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素質を感じたからこそ
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(ふ~~~ん、割と連携度は高いな。絶え間なく仕掛けて、ゴブリンとウルフ系モンスターのコンビネーションが炸裂。発見されたのはつい最近らしいけど、もしかしたら随分前から組んでたのか?)
どれぐらい連携度が高いといった内容を肌で感じて理解しても、いったい彼らがいつから組んでいたのかまでは解らない。
鑑定を使ったとしても、そういった事情は調べられない。
(……あんまり興味深いモンスターはいないし、雑に戦っても良いかな)
「ッ!? ギャギャっ!!!???」
「ワゥっ!!??」
武器を振り下ろしてくるゴブリンの腕を掴み、そのまま力一杯ぶん投げる。
それを何度も何度も繰り返し、雑に仕留めていく。
効率など関係無く、ただ力任せに投げているだけだが、ティールの腕力があれば投げたモンスターと激突したモンスター、両方が内臓を深く損傷、もしくは破裂してもおかしくない。
(あっ、逃げ始めた。全部仕留めなくても……別にいっか)
既にウルフ系のモンスターも含めて、数十体の死体が転がっている。
ゴブリンとウルフ系のモンスターの群れを潰したと伝えるには、十分過ぎる量である。
「ふぅ、こんなところか。ん~~~……多分、手を貸さなくても大丈夫そうだな」
ラストの戦闘光景を見て、手助けは必要ないと判断。
証拠集めの為に、転がっている死体から魔石の回収を始めた。
現在ラストは群れのボスであったゴブリンジェネラルと、ジェネラルに従うヴァルガングと激しくも心が躍る戦闘を行っていた。
(コンビネーションの練度が高い……と言うよりは、ヴァルガングがゴブリンジェネラルの動きを先読みし、カバーするのが上手いと言ったところか)
ヴァルガングがカバーが予想以上に上手い。
だからといって、ゴブリンジェネラルの手斧の扱いが下手という訳ではない。
ゴブリンジェネラルもどこまでヴァルガングがカバー出来るかを把握した上で前に出てラストを切断しようとする。
(あの風を纏う斧は、おそらく冒険者を殺して奪った物だろう。だが、ゴブリンジェネラルの腕力が合わさったとしても……やはり脅威なのはヴァルガングの咬みつき、爪撃と爪から放たれる斬撃刃だな)
ゴブリンジェネラルのランクはC。
Cランクの中でも基本的には統率に優れた個体だが、ヴァルガングが従うジェネラルは同じCランクモンスターのオーガよりも上。
これまでの戦闘経験から、ラストは多くのゴブリンとウルフ系モンスターを従える強さを感じ取っていた。
(どうやら、一般的なゴブリンジェネラルとは身体能力が異なるようだが……ヴァルガングはそこに惚れ込んで従っているのか?)
全然違う……とは言えない。
まだゴブリンジェネラルがただのゴブリンだった頃から、通常種と比べて並外れた力を有していた。
それを示す戦いぶりを偶々見たヴァルガングは……ゴブリンの中から、王の素質を感じ取った。
このゴブリンは……いずれキングとなる。
それは予想ではなく確信と言えた。
その場でゴブリンの下に就き、いずれ王となるゴブリンと共に行動することを決めた。
当然ながら最初こそ警戒されたが、まだそれなりにバカだったこともあり、自分はそれだけ凄い存在なのだと思い、それ以上疑問を持つことはなかった。
順調に成長したゴブリンは数回の成長を得て、ジェネラルへと進化。
このまま行けば……ゴブリンキングへと進化出来た可能性は十分にあり得た。
ただ……本当にタイミングが悪かった。
通常種とジェネラル以下の上位種、多くのブラウンウルフだけとはいえ……中にはCランクモンスターであるブラックウルフも混ざっていたにもかかわらず、たった数分でほぼ全滅。
オーガジェネラルの咆哮によるバフがかかっていたにも関わらず、掠り傷すら付けられていない自分たち以上の化け物。
加えて、現在自身がジェネラルと一緒に戦っている竜人は……常に笑みを絶やさない。
それらの強さ、要素から……既にヴァルガングは自分たちが詰んでいるのを理解していた。
どれぐらい連携度が高いといった内容を肌で感じて理解しても、いったい彼らがいつから組んでいたのかまでは解らない。
鑑定を使ったとしても、そういった事情は調べられない。
(……あんまり興味深いモンスターはいないし、雑に戦っても良いかな)
「ッ!? ギャギャっ!!!???」
「ワゥっ!!??」
武器を振り下ろしてくるゴブリンの腕を掴み、そのまま力一杯ぶん投げる。
それを何度も何度も繰り返し、雑に仕留めていく。
効率など関係無く、ただ力任せに投げているだけだが、ティールの腕力があれば投げたモンスターと激突したモンスター、両方が内臓を深く損傷、もしくは破裂してもおかしくない。
(あっ、逃げ始めた。全部仕留めなくても……別にいっか)
既にウルフ系のモンスターも含めて、数十体の死体が転がっている。
ゴブリンとウルフ系のモンスターの群れを潰したと伝えるには、十分過ぎる量である。
「ふぅ、こんなところか。ん~~~……多分、手を貸さなくても大丈夫そうだな」
ラストの戦闘光景を見て、手助けは必要ないと判断。
証拠集めの為に、転がっている死体から魔石の回収を始めた。
現在ラストは群れのボスであったゴブリンジェネラルと、ジェネラルに従うヴァルガングと激しくも心が躍る戦闘を行っていた。
(コンビネーションの練度が高い……と言うよりは、ヴァルガングがゴブリンジェネラルの動きを先読みし、カバーするのが上手いと言ったところか)
ヴァルガングがカバーが予想以上に上手い。
だからといって、ゴブリンジェネラルの手斧の扱いが下手という訳ではない。
ゴブリンジェネラルもどこまでヴァルガングがカバー出来るかを把握した上で前に出てラストを切断しようとする。
(あの風を纏う斧は、おそらく冒険者を殺して奪った物だろう。だが、ゴブリンジェネラルの腕力が合わさったとしても……やはり脅威なのはヴァルガングの咬みつき、爪撃と爪から放たれる斬撃刃だな)
ゴブリンジェネラルのランクはC。
Cランクの中でも基本的には統率に優れた個体だが、ヴァルガングが従うジェネラルは同じCランクモンスターのオーガよりも上。
これまでの戦闘経験から、ラストは多くのゴブリンとウルフ系モンスターを従える強さを感じ取っていた。
(どうやら、一般的なゴブリンジェネラルとは身体能力が異なるようだが……ヴァルガングはそこに惚れ込んで従っているのか?)
全然違う……とは言えない。
まだゴブリンジェネラルがただのゴブリンだった頃から、通常種と比べて並外れた力を有していた。
それを示す戦いぶりを偶々見たヴァルガングは……ゴブリンの中から、王の素質を感じ取った。
このゴブリンは……いずれキングとなる。
それは予想ではなく確信と言えた。
その場でゴブリンの下に就き、いずれ王となるゴブリンと共に行動することを決めた。
当然ながら最初こそ警戒されたが、まだそれなりにバカだったこともあり、自分はそれだけ凄い存在なのだと思い、それ以上疑問を持つことはなかった。
順調に成長したゴブリンは数回の成長を得て、ジェネラルへと進化。
このまま行けば……ゴブリンキングへと進化出来た可能性は十分にあり得た。
ただ……本当にタイミングが悪かった。
通常種とジェネラル以下の上位種、多くのブラウンウルフだけとはいえ……中にはCランクモンスターであるブラックウルフも混ざっていたにもかかわらず、たった数分でほぼ全滅。
オーガジェネラルの咆哮によるバフがかかっていたにも関わらず、掠り傷すら付けられていない自分たち以上の化け物。
加えて、現在自身がジェネラルと一緒に戦っている竜人は……常に笑みを絶やさない。
それらの強さ、要素から……既にヴァルガングは自分たちが詰んでいるのを理解していた。
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