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最悪な目覚めと覚醒
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二人は更に噂のモンスター、オーガについて情報を集めた。
ギルドに関しては二人の戦績を知っているため、喜んで情報を与えた。
「なるほどなぁ……いや、理解出来た訳じゃないけど、そういうオーガもいるんだな」
詳しい情報を得たティールは、帰ってきた宿の部屋のベッドで転がりながら、その情報について考え続けていた。
「得た情報からすれば、ある意味オーガらしくないオーガ、といったところだな、マスター」
「そうだな、ラスト。ただ、普通のオーガじゃない……ナイトやウォーリアーよりも上の上位種なのは確実だろうな」
噂のオーガは肉体だけで戦うのではなく、魔法を使いながら戦う。
オーガメイジという珍しい個体は存在するが、肉体はオーガらしくとも、積極的に肉弾戦は行わない。
しかし、生き残った冒険者たちの証言では、肉弾戦と魔法も同時に使用するとのこと。
「戦い方は、ややマスターと似ているな」
「……だな。魔法の発動にも時間が掛かってないっぽいし、同時に行う肉弾戦もモンスターらしからぬ強さだったらしいしからな……まっ、戦うのが本当に楽しみな個体ではある」
周りに同業者や主に女性が居ないからこそ入れる発言。
「ただ、女性ばかりに執着することを考えると……オークやゴブリン並みに性に目覚めた特殊個体のオーガ、といったところか」
「そういう見解になあるよな……無茶苦茶質が悪いというか、恐ろしいな」
「あぁ、そうだな。俺たちからすれば良質な得物ではあるが」
オーガはゴブリンやオークと比べ、元々の戦闘力が高い。
加えて今回の件で動いているオーガは性欲? に目覚めただけではなく、魔法と技術を使用する。
まさに、最悪のオールラウンダーと言える存在。
「それに、人の言葉まで喋る……実行してるのはそのオーガだけだとしても、持ち帰った女性たちを逃がさない様に、同族を従えてるかもな」
「考える頭を持っている個体であれば、間違いなく同族を従えるだろう」
ティールとラストの男しかいないパーティーには関係無いが、女性がメンバーとして活動しているパーティーや、女性だけのパーティーにとっては、悪夢としか思えない存在。
対策として、恥と思いながらも女性メンバーを説得して、件のモンスターを倒せるまで待ちから出ないでもらう。
活動休止を考えるパーティーもいる。
「マスター、早めに動いた方が良い」
「……ギルドが、他の街のギルドに応援を頼むってことか」
「デブリフーリルの戦力が低いとは思わないが、用心するに越したことはないと考えるだろう」
生き残った冒険者たちから報告を受けたギルドの上役たちは、事態を重く見て直ぐにラストが考える行動を起こしていた。
「獲物を取られるのは、癪だな」
そう思うあたり、ティールは中々の少々悪い部類のエゴイストと言えるだろう。
翌日、二人は飯を食べ終えた後、ギルドで依頼を受けずに街を出た。
二人が取った作戦は、何処かに居るかもしれない特殊個体のオーガを探すのではなく、そのオーガが連れ去った女性たちを捉えている場所を探した。
勿論、移動時には強い存在を見逃さない様に、周囲への警戒は怠っていない。
(しかし、人の言葉を喋れるほど、知能が高い……もしかしたら、他種族のモンスターと意思疎通して、万が一の時に手を借りる、なんて約束を結んでたりしないよな?)
限りなく低い可能性であっても、一度頭の中に思い浮かんでしまった可能性は、悲しくも否定出来なかった。
「グガァアアアアッ!!!!」
「ツインヘッドベアーか」
頭が二つに腕が四本の大型熊さん。
普段であれば戦闘欲を満たせると考える二人だが、今回ばかりは判断を変えていた。
「美味そうな肉だな」
牙竜を抜き、襲い掛かる四本腕を切断後、一瞬で背後に回って切断。
思いっきり強化スキルを使ったとはいえ、圧巻の瞬殺劇と言えた。
ギルドに関しては二人の戦績を知っているため、喜んで情報を与えた。
「なるほどなぁ……いや、理解出来た訳じゃないけど、そういうオーガもいるんだな」
詳しい情報を得たティールは、帰ってきた宿の部屋のベッドで転がりながら、その情報について考え続けていた。
「得た情報からすれば、ある意味オーガらしくないオーガ、といったところだな、マスター」
「そうだな、ラスト。ただ、普通のオーガじゃない……ナイトやウォーリアーよりも上の上位種なのは確実だろうな」
噂のオーガは肉体だけで戦うのではなく、魔法を使いながら戦う。
オーガメイジという珍しい個体は存在するが、肉体はオーガらしくとも、積極的に肉弾戦は行わない。
しかし、生き残った冒険者たちの証言では、肉弾戦と魔法も同時に使用するとのこと。
「戦い方は、ややマスターと似ているな」
「……だな。魔法の発動にも時間が掛かってないっぽいし、同時に行う肉弾戦もモンスターらしからぬ強さだったらしいしからな……まっ、戦うのが本当に楽しみな個体ではある」
周りに同業者や主に女性が居ないからこそ入れる発言。
「ただ、女性ばかりに執着することを考えると……オークやゴブリン並みに性に目覚めた特殊個体のオーガ、といったところか」
「そういう見解になあるよな……無茶苦茶質が悪いというか、恐ろしいな」
「あぁ、そうだな。俺たちからすれば良質な得物ではあるが」
オーガはゴブリンやオークと比べ、元々の戦闘力が高い。
加えて今回の件で動いているオーガは性欲? に目覚めただけではなく、魔法と技術を使用する。
まさに、最悪のオールラウンダーと言える存在。
「それに、人の言葉まで喋る……実行してるのはそのオーガだけだとしても、持ち帰った女性たちを逃がさない様に、同族を従えてるかもな」
「考える頭を持っている個体であれば、間違いなく同族を従えるだろう」
ティールとラストの男しかいないパーティーには関係無いが、女性がメンバーとして活動しているパーティーや、女性だけのパーティーにとっては、悪夢としか思えない存在。
対策として、恥と思いながらも女性メンバーを説得して、件のモンスターを倒せるまで待ちから出ないでもらう。
活動休止を考えるパーティーもいる。
「マスター、早めに動いた方が良い」
「……ギルドが、他の街のギルドに応援を頼むってことか」
「デブリフーリルの戦力が低いとは思わないが、用心するに越したことはないと考えるだろう」
生き残った冒険者たちから報告を受けたギルドの上役たちは、事態を重く見て直ぐにラストが考える行動を起こしていた。
「獲物を取られるのは、癪だな」
そう思うあたり、ティールは中々の少々悪い部類のエゴイストと言えるだろう。
翌日、二人は飯を食べ終えた後、ギルドで依頼を受けずに街を出た。
二人が取った作戦は、何処かに居るかもしれない特殊個体のオーガを探すのではなく、そのオーガが連れ去った女性たちを捉えている場所を探した。
勿論、移動時には強い存在を見逃さない様に、周囲への警戒は怠っていない。
(しかし、人の言葉を喋れるほど、知能が高い……もしかしたら、他種族のモンスターと意思疎通して、万が一の時に手を借りる、なんて約束を結んでたりしないよな?)
限りなく低い可能性であっても、一度頭の中に思い浮かんでしまった可能性は、悲しくも否定出来なかった。
「グガァアアアアッ!!!!」
「ツインヘッドベアーか」
頭が二つに腕が四本の大型熊さん。
普段であれば戦闘欲を満たせると考える二人だが、今回ばかりは判断を変えていた。
「美味そうな肉だな」
牙竜を抜き、襲い掛かる四本腕を切断後、一瞬で背後に回って切断。
思いっきり強化スキルを使ったとはいえ、圧巻の瞬殺劇と言えた。
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