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珍しい思考
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(さて、何で戦うか)
主人はバゼスと戦うことになり、自分は同じ種族の女性冒険者と戦うことになった。
そんな中……ラストは今回の模擬戦、全く本気で戦おうとは思っていなかった。
ロズルから万が一の状況が起きた場合、二人をメインとして対応してほしい……そう伝えられていたこともあり、ゼペラの戦闘力がどれほどのものか測る。
ラストにしては珍しく上から目線な考えで対戦相手を見ていた。
「……ねぇ、私のことを嘗めてるの?」
「いや、そんなことはない」
自然と上から目線な考えになっていることを自覚はしておらず、ハッキリと嘗めてはいないと口にした。
「あんたが使うメイン武器って大剣なんでしょ。なのに、それは何?」
「見ての通り槍だ。以前、ダンジョンに潜った時に宝箱から手に入れた物でな、埃をかぶせておくのは勿体ないと思ってな」
それは解る。
槍をメインに扱うということもあり、ゼペラは槍の目利きに関しては優れていた。
故に取り出された槍が優れた逸品であることは解るが……ラストがそれを扱うに足りる実力者だとは思えない。
「…………まっ、別に良いわ。でも、後で大剣じゃなかったから負けたなんて言い訳はしないでよ」
「勿論だ。そんな事をするようであれば、マスターの隣に立ち続けることなど出来ない」
「二人共、準備は良いか?」
軽い口戦? が終了した二人がゴルダの言葉に頷く。
ゴルダとしてはゼペラの技量を知っていることもあり、ラストに今からでも大剣に変えた方が良いと伝えたかったが……顔を見れば、既に覚悟が決まっていることが解かる。
「模擬戦という事を忘れずに戦うように……では、始め!!!!!」
開始の合図が行われた瞬間……どちらも動かなかった。
(……まるっきりの素人って訳じゃないみたいね)
構え……重心などから、ゼペラはラストが槍に関して全くの素人ではない把握。
(ふむ。自信満々なだけはある……といったところか)
ラストの対応に少しイラっとしているところがあり、ゼペラの圧は普段よりも強く放たれているが……ラストからすれば、これまで対峙してきた強敵と比べれば……適当に楽しめる程度のものであった。
「このままではつまらないな」
そう一言呟き、ラストから一歩踏み出し……突き合いを始めた。
当然、ゼペラはラストの攻撃に引くことなく対応。
即座に回避からカウンター……また防御から攻撃へと即座に移り、実際はどの程度の腕なのかを確かめていく。
(……やはり、技量は俺よりも、上だな。それでこそ、槍で挑む甲斐があるというもの、だ!!)
既に百を越える攻防が行われ、ラストは素直に自分の技量はゼペラよりも下だと認めた。
それはゼペラも同じであり、やはり槍の技量は自分の方が上だと確信。
しかし……まだ強化系のスキルなどを使用していない状態で……その技量を用いて押すことが出来ない。
(チッ!! 身体能力、だけじゃなくて、危機回避能力も、高いわね!!)
隙が大きくなる払いは使用されず、互いに突きをメインに攻防を繰り返すが……その中で、確かにゼペラの技量が為せる技は炸裂していた。
しかし、ラストはこれまでに対槍との経験がゼロではなく、おそらくこういった攻撃が飛んでくるだろうという予想が出来ていた。
そしてラストにはその予想への対処を実行出来る肉体を有している。
故に……その技術に対してタイミングと力を合わせて潰すことも出来る。
「ッ!!! ふぅーーーー……私を相手に、槍で戦うだけの自信に見合う力はあるみたいね」
「それは光栄だ、と言っておこう。それで、まだ戦るのか?」
「当然でしょう!!!!!」
口論し合わなくても解る。
現時点での戦闘内容に限れば、どう考えても自分の負け。
ゼペラとしては勝ち逃げされるなど、堪ったものではない。
強化系スキルを発動し、槍に旋風を纏い、第二ラウンドを始めた。
主人はバゼスと戦うことになり、自分は同じ種族の女性冒険者と戦うことになった。
そんな中……ラストは今回の模擬戦、全く本気で戦おうとは思っていなかった。
ロズルから万が一の状況が起きた場合、二人をメインとして対応してほしい……そう伝えられていたこともあり、ゼペラの戦闘力がどれほどのものか測る。
ラストにしては珍しく上から目線な考えで対戦相手を見ていた。
「……ねぇ、私のことを嘗めてるの?」
「いや、そんなことはない」
自然と上から目線な考えになっていることを自覚はしておらず、ハッキリと嘗めてはいないと口にした。
「あんたが使うメイン武器って大剣なんでしょ。なのに、それは何?」
「見ての通り槍だ。以前、ダンジョンに潜った時に宝箱から手に入れた物でな、埃をかぶせておくのは勿体ないと思ってな」
それは解る。
槍をメインに扱うということもあり、ゼペラは槍の目利きに関しては優れていた。
故に取り出された槍が優れた逸品であることは解るが……ラストがそれを扱うに足りる実力者だとは思えない。
「…………まっ、別に良いわ。でも、後で大剣じゃなかったから負けたなんて言い訳はしないでよ」
「勿論だ。そんな事をするようであれば、マスターの隣に立ち続けることなど出来ない」
「二人共、準備は良いか?」
軽い口戦? が終了した二人がゴルダの言葉に頷く。
ゴルダとしてはゼペラの技量を知っていることもあり、ラストに今からでも大剣に変えた方が良いと伝えたかったが……顔を見れば、既に覚悟が決まっていることが解かる。
「模擬戦という事を忘れずに戦うように……では、始め!!!!!」
開始の合図が行われた瞬間……どちらも動かなかった。
(……まるっきりの素人って訳じゃないみたいね)
構え……重心などから、ゼペラはラストが槍に関して全くの素人ではない把握。
(ふむ。自信満々なだけはある……といったところか)
ラストの対応に少しイラっとしているところがあり、ゼペラの圧は普段よりも強く放たれているが……ラストからすれば、これまで対峙してきた強敵と比べれば……適当に楽しめる程度のものであった。
「このままではつまらないな」
そう一言呟き、ラストから一歩踏み出し……突き合いを始めた。
当然、ゼペラはラストの攻撃に引くことなく対応。
即座に回避からカウンター……また防御から攻撃へと即座に移り、実際はどの程度の腕なのかを確かめていく。
(……やはり、技量は俺よりも、上だな。それでこそ、槍で挑む甲斐があるというもの、だ!!)
既に百を越える攻防が行われ、ラストは素直に自分の技量はゼペラよりも下だと認めた。
それはゼペラも同じであり、やはり槍の技量は自分の方が上だと確信。
しかし……まだ強化系のスキルなどを使用していない状態で……その技量を用いて押すことが出来ない。
(チッ!! 身体能力、だけじゃなくて、危機回避能力も、高いわね!!)
隙が大きくなる払いは使用されず、互いに突きをメインに攻防を繰り返すが……その中で、確かにゼペラの技量が為せる技は炸裂していた。
しかし、ラストはこれまでに対槍との経験がゼロではなく、おそらくこういった攻撃が飛んでくるだろうという予想が出来ていた。
そしてラストにはその予想への対処を実行出来る肉体を有している。
故に……その技術に対してタイミングと力を合わせて潰すことも出来る。
「ッ!!! ふぅーーーー……私を相手に、槍で戦うだけの自信に見合う力はあるみたいね」
「それは光栄だ、と言っておこう。それで、まだ戦るのか?」
「当然でしょう!!!!!」
口論し合わなくても解る。
現時点での戦闘内容に限れば、どう考えても自分の負け。
ゼペラとしては勝ち逃げされるなど、堪ったものではない。
強化系スキルを発動し、槍に旋風を纏い、第二ラウンドを始めた。
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