あっさりと初恋が破れた俺、神からのギフトで倒して殺して奪う

Gai

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今回も真面目だったけど

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ボス部屋の中心に、ボスを討伐した証明として宝箱が現れたことで、二人は本当にアサルトレパードを倒したのだと確信。

ホッと一息つき、地面に腰を下ろした。

「ふぅ~~~……思った以上に、速くて厄介だったな」

「あぁ、そうだな……あれでも、万全ではなかったと思うが、マスターはどう思う」

「考えたくないけど、既に血を流していた状況を考えると、あり得そうだな」

攻撃パターンが読めたからこそ、最後は動きを読んで、一撃で仕留めることが出来た。

(本当は、もっと色んな攻撃パターンがある? だとしたら……次回はもっと真面目に……いや、今回も真面目だったけど、もっと集中して戦わないとな)

何はともあれ、無事に倒せたことに変わりはない。
ティールはアサルトレパードの死体に単語スナッチ奪取を使い、脚力強化の上位スキル、疾風をゲット。

(疾風か……まっ、有難いスキルではあるな)

戦闘で役立つスキルに変わりはないが、ティールは既に疾風を持っていたので、スキルレベルが上昇する結果となった。

「とりあえず、地上に戻ろっか」

「そうだな」

アサルトレパードと報酬の宝箱を回収し、二人は地上へと帰還。

二人が戻ってきたことで、ダンジョン付近にいた冒険者たちは二人がボス討伐クリアしたのか気になったが……気楽に声を掛けられる程、仲が良くない。

ティールとラストを馬鹿にしてた者も多く……どういった見た目の連中が、自分に……マスターを見下していたのか、ラストはある程度覚えている。

(相変わらずマスターを馬鹿にする者がいるにはいるが……多少は減ってきたようだな)

ラストが一目で強いというのは、視る眼がない者でも大体解る。

しかし、十層のボスや十五層のボスは、一人強い者がいても、お荷物を抱えて勝てる相手ではない。
その事実を考えれば……自然とティールが、実は弱くないのでは? と、考えを改める者が増える。

「買取をお願いします」

道中でアサルトレパードの解体を終え、イガルディスの冒険者ギルドに到着し、受付嬢に手入れたモンスターの素材を渡す。

「かしこまりました」

勿論、アサルトレパードの素材を売るつもりはないが……既に十層のボスである二体のオークとリベンジオークを倒した実績を持つ二人の情報は、ギルド職員なら把握している。

そのため、今回二人の買取を担当した受付嬢は、上からの指令で二人に十五層のボスであるアサルトレパードを討伐したのか、討伐したのであれば素材を見せてほしいと頼んだ。

「分かりました」

その要望に、ティールは素直に答えた。

「確かに、アサルトレパードの魔石ですね」

受付嬢の言葉がギルド内にいる者たちの耳に入り、先日と同じく動揺が広がる。

Cランク冒険者たちの中には、ティールの強さを認める者たちが現れ、二人が見た目通りの者ではないという認識が広まり始めた。

ただ、アサルトレパードはBランクのモンスター。
数は一体だけだが、討伐する難易度はリベンジオークたちよりも上。

そんなアサルトレパードを二人で倒したという事実を耳にし……当然、信じられないという者が現れる。

そんな流れをラストが読んでいないわけがなく、即座に周囲に向かって圧を向ける。

くだらない発言をすれば、その首を落とすぞ……そう言いたげな圧を向けられ、押し黙る同業者たち。
ただ……そんな冒険者たちの中で、二人に憎しみや嫉妬に近い感情を向ける者たちがいた。

「俺たちが戦ったアサルトレパードは、既に怪我を負っていました。ギルドとしては、そこを参考しておいてください」

「か、かしこまりました」

自ら、結果的には自分たちの実力だけでアサルトレパードを倒したわけではない……と宣言したティールに対し、受付嬢は少々驚くも、書類にその言葉を記載。

周囲の同業者たちはその言葉を聞き、やはりティールとラストの二人だけでは倒せない……そう口にする者たちがいたが、一部の者たちはようやく二人の実力を理解し始めていた。
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