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まずはフィールドを変える
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「朝早く起きて、仕留めに来た甲斐があったな」
朝食を食べ終えた後、二人は一直線に先日訪れたペルニクスの拠点地を訪れ……そこには、ペルニクスと思わしき雪色の女豹がいた。
標的を確認し、ラストは直ぐにペルニクスが逃げられない様に、ティールとは反対側へ移行。
「……」
拠点地から出てきたペルニクスは二人の戦意に気付いており、陣取られている場所的にも、逃げることは不可能。
そして周囲の状況を確認し……表情を歪めた。
二人は拠点地の近くに到着した後、直ぐに周囲の雪を溶かし始めた。
当然、現在も雪は降っているが、ブリザードと言うほどの悪環境ではない為、直ぐに積もることはない。
ペルニクスは自分が雪原でも思い通りに動けるという事実を、他の生物が出来ない……自分のアドバンテージだと理解している為、その環境を潰されたことに不快感を示す……が、何がなんでも逃げようとしなかった。
確かに雪原という環境は自分にとって有利な環境。
その利点を生かして今まで狩りを行ってきたが……素の自分が弱いとも思っていない。
(自信ありげな表情だな)
ペルニクスの表情から、自分たちが少し周囲の状況を変えたことに怯んでいないことが解り、少々気落ちするティール。
しかし、こちらも討伐出来る自信がない訳ではない。
寧ろ、ティールは今までの経験から……ペルニクスを相手に、そこまで苦戦はしないと思っていた。
「マスター!」
「おう!!!」
先にペルニクスの方から二人に仕掛けた。
一般的な豹よりも体は大きいが、脚は当然速い。
ティールが今まで戦ってきたモンスターの中でも、トップクラスであることに違いはない。
しかし……今までブラッディ―タイガーやキラータイガーなど、優れた脚力を持つ個体に勝利を収めてきた。
その経験が自信となり、ティールの表情には薄っすらと笑みが浮かんでいた。
(あの人間、ペルニクスを相手にしてるのに、なんで笑ってるのかしら? やっぱり、人間なんかに任せるのは失敗だったかも)
二人とペルニクスの戦闘現場から少し離れた場所で、戦いを観戦しているウィスタリス。
ウィスタリスも一度は自分の拠点地を奪おうとしてきたペルニクスを相手に本気で戦ったが、結果は敗北。
その戦いで負った傷は既に癒えているが、もう一度戦って気に入った場所を奪い返そうという気力は起きない。
せめて自分と同じ力量を持った精霊が一人は必要。
(他の精霊が通りかかるのを待つしかないかもねぇ~)
ペルニクスを相手に果敢に挑んでいる二人を応援することなく、既に興味を失いそうなウィスタリス。
そんな状況をラストに知られては、次こそティールの停止を聞かずにぶった斬られるだろう。
しかし、二人の戦いぶりを見ていたウィスタリスは一連の流れを見て、思いっきり目を見開いて固まった。
「嘘でしょ!?」
二人はペルニクスの得意技、雪化粧に惑わされることなく死角からの攻撃を回避し、カウンターを決めていた。
雪化粧とは、雪や氷系属性のモンスターが使う雪原や雪が降っている環境を利用し、姿を消す技。
雪、氷属性を持つモンスターの中でもペルニクスは雪化粧を得意としており、ウィスタリスは何度もひっかかり、ダメージをおった。
だが、二人は姿を見失っても焦って更に追い込まれることなく、冷静に回避……対応していた。
(多分、魔力は消費してないんだろうな。消費してても、微々たる量ってところ……それを考えると厄介過ぎる技なんだろうけど、無敵って訳じゃないな)
最初からペルニクスが雪化粧という技を使用できるという情報は得ていたため、ティールとラストは一ミリも焦らなかった。
雷雲のように実態が消えるとう様な効果もあるならば、さすがの二人も攻略に苦戦しただろう。
ただ、足が速い。
死角を狙うのが上手い。
そういったモンスターと戦い慣れている二人は徐々にペルニクスを追い詰め始めた。
朝食を食べ終えた後、二人は一直線に先日訪れたペルニクスの拠点地を訪れ……そこには、ペルニクスと思わしき雪色の女豹がいた。
標的を確認し、ラストは直ぐにペルニクスが逃げられない様に、ティールとは反対側へ移行。
「……」
拠点地から出てきたペルニクスは二人の戦意に気付いており、陣取られている場所的にも、逃げることは不可能。
そして周囲の状況を確認し……表情を歪めた。
二人は拠点地の近くに到着した後、直ぐに周囲の雪を溶かし始めた。
当然、現在も雪は降っているが、ブリザードと言うほどの悪環境ではない為、直ぐに積もることはない。
ペルニクスは自分が雪原でも思い通りに動けるという事実を、他の生物が出来ない……自分のアドバンテージだと理解している為、その環境を潰されたことに不快感を示す……が、何がなんでも逃げようとしなかった。
確かに雪原という環境は自分にとって有利な環境。
その利点を生かして今まで狩りを行ってきたが……素の自分が弱いとも思っていない。
(自信ありげな表情だな)
ペルニクスの表情から、自分たちが少し周囲の状況を変えたことに怯んでいないことが解り、少々気落ちするティール。
しかし、こちらも討伐出来る自信がない訳ではない。
寧ろ、ティールは今までの経験から……ペルニクスを相手に、そこまで苦戦はしないと思っていた。
「マスター!」
「おう!!!」
先にペルニクスの方から二人に仕掛けた。
一般的な豹よりも体は大きいが、脚は当然速い。
ティールが今まで戦ってきたモンスターの中でも、トップクラスであることに違いはない。
しかし……今までブラッディ―タイガーやキラータイガーなど、優れた脚力を持つ個体に勝利を収めてきた。
その経験が自信となり、ティールの表情には薄っすらと笑みが浮かんでいた。
(あの人間、ペルニクスを相手にしてるのに、なんで笑ってるのかしら? やっぱり、人間なんかに任せるのは失敗だったかも)
二人とペルニクスの戦闘現場から少し離れた場所で、戦いを観戦しているウィスタリス。
ウィスタリスも一度は自分の拠点地を奪おうとしてきたペルニクスを相手に本気で戦ったが、結果は敗北。
その戦いで負った傷は既に癒えているが、もう一度戦って気に入った場所を奪い返そうという気力は起きない。
せめて自分と同じ力量を持った精霊が一人は必要。
(他の精霊が通りかかるのを待つしかないかもねぇ~)
ペルニクスを相手に果敢に挑んでいる二人を応援することなく、既に興味を失いそうなウィスタリス。
そんな状況をラストに知られては、次こそティールの停止を聞かずにぶった斬られるだろう。
しかし、二人の戦いぶりを見ていたウィスタリスは一連の流れを見て、思いっきり目を見開いて固まった。
「嘘でしょ!?」
二人はペルニクスの得意技、雪化粧に惑わされることなく死角からの攻撃を回避し、カウンターを決めていた。
雪化粧とは、雪や氷系属性のモンスターが使う雪原や雪が降っている環境を利用し、姿を消す技。
雪、氷属性を持つモンスターの中でもペルニクスは雪化粧を得意としており、ウィスタリスは何度もひっかかり、ダメージをおった。
だが、二人は姿を見失っても焦って更に追い込まれることなく、冷静に回避……対応していた。
(多分、魔力は消費してないんだろうな。消費してても、微々たる量ってところ……それを考えると厄介過ぎる技なんだろうけど、無敵って訳じゃないな)
最初からペルニクスが雪化粧という技を使用できるという情報は得ていたため、ティールとラストは一ミリも焦らなかった。
雷雲のように実態が消えるとう様な効果もあるならば、さすがの二人も攻略に苦戦しただろう。
ただ、足が速い。
死角を狙うのが上手い。
そういったモンスターと戦い慣れている二人は徐々にペルニクスを追い詰め始めた。
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