345 / 617
思ったよりアホで間抜け
しおりを挟む
ティールの頭がショートしていると、ティールとラストの二人にとって面倒な……クララとしても面倒な客が現れた。
その客は……以前、運良くグリフォンを発見したが、ボコボコにされてしまったブルード・ガルビールとその護衛の騎士たちだった。
ブルードがこの高級喫茶店を訪れた理由は偶々偶然……ではなく、ティールとラストがこの店にいるという情報を掴んだから。
「ようやく見つけたぞ、貴様ら」
(…………あぁ、あの時自分たちに力を貸せと言ってきた人間の貴族か)
ラストは少し時間は掛かったが、突然自分たちの元にやってきた男の正体に気付いた。
尚、ティールはまだ頭がショートしており、面倒な客が入店して自分たちに絡んできたことに気付いていない。
(……俺が対応するしかないな)
まだ主人が普段通りに対応できないと感じ、ラストは気を引き締め直した。
「何の用だ」
「決まっているだろ。貴様らが勝手にグリフォンを討伐した件についてだ」
勝手にグリフォンを討伐した件について。
その言葉を聞いた瞬間、ラストは盛大に笑いそうになった。
しかし、目の前の令息は真剣な表情でそう言った。
そんなブルードに対して盛大に笑ってしまうのはしまうのはさすがに可哀想だと思い、グッと笑いたい気持ちを堪えた。
「勝手に、か……冒険者ギルドが、そんなルールを設けていたのか? 悪いが、そんな話は一つも聞いていない」
「ふん! そういった話ではない、というのも解らないのか。これだから亜人は」
亜人……人族以外の種族に使う蔑称。
獣人族、エルフなどにそんなことを使えば、殴られても仕方ない。
ただ、ブルードは自分は貴族の令息であり、他種族の者たちとは比べ物にならない高貴な存在。
なんてアホらしい考えを持っている。
一定の貴族がそんな考えを持っているので、ブルードがそういった考えを持つようになってしまったのは、仕方ないと言えば仕方ない……のかもしれない。
とはいえ、普段のラストならここで速攻ブチ切れ、ブルードを身体強化スキルを発動しながら思いっきり殴っていた……のだが、激情に駆られることはなかった。
なぜなら「貴様らら勝手にグリフォンを討伐した件について」というアホ丸出しワードのお陰で、ブルードが想像以上にアホだということが解り、完全にギャグ的存在にしか思えなかったから。
「竜人ではあるが、それでも冒険者だ。冒険者であれば、モンスターと戦うのは必然。そして、俺たちは元々グリフォンを狩るためにバラックへ訪れた」
リザードマンジェネラル、スカーレットリザードマン……そして謎の黒装束集団との戦いに勝利し、次なる強敵を求めてバラックを訪れた。
その為、ブルードのような師的な理由でグリフォンを狩るなと言われても、そんなアホ過ぎる命令通りに従う訳がない。
「金を貰っている……そういった状況であれば話は別かもしれないが、俺たちはお前から何も貰っていない。というより……自分たちがグリフォンにボコボコのボロボロにされたからといって、そのグリフォンに勝利した俺たちを妬むなよ」
「「「「「ッ!!!!!」」」」」
ラストのこの発言には、ブルードだけではなく護衛の騎士たちの怒りも買った。
その怒りは激しく、この場で剣を抜こうかという勢い。
しかし……護衛の騎士たちは一度、ラストの圧を浴びており……自分たちでは勝てないかもしれないという不安を与えられており、結局この場で刃を抜く勇気はなかった。
「賢明な判断ですね。この場で刃を抜いていれば、さすがに私も見逃すわけにはいきませんでした」
「ッ! あ、あなたは!!??」
なんともアホ過ぎて間抜けな令息、ブルード・ガルビールはなんと……ティールとラストが対面している人物が、貴族であろうと解っていなかった。
クララの後ろに護衛がいるにもかかわらず、ブルードの護衛の騎士たちまでもが、どうせ自分たちより下の存在だと見下し、一切気にしていなかったのだ。
その客は……以前、運良くグリフォンを発見したが、ボコボコにされてしまったブルード・ガルビールとその護衛の騎士たちだった。
ブルードがこの高級喫茶店を訪れた理由は偶々偶然……ではなく、ティールとラストがこの店にいるという情報を掴んだから。
「ようやく見つけたぞ、貴様ら」
(…………あぁ、あの時自分たちに力を貸せと言ってきた人間の貴族か)
ラストは少し時間は掛かったが、突然自分たちの元にやってきた男の正体に気付いた。
尚、ティールはまだ頭がショートしており、面倒な客が入店して自分たちに絡んできたことに気付いていない。
(……俺が対応するしかないな)
まだ主人が普段通りに対応できないと感じ、ラストは気を引き締め直した。
「何の用だ」
「決まっているだろ。貴様らが勝手にグリフォンを討伐した件についてだ」
勝手にグリフォンを討伐した件について。
その言葉を聞いた瞬間、ラストは盛大に笑いそうになった。
しかし、目の前の令息は真剣な表情でそう言った。
そんなブルードに対して盛大に笑ってしまうのはしまうのはさすがに可哀想だと思い、グッと笑いたい気持ちを堪えた。
「勝手に、か……冒険者ギルドが、そんなルールを設けていたのか? 悪いが、そんな話は一つも聞いていない」
「ふん! そういった話ではない、というのも解らないのか。これだから亜人は」
亜人……人族以外の種族に使う蔑称。
獣人族、エルフなどにそんなことを使えば、殴られても仕方ない。
ただ、ブルードは自分は貴族の令息であり、他種族の者たちとは比べ物にならない高貴な存在。
なんてアホらしい考えを持っている。
一定の貴族がそんな考えを持っているので、ブルードがそういった考えを持つようになってしまったのは、仕方ないと言えば仕方ない……のかもしれない。
とはいえ、普段のラストならここで速攻ブチ切れ、ブルードを身体強化スキルを発動しながら思いっきり殴っていた……のだが、激情に駆られることはなかった。
なぜなら「貴様らら勝手にグリフォンを討伐した件について」というアホ丸出しワードのお陰で、ブルードが想像以上にアホだということが解り、完全にギャグ的存在にしか思えなかったから。
「竜人ではあるが、それでも冒険者だ。冒険者であれば、モンスターと戦うのは必然。そして、俺たちは元々グリフォンを狩るためにバラックへ訪れた」
リザードマンジェネラル、スカーレットリザードマン……そして謎の黒装束集団との戦いに勝利し、次なる強敵を求めてバラックを訪れた。
その為、ブルードのような師的な理由でグリフォンを狩るなと言われても、そんなアホ過ぎる命令通りに従う訳がない。
「金を貰っている……そういった状況であれば話は別かもしれないが、俺たちはお前から何も貰っていない。というより……自分たちがグリフォンにボコボコのボロボロにされたからといって、そのグリフォンに勝利した俺たちを妬むなよ」
「「「「「ッ!!!!!」」」」」
ラストのこの発言には、ブルードだけではなく護衛の騎士たちの怒りも買った。
その怒りは激しく、この場で剣を抜こうかという勢い。
しかし……護衛の騎士たちは一度、ラストの圧を浴びており……自分たちでは勝てないかもしれないという不安を与えられており、結局この場で刃を抜く勇気はなかった。
「賢明な判断ですね。この場で刃を抜いていれば、さすがに私も見逃すわけにはいきませんでした」
「ッ! あ、あなたは!!??」
なんともアホ過ぎて間抜けな令息、ブルード・ガルビールはなんと……ティールとラストが対面している人物が、貴族であろうと解っていなかった。
クララの後ろに護衛がいるにもかかわらず、ブルードの護衛の騎士たちまでもが、どうせ自分たちより下の存在だと見下し、一切気にしていなかったのだ。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
1,753
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる