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驚きの連続
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「「っ!?」」
(マジか、ちょっと手抜き過ぎたか)
奇襲を仕掛けた二人だったが、武器を持つ二体のオーガは見事に反応し、防御に成功。
「マスター、直ぐに殺すか?」
「……ちょっと気になる。二分から三分ほど戦るぞ」
「分った」
一人一体を相手にし、正面からのバトルがスタート。
「「ガァァアアアアッ!!!!」」
オーガらしく声を荒げて反撃に出る二体。
しかし、二人は開始三十秒ほどで完全に普通のオーガではないと判断。
(このオーガ……いったい何年生きたオーガだ?)
ただ力任せに武器を振るうことはなく、完全に技術を交えてティールの命を刈り取ろうとする。
加えて、攻撃の最中にフェイントを織り交ぜ、二人の呼吸をズラす。
攻撃の中にフェイクを入れることは、決して珍しい動きではなく、戦闘者であれば当たり前の動き。
ただ、モンスターが……加えて、そういった動きをまず使うことがないオーガが使った。
その事実は、二人に決して小さくない衝撃を与えた。
(いや、見た目的に何年も生きたオーガには見えない。なら上位種か?)
ぱっと見は通常種だが、もしかしたら上位種なのかもしれないと思い、鑑定を発動。
しかし、結果は通常のオーガ。
状態も普通である、ただのオーガだった。
(やっぱり普通のオーガか……だとしたら、この技術力は何なんだよ)
二人が完全に押されるほど圧倒的な強さを持っている訳ではないため、戦況は基本的にティールとラストが有利なまま。
それでも、二人は目の前のオーガに対し、興味を持たずにはいられない。
(武器は……モンスターが持っているとは思えないほど、整備されている)
余裕があるティールは、オーガが見た目に似合わない動きをしながら振るう武器を見て、口から感嘆の息が零れた。
(武器を造れる個体がいる? いや、さすがにそれはないか……でも、武器の手入れに関しては誰かに教えられない限り、砥石を使って整備するとか思い付く筈が……っ、まさかこいつら)
戦闘の最中、嫌な予感が浮かび、表情が歪む。
主人と同じく、ラストは表情にこそ現れなかったが、同じ答えに辿り着いた。
(予想してた中で、一番最悪な展開になってそうだな)
とはいえ、欲しい情報は手に入れた。
もう目の前のオーガと戦う必要はないため、倒す準備に移る。
二人がそう決めた瞬間、オーガ側も決意を目に表し……逃亡した。
「「……はっ!!!???」」
追いかける……敵を逃がすまいと、追いかける。
逃げる敵を追いかけるという、常識的な動きを無意識に行うものの、驚きが全く隠せない。
あのオーガが、力が一番の自慢であるオーガが……敵前逃亡。
もうボロボロで戦う意志を持てない程、闘争心がバキバキに折られたという訳ではない。
そうなるのは、これから先の話。
であるにも関わらず、二体はティールとラストから逃げた。
自分たちの攻撃が全く通用しないという点を考えれば、逃げたくなるという心理は理解出来てしまう。
ただ……基本的にそうではないのがオーガという存在。
「ったく、ほんの数分の間に何度も驚かされたな」
「全くもってその通りだな。まさかあのオーガ、敵との戦闘から逃げるとは……やはり、件のオーガが絡んでいるか?」
「絶対に絡んでるだろうな」
結局逃げようとしたところで、オーガが二人から逃げられることはなく、あっさりと首を切断された。
オーガに武器の扱い、人の戦闘技術や、勝てないと感じれば思い切って逃げる。
そういった知識を叩きこんだ存在が、確実にいる。
二人は本日の狩りをその場で切り上げ、デブリフーリルへ戻り、冒険者ギルドへ直行。
採集依頼の報告を終えた後、即座にある意味特殊な二体のオーガについて情報を伝え、持っていた武器は参考資料として引き渡した。
「ティール、これであの女性騎士は今回の件から退くと思うか?」
「ますますこのまま放っておいては駄目だと、討伐に力を入れると思うが」
なんとも騎士の考えらしい答えに、ティールは思わず深いため息を吐いた。
(マジか、ちょっと手抜き過ぎたか)
奇襲を仕掛けた二人だったが、武器を持つ二体のオーガは見事に反応し、防御に成功。
「マスター、直ぐに殺すか?」
「……ちょっと気になる。二分から三分ほど戦るぞ」
「分った」
一人一体を相手にし、正面からのバトルがスタート。
「「ガァァアアアアッ!!!!」」
オーガらしく声を荒げて反撃に出る二体。
しかし、二人は開始三十秒ほどで完全に普通のオーガではないと判断。
(このオーガ……いったい何年生きたオーガだ?)
ただ力任せに武器を振るうことはなく、完全に技術を交えてティールの命を刈り取ろうとする。
加えて、攻撃の最中にフェイントを織り交ぜ、二人の呼吸をズラす。
攻撃の中にフェイクを入れることは、決して珍しい動きではなく、戦闘者であれば当たり前の動き。
ただ、モンスターが……加えて、そういった動きをまず使うことがないオーガが使った。
その事実は、二人に決して小さくない衝撃を与えた。
(いや、見た目的に何年も生きたオーガには見えない。なら上位種か?)
ぱっと見は通常種だが、もしかしたら上位種なのかもしれないと思い、鑑定を発動。
しかし、結果は通常のオーガ。
状態も普通である、ただのオーガだった。
(やっぱり普通のオーガか……だとしたら、この技術力は何なんだよ)
二人が完全に押されるほど圧倒的な強さを持っている訳ではないため、戦況は基本的にティールとラストが有利なまま。
それでも、二人は目の前のオーガに対し、興味を持たずにはいられない。
(武器は……モンスターが持っているとは思えないほど、整備されている)
余裕があるティールは、オーガが見た目に似合わない動きをしながら振るう武器を見て、口から感嘆の息が零れた。
(武器を造れる個体がいる? いや、さすがにそれはないか……でも、武器の手入れに関しては誰かに教えられない限り、砥石を使って整備するとか思い付く筈が……っ、まさかこいつら)
戦闘の最中、嫌な予感が浮かび、表情が歪む。
主人と同じく、ラストは表情にこそ現れなかったが、同じ答えに辿り着いた。
(予想してた中で、一番最悪な展開になってそうだな)
とはいえ、欲しい情報は手に入れた。
もう目の前のオーガと戦う必要はないため、倒す準備に移る。
二人がそう決めた瞬間、オーガ側も決意を目に表し……逃亡した。
「「……はっ!!!???」」
追いかける……敵を逃がすまいと、追いかける。
逃げる敵を追いかけるという、常識的な動きを無意識に行うものの、驚きが全く隠せない。
あのオーガが、力が一番の自慢であるオーガが……敵前逃亡。
もうボロボロで戦う意志を持てない程、闘争心がバキバキに折られたという訳ではない。
そうなるのは、これから先の話。
であるにも関わらず、二体はティールとラストから逃げた。
自分たちの攻撃が全く通用しないという点を考えれば、逃げたくなるという心理は理解出来てしまう。
ただ……基本的にそうではないのがオーガという存在。
「ったく、ほんの数分の間に何度も驚かされたな」
「全くもってその通りだな。まさかあのオーガ、敵との戦闘から逃げるとは……やはり、件のオーガが絡んでいるか?」
「絶対に絡んでるだろうな」
結局逃げようとしたところで、オーガが二人から逃げられることはなく、あっさりと首を切断された。
オーガに武器の扱い、人の戦闘技術や、勝てないと感じれば思い切って逃げる。
そういった知識を叩きこんだ存在が、確実にいる。
二人は本日の狩りをその場で切り上げ、デブリフーリルへ戻り、冒険者ギルドへ直行。
採集依頼の報告を終えた後、即座にある意味特殊な二体のオーガについて情報を伝え、持っていた武器は参考資料として引き渡した。
「ティール、これであの女性騎士は今回の件から退くと思うか?」
「ますますこのまま放っておいては駄目だと、討伐に力を入れると思うが」
なんとも騎士の考えらしい答えに、ティールは思わず深いため息を吐いた。
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