は五十を越えれば、さすがに全盛期を過ぎているぞ」
「それは勿論私も解っていますわ。ですが、お二人はいずれAランクという頂きに到達するでしょう。元Aランク冒険者であるお二人を私兵として雇うことが出来れば、実家としても万々歳な筈ですわ」
いずれAランクという頂きに到達する。
リーダーの言葉に、三人は再びティールとラストに視線を集中させた。
「とはいえ、元Aランクの冒険者となりますと……私兵と言うよりも、食客ですわね」
「有事の際は戦力となって動く、ということですか?」
「そんな感じですわ。普段は兵士や騎士たちの相手になってもらったり、それこそこれまで通り冒険者の様なサイクルで生活するのもありですわ」
老後の再就職先……という場としては、決して悪くはなかった。
「とはいえ、お二人がAランクになれば、それこそ私の実家以上の力を持つ方たちが放っておかないとは思いますが」
「……本気で遠慮したいところですね。俺は……冒険者の中では我慢出来る方だとは思いますけど、それでもイライラが溜まったら、絶対に爆発しますから」
それ相応の立場になれば、対応の仕方も変化する?
確かにその可能性は決してゼロではないが、ティールは……その戦いぶりを観れば、誰もが強者と認めざるを得ない。
そして本人も……謙虚な対応を取っ払えば、完全に自分は戦闘力で上位に入る存在だと自負している。
特殊なスキルを天から授かったとはいえ、これまでの道のりはティールの努力と脅威に立ち向かう精神があるからこそ手に入れた戦闘力。
本人に自分は紛れもない強者だという自覚があるにもかかわらず、面倒事を回避するためにと……全てのイライラを我慢しなければならない?
冒険者からすれば、ふざけるなという話である。
「そういえば、以前絡んで来たバカの骨をバキバキに折ったって聞いたわね」
「はい。両手両足をバキバキに折りました。この見た目なんで面倒な絡み方をされるのは自覚してますけどね」
「…………私たちが事実を広めたとしても、当分は信じる者たちが増えなさそうですわね」
「後五年も我慢すれば、そういった人たちが減ると思って頑張りますよ」
やり返す力があるということを考えれば、それほど悲観する必要はない。
二人の実力を理解している友人知人はいる。
そして二人の怒りに触れて馬鹿が潰された光景を見ていた者もいる。
それでも侮る者が減らずとも……この先二人の噂がどこかで失うことはなかった。
討伐依頼を終えて帰還後、三人はバルバラたちと出会った。
「バルバラ、そちらが先日話していた今話題のタッグか」
「本当に子供? なのね。でも雰囲気は不釣り合い? って感じ」
「でも、とにかくBランクなんでしょ? 人畜無害そうだし、男とか関係無しに勧誘したいわね」
バルバラのパーティーメンバーは、全員女性。
これからメンバーが増えたとしても、加入させるのは女性と限定しているパーティーだが……初対面であるにもかかわらず、初対面の三人の反応は比較的良好だった。
そのため、そのまま一緒に夕食を食べるなり、食事の席でも三人は積極的に二人に声をかけた。
そんな中……途中でバルバラがとある提案を二人に伝えた。
「お二人とも、現役を引退した後は私の実家に努めませんか」
「…………勧誘、ってことですか?」
「勿論、今すぐという訳ではありませんわ。そうですね……お二人が五十代ぐらい? になってからでも、私としては非常に嬉しいですわ」
竜人族であるラストはともかく、人族であるティールは五十を越えたとなれば、肉体的には確実に全盛期を過ぎている。
それが解らないバルバラではない。
なのに、五十を越えてからでも全然ウェルカム……といった反応を見せるリーダーに疑問を持ったパーティーメンバーたち。
「バルバラ。人族は五十を越えれば、さすがに全盛期を過ぎているぞ」
「それは勿論私も解っていますわ。ですが、お二人はいずれAランクという頂きに到達するでしょう。元Aランク冒険者であるお二人を私兵として雇うことが出来れば、実家としても万々歳な筈ですわ」
いずれAランクという頂きに到達する。
リーダーの言葉に、三人は再びティールとラストに視線を集中させた。
「とはいえ、元Aランクの冒険者となりますと……私兵と言うよりも、食客ですわね」
「有事の際は戦力となって動く、ということですか?」
「そんな感じですわ。普段は兵士や騎士たちの相手になってもらったり、それこそこれまで通り冒険者の様なサイクルで生活するのもありですわ」
老後の再就職先……という場としては、決して悪くはなかった。
「とはいえ、お二人がAランクになれば、それこそ私の実家以上の力を持つ方たちが放っておかないとは思いますが」
「……本気で遠慮したいところですね。俺は……冒険者の中では我慢出来る方だとは思いますけど、それでもイライラが溜まったら、絶対に爆発しますから」
それ相応の立場になれば、対応の仕方も変化する?
確かにその可能性は決してゼロではないが、ティールは……その戦いぶりを観れば、誰もが強者と認めざるを得ない。
そして本人も……謙虚な対応を取っ払えば、完全に自分は戦闘力で上位に入る存在だと自負している。
特殊なスキルを天から授かったとはいえ、これまでの道のりはティールの努力と脅威に立ち向かう精神があるからこそ手に入れた戦闘力。
本人に自分は紛れもない強者だという自覚があるにもかかわらず、面倒事を回避するためにと……全てのイライラを我慢しなければならない?
冒険者からすれば、ふざけるなという話である。
「そういえば、以前絡んで来たバカの骨をバキバキに折ったって聞いたわね」
「はい。両手両足をバキバキに折りました。この見た目なんで面倒な絡み方をされるのは自覚してますけどね」
「…………私たちが事実を広めたとしても、当分は信じる者たちが増えなさそうですわね」
「後五年も我慢すれば、そういった人たちが減ると思って頑張りますよ」
やり返す力があるということを考えれば、それほど悲観する必要はない。
二人の実力を理解している友人知人はいる。
そして二人の怒りに触れて馬鹿が潰された光景を見ていた者もいる。
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