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コンディションは大事だよ
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ティールが料理をしている間に、値段の設定が終了。
「どうぞ」
皿によそって渡していくと、冒険者たちは思いっきりがっつき始めた。
(……良く食べるな。まっ、奪った空間収納に感謝しないとってことだな)
きっちり金は受け取り、その臨時収入の額に……思わずニヤけてしまう。
食後、体をさっぱりと洗い、本日の疲れはほぼ消えた。
「凄いな、お前。それって、土魔法で作った自作だろ」
「はい、そうですね」
簡易風呂について尋ねてきた同業者に対し、素直にそうだと答える。
「……収納量に関しては、冒険者の中でもトップクラスか」
「どうでしょうか? 自分以外に空間収納のスキルを持っている冒険者に会ったことがないので」
「はっはっは! それもそうか」
普通はアイテムバッグ、空間収納持っているにしても、冒険の邪魔になるので入れない。
だが、最近ティールは……それはそれで勿体ないと思い始めた。
「風呂に入ると、本当にさっぱりしますよ。勿論、その間無謀になるかもしれませんけど、翌日のコンディションは非常に良い状態になります」
「だから、風呂は持っておいた方が良いってか?」
「コンディションが、生死を分けることもあるかと」
「なるほど……それは否定出来ないな」
風呂なんて、入れるだけ邪魔。
そう考えていた冒険者だが、ティールから改めてコンディションの重要さを伝えられ、ほんの少し……購入を検討しようと思い始めた。
翌日、二人はサラッと腹が膨れる朝食を食べ、最下層のボス部屋を目指す。
(このままだ、結構あっさり一番下まで到着しそうだな)
十一階層以降を探索するようになってから、偶にCランクのモンスターと遭遇するが、歯応えがない。
最下層のボスに関しては油断ならないというイメージを持っているが、トラップの発見にも少々慣れてきたこともあり、心に緩みが現れてきていた。
「ッ!!??」
その緩みを引き締めるかのように、一体のモンスターが二人を襲撃。
「戦い甲斐がありそうなモンスターだな」
「えっと……確か、ライガルだったか?」
ライオンと虎を混ぜ合わせた様なモンスター、ライガル。
体長は五メートルを超えており、爪や牙は一目見るだけで鋭さを感じさせる。
加えて、尾がそこそこ太い。
爪や牙だけを注視していれば、手痛いダメージを食らう。
「マスター、やるか?」
「良いのか? 見た目通り強そうなモンスターだけ、ど!」
二人が、どちらがタイマンで戦うのか決めるのを待たず、ライガルは強化系のスキルを既に使用しており、全身に魔力を纏って襲い始める。
(どうせなら、素手でやるか)
ロングソードは抜かず、敢えて素手での勝負に臨む。
武器を使わない。二人で行動してるのに、一人だけで挑んでくる。
この状況にライガルは……特に苛立っていない。
二人を強者だと認識しているからこそ、最初から強化マックスで挑んでいる。
一人だけで自分に襲い掛かってくるのであれば、寧ろ好都合。
確実に一人ずつ仕留める。
「グゥゥアアアアァアアアアアアッ!!!!」
雄叫びのスキルを使用し、更に身体能力を向上。
「うぉぉおおおあああああああッ!!!!!」
それならばと、ティールも同じく雄叫びを使用。
両者とも身体能力を向上させ、闘争心爆上げ状態。
(動きはある程度読める。でも、この力任せな感じ、熱くなるな!!)
野性的な動きで、普通なら読み辛い動き。
そう感じるのが一般的だが、これまでの戦闘経験から、その手の動きにはかなり慣れている。
経験値のお怪我で優位に立ち回れていることもあり、余裕をもって力には力で返す。
全体的に身体能力ではティールは上回っているが、ライガルは怯むことなく襲い掛かる。
そして時間が経つにつれ、身に纏う魔力がどんどん鋭くなっていく。
(成長中ってことか? 凄いな、こいつ)
ライガルの成長速度を肌で感じ取り、身震いしてしまう。
同時に、それは武者ぶりでもあった。
まだまだここから盛り上がる……そう感じた瞬間、邪魔が割って入ろうとしてきた。
「どうぞ」
皿によそって渡していくと、冒険者たちは思いっきりがっつき始めた。
(……良く食べるな。まっ、奪った空間収納に感謝しないとってことだな)
きっちり金は受け取り、その臨時収入の額に……思わずニヤけてしまう。
食後、体をさっぱりと洗い、本日の疲れはほぼ消えた。
「凄いな、お前。それって、土魔法で作った自作だろ」
「はい、そうですね」
簡易風呂について尋ねてきた同業者に対し、素直にそうだと答える。
「……収納量に関しては、冒険者の中でもトップクラスか」
「どうでしょうか? 自分以外に空間収納のスキルを持っている冒険者に会ったことがないので」
「はっはっは! それもそうか」
普通はアイテムバッグ、空間収納持っているにしても、冒険の邪魔になるので入れない。
だが、最近ティールは……それはそれで勿体ないと思い始めた。
「風呂に入ると、本当にさっぱりしますよ。勿論、その間無謀になるかもしれませんけど、翌日のコンディションは非常に良い状態になります」
「だから、風呂は持っておいた方が良いってか?」
「コンディションが、生死を分けることもあるかと」
「なるほど……それは否定出来ないな」
風呂なんて、入れるだけ邪魔。
そう考えていた冒険者だが、ティールから改めてコンディションの重要さを伝えられ、ほんの少し……購入を検討しようと思い始めた。
翌日、二人はサラッと腹が膨れる朝食を食べ、最下層のボス部屋を目指す。
(このままだ、結構あっさり一番下まで到着しそうだな)
十一階層以降を探索するようになってから、偶にCランクのモンスターと遭遇するが、歯応えがない。
最下層のボスに関しては油断ならないというイメージを持っているが、トラップの発見にも少々慣れてきたこともあり、心に緩みが現れてきていた。
「ッ!!??」
その緩みを引き締めるかのように、一体のモンスターが二人を襲撃。
「戦い甲斐がありそうなモンスターだな」
「えっと……確か、ライガルだったか?」
ライオンと虎を混ぜ合わせた様なモンスター、ライガル。
体長は五メートルを超えており、爪や牙は一目見るだけで鋭さを感じさせる。
加えて、尾がそこそこ太い。
爪や牙だけを注視していれば、手痛いダメージを食らう。
「マスター、やるか?」
「良いのか? 見た目通り強そうなモンスターだけ、ど!」
二人が、どちらがタイマンで戦うのか決めるのを待たず、ライガルは強化系のスキルを既に使用しており、全身に魔力を纏って襲い始める。
(どうせなら、素手でやるか)
ロングソードは抜かず、敢えて素手での勝負に臨む。
武器を使わない。二人で行動してるのに、一人だけで挑んでくる。
この状況にライガルは……特に苛立っていない。
二人を強者だと認識しているからこそ、最初から強化マックスで挑んでいる。
一人だけで自分に襲い掛かってくるのであれば、寧ろ好都合。
確実に一人ずつ仕留める。
「グゥゥアアアアァアアアアアアッ!!!!」
雄叫びのスキルを使用し、更に身体能力を向上。
「うぉぉおおおあああああああッ!!!!!」
それならばと、ティールも同じく雄叫びを使用。
両者とも身体能力を向上させ、闘争心爆上げ状態。
(動きはある程度読める。でも、この力任せな感じ、熱くなるな!!)
野性的な動きで、普通なら読み辛い動き。
そう感じるのが一般的だが、これまでの戦闘経験から、その手の動きにはかなり慣れている。
経験値のお怪我で優位に立ち回れていることもあり、余裕をもって力には力で返す。
全体的に身体能力ではティールは上回っているが、ライガルは怯むことなく襲い掛かる。
そして時間が経つにつれ、身に纏う魔力がどんどん鋭くなっていく。
(成長中ってことか? 凄いな、こいつ)
ライガルの成長速度を肌で感じ取り、身震いしてしまう。
同時に、それは武者ぶりでもあった。
まだまだここから盛り上がる……そう感じた瞬間、邪魔が割って入ろうとしてきた。
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