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まず先に嫌われる
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「二人と行動してると、本当に食事の有難味を感じるわ」
試験が行われる街、ニュパートンへ向かう道中、同じタイミングでBランク昇格試験を受けるということもあって、二人はシャーリーと共に行動している。
「確かな実力があって、装備の質も高い。加えて料理の腕も並以上……二人共、同業者から何度も勧誘されてるでしょ」
「……俺たちの場合、勧誘の前に嫉妬が先みたいなんで、シャーリーさんが思ってるほど多くありませんよ」
「なるほどね。他人は他人で自分は自分って割り切れり人じゃないと、確かに嫉妬の方が勝りそうね」
シャーリーも二人の実力やセンスに全く嫉妬していない訳ではないが、その辺りの感情をコントロール……飼いならせるだけの強さを持っている。
「下手にパーティー勧誘して加入されても困るだけなのだがな」
「おぉ~~~、自信満々だね~」
「俺たちなんてまだまだ弱い、と謙遜するのは嫌味だと解っている。俺とマスターはこれからも先へ先へと進む。同じ意思を持たず……同じ歩幅で歩けになければ、一緒に行動していても辛いだけだろう」
「そうだねぇ~~……先輩に、一人だけそういう思いをしたって人がいたわ」
これまで殆ど同世代で自分たちと同等、もしくはそれ以上の実力を有しているルーキーを見たことがないからこそ出た言葉。
人によっては井の中の蛙的な見方をするだろうが……二人の場合、本当にずば抜けているため、自分のことをそれなりに優秀なルーキーだと思っているシャーリーですら、二人と同じ速さで成長出来る自信はない。
(まぁ、皆私みたいに気持ちを区切れていたら、そういう事が原因で問題は起こらなくなるでしょうね……絶対に無理だと思うけど)
約一週間後、三人は無事にBランク試験が行われる街、ニュパートンへ到着。
「それじゃ、まずギルドに行きましょう」
ニュパートンはダンジョンなどの特筆すべき点はないが、並みの街以上の活気がある。
(……ギルドに到着する前に、ちょっとぐらい食べても良いよな)
しっかり朝食は食べたものの、食欲を刺激する匂いには勝てず、串焼きを三本程食べる。
「私も一本買おうかしら」
「俺は……五本ぐらい買おうか」
結果、ティールに釣られて二人共購入。
小腹を満たし、三人は冒険者ギルドへ入る。
「Bランクの昇格試験を通達されたシャーリーです」
「同じくティールです」
「同じくラストだ」
「シャーリーさんにティールさん、そしてラストさんですね……はい、確認出来ました。試験の説明は五日後に行われますので、五日後の正午前にまた来てください」
「分かりました」
特に面倒事が起こることなく、無事に終了……とはいかなかった。
「あらあら、そこの剣士さんはシャーリーさんじゃない!」
しかし、第三者から絡まれたのはティールかラストのどちらかではなく、二人と共にニュパートンまでやって来たシャーリーだった。
「……バルバラ、久しぶりね。元気にしてたかしら」
「あら、随分と余裕なセリフですわね。これからライバルになる存在だというのに」
「これからという事は……バルバラ、あなたも今回のBランク昇格試験を受けるのかしら?」
「えぇ!! その通りでしてよ!!!!」
いきなりシャーリーに絡んで来た人物は……口ぶりからして、明らかに平民出身ではない。
(クララさんやベティさんと同じ雰囲気、だな。ということは……もしかしなくても、令嬢様だよな)
随分とそれっぽい人にも見えるが、ティールは突然現れた令嬢冒険者……バルバラが悪い意味で面倒な人物に見えなかった。
「そうなのか。試験中で助け合うこともあるだろう。一緒に試験を受ける身としては頼もしい限りね」
「そ、それ程でもありませんわ!!!」
(……うん、絶対悪い人じゃなさそうだな。てか、寧ろ悪いどころか面白い人かも)
ティールだけではなく、ラストもバルバラの第一印象は悪くなかった。
試験が行われる街、ニュパートンへ向かう道中、同じタイミングでBランク昇格試験を受けるということもあって、二人はシャーリーと共に行動している。
「確かな実力があって、装備の質も高い。加えて料理の腕も並以上……二人共、同業者から何度も勧誘されてるでしょ」
「……俺たちの場合、勧誘の前に嫉妬が先みたいなんで、シャーリーさんが思ってるほど多くありませんよ」
「なるほどね。他人は他人で自分は自分って割り切れり人じゃないと、確かに嫉妬の方が勝りそうね」
シャーリーも二人の実力やセンスに全く嫉妬していない訳ではないが、その辺りの感情をコントロール……飼いならせるだけの強さを持っている。
「下手にパーティー勧誘して加入されても困るだけなのだがな」
「おぉ~~~、自信満々だね~」
「俺たちなんてまだまだ弱い、と謙遜するのは嫌味だと解っている。俺とマスターはこれからも先へ先へと進む。同じ意思を持たず……同じ歩幅で歩けになければ、一緒に行動していても辛いだけだろう」
「そうだねぇ~~……先輩に、一人だけそういう思いをしたって人がいたわ」
これまで殆ど同世代で自分たちと同等、もしくはそれ以上の実力を有しているルーキーを見たことがないからこそ出た言葉。
人によっては井の中の蛙的な見方をするだろうが……二人の場合、本当にずば抜けているため、自分のことをそれなりに優秀なルーキーだと思っているシャーリーですら、二人と同じ速さで成長出来る自信はない。
(まぁ、皆私みたいに気持ちを区切れていたら、そういう事が原因で問題は起こらなくなるでしょうね……絶対に無理だと思うけど)
約一週間後、三人は無事にBランク試験が行われる街、ニュパートンへ到着。
「それじゃ、まずギルドに行きましょう」
ニュパートンはダンジョンなどの特筆すべき点はないが、並みの街以上の活気がある。
(……ギルドに到着する前に、ちょっとぐらい食べても良いよな)
しっかり朝食は食べたものの、食欲を刺激する匂いには勝てず、串焼きを三本程食べる。
「私も一本買おうかしら」
「俺は……五本ぐらい買おうか」
結果、ティールに釣られて二人共購入。
小腹を満たし、三人は冒険者ギルドへ入る。
「Bランクの昇格試験を通達されたシャーリーです」
「同じくティールです」
「同じくラストだ」
「シャーリーさんにティールさん、そしてラストさんですね……はい、確認出来ました。試験の説明は五日後に行われますので、五日後の正午前にまた来てください」
「分かりました」
特に面倒事が起こることなく、無事に終了……とはいかなかった。
「あらあら、そこの剣士さんはシャーリーさんじゃない!」
しかし、第三者から絡まれたのはティールかラストのどちらかではなく、二人と共にニュパートンまでやって来たシャーリーだった。
「……バルバラ、久しぶりね。元気にしてたかしら」
「あら、随分と余裕なセリフですわね。これからライバルになる存在だというのに」
「これからという事は……バルバラ、あなたも今回のBランク昇格試験を受けるのかしら?」
「えぇ!! その通りでしてよ!!!!」
いきなりシャーリーに絡んで来た人物は……口ぶりからして、明らかに平民出身ではない。
(クララさんやベティさんと同じ雰囲気、だな。ということは……もしかしなくても、令嬢様だよな)
随分とそれっぽい人にも見えるが、ティールは突然現れた令嬢冒険者……バルバラが悪い意味で面倒な人物に見えなかった。
「そうなのか。試験中で助け合うこともあるだろう。一緒に試験を受ける身としては頼もしい限りね」
「そ、それ程でもありませんわ!!!」
(……うん、絶対悪い人じゃなさそうだな。てか、寧ろ悪いどころか面白い人かも)
ティールだけではなく、ラストもバルバラの第一印象は悪くなかった。
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