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とにかく殺し、動きを止める
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「行くぞ!!!!」
討伐隊のリーダーが号令をかけ、冒険者たちは一斉に十三階層へと降りる。
当然、先に降りるのは討伐隊の中でも前衛に特化した者たち。
ラストは当たり前として、ティールも接近戦で攻める方が得意といえば得意なため、一緒に闘志を滾らせて降りる。
そして、後方から高威力の攻撃魔法の詠唱を行いながら魔法使いたちが降りていく。
「得物をぶち込めぇええええええええッ!!!!!」
十三階層に降りた瞬間……そこはまさに、モンスターだらけの地獄。
森林という環境下の中でも、大量にモンスターがいるという最悪過ぎる現状が、一目で解る。
「ブモォォオオオアアアアアアアッ!!!」
「キィヤアアアアッ!!!!」
「グルルゥアアアアアアアアッ!!!!」
(そっちはそっちで、元気一杯だな!!!!)
冒険者たちの襲撃に気付いたモンスターたちも天高く吼え、迎撃を開始。
(殺すことだけを考えろ)
最前線でモンスターと戦うティールは、常に心臓や脳を貫く、首を斬り裂くことだけを考えた。
両手にはいつも通り疾風迅雷と豹雷を握りしめ、モンスターの波に潰されることなく、戦場を華麗に舞う。
状況によっては斬撃も放ち、モンスターの戦う力を奪う、もしくは体を動かせない状況へと追い込む。
#単語__スナッチ_#奪取という凶悪なスキルを持つティールは、斥候や暗殺者でないにもかかわらず、猛毒や麻痺毒を操る。
例えその命を奪うまではいかずとも、行動を制限することは出来るため、他の冒険者たちがその隙を見逃さず、攻め潰す。
身体能力の中では、一番優れているスピードを追えるモンスターは少なく、中々捉えきれない。
「よそ見してんじゃねぇぞ!!!!」
「いや、寧ろよそ見ばっかしてろ!!! その方が殺りやすい!!!」
「はっはっは!!! それはそうだな!!!!」
今回の討伐戦、ティールやラスト以外にも実力が高い冒険者が多く集まっており、ティールが生んだ隙を見逃さない。
「お前ら、元気なルーキーだけに手柄を取られんじゃねぇぞ!!!!」
「ったりめぇだ!!」
同時に、ティールよりも活躍してやるという野心、それに見合うだけの実力と闘争心がある。
「ふんッ!!!!!」
そんなティールとは対照的に、ラストは確実に一対のモンスターを仕留める為に、牙竜をぶん回していた。
(俺は俺の戦りかたで動く)
決して鈍間ではないが、スピードではティールに敵わないという自覚がある。
なので、違う部分で勝負し、討伐戦に貢献。
パワー勝負であれば、ティールにも負けないため、腕力が武器である相手に積極的に対応。
とはいっても、真正面からパワー勝負をするのではなく、バッサリと斬れる瞬間を狙って動く。
牙竜の腕力と切れ味の強化。
そして宙を三回だけ駆けられる空歩を使えば、モンスターの虚を突くのも難しくない。
(こういった場でなければ、是非とも力勝負をしたいが……今それを考えるのはよそう)
舞台が森林であるため、まだどれだけのモンスターが残っているのか把握出来ない。
しかし、一瞬だけ気配感知を使えば……数の暴力という言葉が身に染みて解る。
「ふんっ!!」
「ブバっ!?」
いつもより長く戦うことを考えれば、あまり魔力は消費出来ない……かといって、躊躇していれば万が一がある。
タイマン勝負であれば、森林暗危でラストに勝てるモンスターは殆どいない。
だが、常に一対多数が求められる現状では、その躊躇は命取りになる。
まだ竜化までは使用していないが、それでも緊張を糸を切らす余裕など一切ない。
(しかし、流石先輩たち、と言えば良いのか。信用出来る実力と、連携だ)
伊達に最前線を担当しておらず、ラストに負けじとパワーで捻り潰す者や、テクニックで不意を突いて確殺する者もいる。
既に戦闘から五分が経過。
冒険者の中にも怪我人は出ているが、一先ず死者はいない。
そんな状況に緊張の糸が少し緩んだタイミングで、嫌なモンスターたちが戦場に姿を見せた。
討伐隊のリーダーが号令をかけ、冒険者たちは一斉に十三階層へと降りる。
当然、先に降りるのは討伐隊の中でも前衛に特化した者たち。
ラストは当たり前として、ティールも接近戦で攻める方が得意といえば得意なため、一緒に闘志を滾らせて降りる。
そして、後方から高威力の攻撃魔法の詠唱を行いながら魔法使いたちが降りていく。
「得物をぶち込めぇええええええええッ!!!!!」
十三階層に降りた瞬間……そこはまさに、モンスターだらけの地獄。
森林という環境下の中でも、大量にモンスターがいるという最悪過ぎる現状が、一目で解る。
「ブモォォオオオアアアアアアアッ!!!」
「キィヤアアアアッ!!!!」
「グルルゥアアアアアアアアッ!!!!」
(そっちはそっちで、元気一杯だな!!!!)
冒険者たちの襲撃に気付いたモンスターたちも天高く吼え、迎撃を開始。
(殺すことだけを考えろ)
最前線でモンスターと戦うティールは、常に心臓や脳を貫く、首を斬り裂くことだけを考えた。
両手にはいつも通り疾風迅雷と豹雷を握りしめ、モンスターの波に潰されることなく、戦場を華麗に舞う。
状況によっては斬撃も放ち、モンスターの戦う力を奪う、もしくは体を動かせない状況へと追い込む。
#単語__スナッチ_#奪取という凶悪なスキルを持つティールは、斥候や暗殺者でないにもかかわらず、猛毒や麻痺毒を操る。
例えその命を奪うまではいかずとも、行動を制限することは出来るため、他の冒険者たちがその隙を見逃さず、攻め潰す。
身体能力の中では、一番優れているスピードを追えるモンスターは少なく、中々捉えきれない。
「よそ見してんじゃねぇぞ!!!!」
「いや、寧ろよそ見ばっかしてろ!!! その方が殺りやすい!!!」
「はっはっは!!! それはそうだな!!!!」
今回の討伐戦、ティールやラスト以外にも実力が高い冒険者が多く集まっており、ティールが生んだ隙を見逃さない。
「お前ら、元気なルーキーだけに手柄を取られんじゃねぇぞ!!!!」
「ったりめぇだ!!」
同時に、ティールよりも活躍してやるという野心、それに見合うだけの実力と闘争心がある。
「ふんッ!!!!!」
そんなティールとは対照的に、ラストは確実に一対のモンスターを仕留める為に、牙竜をぶん回していた。
(俺は俺の戦りかたで動く)
決して鈍間ではないが、スピードではティールに敵わないという自覚がある。
なので、違う部分で勝負し、討伐戦に貢献。
パワー勝負であれば、ティールにも負けないため、腕力が武器である相手に積極的に対応。
とはいっても、真正面からパワー勝負をするのではなく、バッサリと斬れる瞬間を狙って動く。
牙竜の腕力と切れ味の強化。
そして宙を三回だけ駆けられる空歩を使えば、モンスターの虚を突くのも難しくない。
(こういった場でなければ、是非とも力勝負をしたいが……今それを考えるのはよそう)
舞台が森林であるため、まだどれだけのモンスターが残っているのか把握出来ない。
しかし、一瞬だけ気配感知を使えば……数の暴力という言葉が身に染みて解る。
「ふんっ!!」
「ブバっ!?」
いつもより長く戦うことを考えれば、あまり魔力は消費出来ない……かといって、躊躇していれば万が一がある。
タイマン勝負であれば、森林暗危でラストに勝てるモンスターは殆どいない。
だが、常に一対多数が求められる現状では、その躊躇は命取りになる。
まだ竜化までは使用していないが、それでも緊張を糸を切らす余裕など一切ない。
(しかし、流石先輩たち、と言えば良いのか。信用出来る実力と、連携だ)
伊達に最前線を担当しておらず、ラストに負けじとパワーで捻り潰す者や、テクニックで不意を突いて確殺する者もいる。
既に戦闘から五分が経過。
冒険者の中にも怪我人は出ているが、一先ず死者はいない。
そんな状況に緊張の糸が少し緩んだタイミングで、嫌なモンスターたちが戦場に姿を見せた。
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