388 / 613
割と間違ってない
しおりを挟む
ギルドから正式に、二人へモンスターパーティーの対処に参加しろという伝達が届いた。
向かう日にちは五日後の早朝。
それまで、参加の命が届いた冒険者たちは準備を始め出す。
二人も体が鈍らないようにコンディションを整えながら、今日はとある店に向かっていた。
「……二人だけで討伐、とは考えなかっのか?」
「お前……恐ろしいこと言うな」
「俺とマスターなら、出来なくもないと思ったからな」
たった二人でモンスターパーティーへ特攻。
アホを通り越して呆れる。
といった感情では足りない程アホな考えだろう。
仮にモンスターパーティーが起きた階層が十一階層より上であれば、ラストの言葉にティールはそこまで恐ろしさを感じなかっただろう。
しかし……今回モンスターパーティーが起きた階層は、十三階層。
トップはジェットモウルやメタルアーマードビートルに引けを取らないモンスター。
階層内に滞在するモンスターの数も、ティールが先日カリスを助けるために転移した部屋に出現したモンスターの数よりも、圧倒的に多い。
いくらルーキー離れした実力を持つ二人でも、いつものように無事に討伐し、生還できる可能性は大幅に下がる。
「……いや、さすがに無理だと思う。魔力の消費量とか考えると……途中途中でしっかり回復できるか怪しいし」
「ふむ。確かにそれは問題点だな」
二人ともギルドに保管されている、過去に森林暗危で起きたモンスターパーティーに関して記された書類には目を通している為、ある程度の数は把握していた。
タイマン勝負での実力を考えれば、二人が勝つ可能性の方が高い。
それでも二対大多数となれば、数の暴力は非常に危険。
「そうだろ。良い武器を持っていても、ちょっと今回はな……というか、さすがにそんな問題行動を起こしたら、ギルドから怒られるだろ」
「ギルドの不安を取り除いたのだから、怒られることはないのでは?」
「モンスターパーティーに一番早く気付いたのが俺たちなら、その場で死ぬ気で倒し続け、全滅させても文句は言われないだろう。でも、今回は正式にギルドが多くの冒険者たちに通達して、討伐部隊を編成したんだ」
今回のモンスターパーティーは既にティールとラストの二人だけで解決して良い問題ではない。
「ふむ……つまり、手柄を奪われるのが嫌な連中がいるということだな」
「ま、まぁそうかもしれないけど……今回は領主の騎士団も参加するみたいだし、足並みが揃うかは少々不安だな」
イガルディスの一大事ということもあり、領主も自身が保有する戦力を投入してきた。
それは戦力的に考えれば悪いことではないが、騎士は基本的に貴族の子供が将来的に就く職業。
貴族の子供であれば誰でもなれるという訳ではないが、騎士団への入団や……とりあえず騎士になることを目標にする者は多い。
「騎士には、生意気な連中が多いのだったか?」
「ジンさんからそういう話は聞いたけど……」
騎士について話すときの表情を思い出す限り、少々私情が混ざっているのではと思ってしまう。
しかし、そんな表情でティールに騎士に関して話したジンだが、七割方その話に間違いはない。
騎士の中には冒険者という職業を見下している者が多く、冒険者と騎士が対立することなど、あまり珍しくはない。
だが、そんないざこざは冒険者ギルドの上役たちにとっては、本当に勘弁してほしいと思う者が殆ど。
街を治める領主に関しても、冒険者が日々こなしている仕事内容を考えると、あまり冒険者ギルドとの関係を悪化させたくない。
上司たちはそうやって頭を悩ませるが、冒険者には冒険者の……騎士には騎士の考え方やプライドがある。
その辺りが簡単に譲れず、上の悩みなど知らずに、未だぶつかり合うことが多い。
「何かあっても、その場で対処するしかないんだろうな。っと、着いたぞ」
あれこれ話している内に、二人は目的の店に到着した。
向かう日にちは五日後の早朝。
それまで、参加の命が届いた冒険者たちは準備を始め出す。
二人も体が鈍らないようにコンディションを整えながら、今日はとある店に向かっていた。
「……二人だけで討伐、とは考えなかっのか?」
「お前……恐ろしいこと言うな」
「俺とマスターなら、出来なくもないと思ったからな」
たった二人でモンスターパーティーへ特攻。
アホを通り越して呆れる。
といった感情では足りない程アホな考えだろう。
仮にモンスターパーティーが起きた階層が十一階層より上であれば、ラストの言葉にティールはそこまで恐ろしさを感じなかっただろう。
しかし……今回モンスターパーティーが起きた階層は、十三階層。
トップはジェットモウルやメタルアーマードビートルに引けを取らないモンスター。
階層内に滞在するモンスターの数も、ティールが先日カリスを助けるために転移した部屋に出現したモンスターの数よりも、圧倒的に多い。
いくらルーキー離れした実力を持つ二人でも、いつものように無事に討伐し、生還できる可能性は大幅に下がる。
「……いや、さすがに無理だと思う。魔力の消費量とか考えると……途中途中でしっかり回復できるか怪しいし」
「ふむ。確かにそれは問題点だな」
二人ともギルドに保管されている、過去に森林暗危で起きたモンスターパーティーに関して記された書類には目を通している為、ある程度の数は把握していた。
タイマン勝負での実力を考えれば、二人が勝つ可能性の方が高い。
それでも二対大多数となれば、数の暴力は非常に危険。
「そうだろ。良い武器を持っていても、ちょっと今回はな……というか、さすがにそんな問題行動を起こしたら、ギルドから怒られるだろ」
「ギルドの不安を取り除いたのだから、怒られることはないのでは?」
「モンスターパーティーに一番早く気付いたのが俺たちなら、その場で死ぬ気で倒し続け、全滅させても文句は言われないだろう。でも、今回は正式にギルドが多くの冒険者たちに通達して、討伐部隊を編成したんだ」
今回のモンスターパーティーは既にティールとラストの二人だけで解決して良い問題ではない。
「ふむ……つまり、手柄を奪われるのが嫌な連中がいるということだな」
「ま、まぁそうかもしれないけど……今回は領主の騎士団も参加するみたいだし、足並みが揃うかは少々不安だな」
イガルディスの一大事ということもあり、領主も自身が保有する戦力を投入してきた。
それは戦力的に考えれば悪いことではないが、騎士は基本的に貴族の子供が将来的に就く職業。
貴族の子供であれば誰でもなれるという訳ではないが、騎士団への入団や……とりあえず騎士になることを目標にする者は多い。
「騎士には、生意気な連中が多いのだったか?」
「ジンさんからそういう話は聞いたけど……」
騎士について話すときの表情を思い出す限り、少々私情が混ざっているのではと思ってしまう。
しかし、そんな表情でティールに騎士に関して話したジンだが、七割方その話に間違いはない。
騎士の中には冒険者という職業を見下している者が多く、冒険者と騎士が対立することなど、あまり珍しくはない。
だが、そんないざこざは冒険者ギルドの上役たちにとっては、本当に勘弁してほしいと思う者が殆ど。
街を治める領主に関しても、冒険者が日々こなしている仕事内容を考えると、あまり冒険者ギルドとの関係を悪化させたくない。
上司たちはそうやって頭を悩ませるが、冒険者には冒険者の……騎士には騎士の考え方やプライドがある。
その辺りが簡単に譲れず、上の悩みなど知らずに、未だぶつかり合うことが多い。
「何かあっても、その場で対処するしかないんだろうな。っと、着いたぞ」
あれこれ話している内に、二人は目的の店に到着した。
応援ありがとうございます!
11
お気に入りに追加
1,753
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる