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歴史上、初
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「旅の冒険者……で、良かったでしょうか」
「あ、はい。その通り、です。すいません、勝手に戦いに割って入ってしまって」
ティールが急に参戦してしまったことに対して軽く頭を下げると、それを無視するかのごとく、騎士魔法使いたちはティールとラストに対し……大きく頭を下げた。
「本当にありがとうございます!!!」
「「「「「「「助けていただき、ありがとうございます!!!!」」」」」」」
「っ!? は、はい……どういたし、まして」
戸惑いながら返事だけは行う。
「マスター、俺はこいつらから回収出来る物を回収しておく。話し合いは任せた」
「お、おぅ」
ラストの言う通り、お互いに頭を下げてはい終わり、とはならない。
まず騎士たちは何故自分たちが襲われているかを恩人に説明し始めた。
「えっ………………それ、は。マジ……なんです、か??」
「はい、大マジです。こう言ってはあれですが、身内目抜きにしても潜在能力は同世代の中でもトップクラスだと思います」
深い深い感謝の言葉を大きな声で述べられた時よりも大きい衝撃が体に走る。
まさかの情報に驚愕したのはティールだけではなく、使えそうな……もしくは売れそうな武器などを剥ぎ取っていたラストも同じだった。
(聖剣技と暗黒剣技、二つの先天性スキルを持ってるって……じょ、冗談ではないん、だよな……)
まだこれからが本題というタイミングで、馬車から噂の少年が降りてきた。
「あなたが、僕や護衛の騎士たちを助けてくれた方ですね」
「あ、はい。そうですね。俺と向こうのラストという仲間と一緒に戦いました」
貴族に会うのはこれが初めてではない。
だが、目の前の少年に対して……明らかに異質な何かを感じ取った。
「ありがとうございます。私はヴァルター・フローグラ。フローグラ伯爵家の三男です」
ウリープルの領主であるアルクル・トリンスと同じ伯爵家の人間。
だからといって、少年……ヴァルターに対する驚きなどが消えるわけではない。
(ヴァ、ヴァルターか。何と言うか、無茶苦茶失礼だってのは解ってるんだけど、名前と見た目が似合ってないな)
ヴァルターは赤髪サラサラヘアーの持ち主であり、顔は完全に美少年。
体は鍛えてはいるものの、まだ年齢が十歳ということもあり、線は細い。
「助けて頂いたのにこんな事を頼むのもあれなんですが、その……もしこの後ご予定がなければ、領地まで護衛して貰えないでしょうか」
「……?」
美少年の申し出に対し、何故という疑問符が浮かぶ。
確かに先程まで馬車を襲撃していた者たちの実力は高く、ティールとラストが割って入らなければ危なかった。
だが、その実力は本物であり、敵が盗賊だけであれば撃退は難しくなく、黒装束の男だけであっても……討伐は不可能でも、追い返すことは出来る。
それだけの戦力を有していながら、何故自分たちに頼むか解らない。
チラッと護衛たちのリーダー的存在に視線を向けると……これまた反対の意思はなく、寧ろ是非とも頼みたいといった表情を返される。
「ティール殿、先程申し上げた通りヴァルター様は聖剣技と暗黒剣技、二つの先天性スキルを有しています。そのため、多くの者から妬まれているのです」
「あ、あぁ~~~……なる、ほど」
稀にではあるが聖剣技、暗黒剣技のどちらかを先天性スキルとして生まれ持つ者が誕生する。
しかし、歴史上……聖剣技と暗黒剣技、二つのスキルを先天性スキルとして生まれ持って誕生した者はいない。
(普通に考えて、片方だけでも先天性スキルとして持ってたら羨ましがられるのに、珍しくて貴重なスキルを二つも生まれ持ってるんだもんな…………しゃあない。折角命張って助けたのに、ここで別れた後に死んだって報告を聞けば目覚めが悪くなる)
ヴァルターたちの事情を把握し、ティールは護衛依頼を受けることにした。
「あ、はい。その通り、です。すいません、勝手に戦いに割って入ってしまって」
ティールが急に参戦してしまったことに対して軽く頭を下げると、それを無視するかのごとく、騎士魔法使いたちはティールとラストに対し……大きく頭を下げた。
「本当にありがとうございます!!!」
「「「「「「「助けていただき、ありがとうございます!!!!」」」」」」」
「っ!? は、はい……どういたし、まして」
戸惑いながら返事だけは行う。
「マスター、俺はこいつらから回収出来る物を回収しておく。話し合いは任せた」
「お、おぅ」
ラストの言う通り、お互いに頭を下げてはい終わり、とはならない。
まず騎士たちは何故自分たちが襲われているかを恩人に説明し始めた。
「えっ………………それ、は。マジ……なんです、か??」
「はい、大マジです。こう言ってはあれですが、身内目抜きにしても潜在能力は同世代の中でもトップクラスだと思います」
深い深い感謝の言葉を大きな声で述べられた時よりも大きい衝撃が体に走る。
まさかの情報に驚愕したのはティールだけではなく、使えそうな……もしくは売れそうな武器などを剥ぎ取っていたラストも同じだった。
(聖剣技と暗黒剣技、二つの先天性スキルを持ってるって……じょ、冗談ではないん、だよな……)
まだこれからが本題というタイミングで、馬車から噂の少年が降りてきた。
「あなたが、僕や護衛の騎士たちを助けてくれた方ですね」
「あ、はい。そうですね。俺と向こうのラストという仲間と一緒に戦いました」
貴族に会うのはこれが初めてではない。
だが、目の前の少年に対して……明らかに異質な何かを感じ取った。
「ありがとうございます。私はヴァルター・フローグラ。フローグラ伯爵家の三男です」
ウリープルの領主であるアルクル・トリンスと同じ伯爵家の人間。
だからといって、少年……ヴァルターに対する驚きなどが消えるわけではない。
(ヴァ、ヴァルターか。何と言うか、無茶苦茶失礼だってのは解ってるんだけど、名前と見た目が似合ってないな)
ヴァルターは赤髪サラサラヘアーの持ち主であり、顔は完全に美少年。
体は鍛えてはいるものの、まだ年齢が十歳ということもあり、線は細い。
「助けて頂いたのにこんな事を頼むのもあれなんですが、その……もしこの後ご予定がなければ、領地まで護衛して貰えないでしょうか」
「……?」
美少年の申し出に対し、何故という疑問符が浮かぶ。
確かに先程まで馬車を襲撃していた者たちの実力は高く、ティールとラストが割って入らなければ危なかった。
だが、その実力は本物であり、敵が盗賊だけであれば撃退は難しくなく、黒装束の男だけであっても……討伐は不可能でも、追い返すことは出来る。
それだけの戦力を有していながら、何故自分たちに頼むか解らない。
チラッと護衛たちのリーダー的存在に視線を向けると……これまた反対の意思はなく、寧ろ是非とも頼みたいといった表情を返される。
「ティール殿、先程申し上げた通りヴァルター様は聖剣技と暗黒剣技、二つの先天性スキルを有しています。そのため、多くの者から妬まれているのです」
「あ、あぁ~~~……なる、ほど」
稀にではあるが聖剣技、暗黒剣技のどちらかを先天性スキルとして生まれ持つ者が誕生する。
しかし、歴史上……聖剣技と暗黒剣技、二つのスキルを先天性スキルとして生まれ持って誕生した者はいない。
(普通に考えて、片方だけでも先天性スキルとして持ってたら羨ましがられるのに、珍しくて貴重なスキルを二つも生まれ持ってるんだもんな…………しゃあない。折角命張って助けたのに、ここで別れた後に死んだって報告を聞けば目覚めが悪くなる)
ヴァルターたちの事情を把握し、ティールは護衛依頼を受けることにした。
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