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慣れないが……寝てしまう
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ラストがボンバーディアとの勝負に勝利した後、二人はハーピィやライズフォックスなどと遭遇して勝利を収め、気付けば日が落ちていた。
「そろそろ飯にするか」
「そうだな」
グリフォンを倒し終えた後に遭遇した巨大な鹿、ボンバーディアの肉料理をメインにし、減った腹を満たす。
「うまっ!!」
「……そうだな。いがいといける」
なんだかんだでこの街に来てから、まだボンバーディアの肉を食べたことがなかった二人は、自分たちで作った肉料理に非常に満足。
そして地面が比較的平らな場所で湯に入り、一日の疲れを癒した後……寝袋に入って寝た。
(こればかりは、何度経験しても慣れないな)
魔力が回復したティールは、自分たちを守る結界に属性の魔力を付与しているので、防御力はかなり頼りになる。
結界が破られたとしても、その衝撃で直ぐに二人は目を覚ますだろう。
グリフォンクラスのモンスターが本気で攻撃を行ったら少々不味いが、様子見程度の攻撃であれば、なんとか耐えられる。
(……駄目だ、眠い)
慣れない慣れないと思いながらも、結局はいつも通り一日中動いた疲れからくる眠気に負け、気付いたら寝てしまっている。
そして翌日、意外にもティールが用意した結界は一つも砕かれておらず、結界の周囲に血などはなかった。
「意外だな。一体ぐらい襲ってくるかと思ったんだけどな。いや、モンスターたちが襲って来ないことに越したことはないんだけどさ」
「……あまり嗅覚が優れていないモンスターしか、周辺にいなかったのかもしれないな」
結界に属性魔力を付与しており、しかも重ねて発動しているので、中にいるティールたちの姿は見えない。
その為、感知力が低いモンスターであれば、ティールたちの存在に気付かない場合がある。
(なるほど……もしくは、逆に俺たちにグリフォンの匂いが付いてるか、ビビッて逃げたのかもしれないな)
一応昨夜、二人とも風呂には入った。
しかし、完全に先日乗った買いなどで染みついた匂いが取れた訳ではなく……ティールが思い浮かんだ状況が起こった可能性も、ゼロではなかった。
「よし、今日も頑張って探すか!!」
朝食を食べ終わり、山岳地帯での探索に慣れてきた二人は先日よりも捜索のスピードをアップ。
動き回れば、モンスターと遭遇する確率も上がるが、さすがにグリフォン以上のモンスターは現れなかった。
「ふん!!!」
寧ろ、山岳地帯での行動に慣れたティールはボンバーディアと遭遇するなり、戦意を全開。
その圧にビビらずスキルや魔力を使用したボンバーディアの攻撃に対し、ティールもスキルや魔力を利用して対抗。
先日のラストの様に両手を使って角を掴み、ボンバーディアの爆撃タックルを止めた。
ティールの体格では少々押し込まれてしまったが、そのまま体制をのけ反らせ……ボンバーディアを背中から地面に叩きつけた。
「ほいっと」
「ギ、ァ……」
背中から地面に叩きつけられた衝撃で、一瞬身動きが取れなくなった隙を見逃さず、速攻で首を斬り裂いた。
「それ、良いな」
「そうか?」
「あぁ、良い倒し方だ」
相手の体を掴んで動きを止め、力づくでぶん投げ、動きを少しだけ止めた瞬間に止めを刺す。
そんなティールの一連の動きを、ラストは気に入った。
なんやかんやで二人は楽しくグリフォンの巣探しを続け……日が暮れる約一時間前、ラストがそれらしい匂いを嗅ぎ取った。
「ッ!! ……マスター、こっちだ」
「おう!!」
ラストが探索を始めてから、初めて明確な意思を持ち……こっちだと口にした。
その意志の強さを感じ取り、自然とティールはテンションが上がる。
しかし、同時に巣に近づくとなれば……もしや、同じグリフォンが済んでいるのでは? と思い、緊張が楽しみという思いを邪魔してきた。
一応疾風瞬閃を抜きながら徐々に巣へと近づく二人。
近づくにつれて心臓の鼓動が速くなるティールだったが……巣を確認し、緊張して損した感じた。
「そろそろ飯にするか」
「そうだな」
グリフォンを倒し終えた後に遭遇した巨大な鹿、ボンバーディアの肉料理をメインにし、減った腹を満たす。
「うまっ!!」
「……そうだな。いがいといける」
なんだかんだでこの街に来てから、まだボンバーディアの肉を食べたことがなかった二人は、自分たちで作った肉料理に非常に満足。
そして地面が比較的平らな場所で湯に入り、一日の疲れを癒した後……寝袋に入って寝た。
(こればかりは、何度経験しても慣れないな)
魔力が回復したティールは、自分たちを守る結界に属性の魔力を付与しているので、防御力はかなり頼りになる。
結界が破られたとしても、その衝撃で直ぐに二人は目を覚ますだろう。
グリフォンクラスのモンスターが本気で攻撃を行ったら少々不味いが、様子見程度の攻撃であれば、なんとか耐えられる。
(……駄目だ、眠い)
慣れない慣れないと思いながらも、結局はいつも通り一日中動いた疲れからくる眠気に負け、気付いたら寝てしまっている。
そして翌日、意外にもティールが用意した結界は一つも砕かれておらず、結界の周囲に血などはなかった。
「意外だな。一体ぐらい襲ってくるかと思ったんだけどな。いや、モンスターたちが襲って来ないことに越したことはないんだけどさ」
「……あまり嗅覚が優れていないモンスターしか、周辺にいなかったのかもしれないな」
結界に属性魔力を付与しており、しかも重ねて発動しているので、中にいるティールたちの姿は見えない。
その為、感知力が低いモンスターであれば、ティールたちの存在に気付かない場合がある。
(なるほど……もしくは、逆に俺たちにグリフォンの匂いが付いてるか、ビビッて逃げたのかもしれないな)
一応昨夜、二人とも風呂には入った。
しかし、完全に先日乗った買いなどで染みついた匂いが取れた訳ではなく……ティールが思い浮かんだ状況が起こった可能性も、ゼロではなかった。
「よし、今日も頑張って探すか!!」
朝食を食べ終わり、山岳地帯での探索に慣れてきた二人は先日よりも捜索のスピードをアップ。
動き回れば、モンスターと遭遇する確率も上がるが、さすがにグリフォン以上のモンスターは現れなかった。
「ふん!!!」
寧ろ、山岳地帯での行動に慣れたティールはボンバーディアと遭遇するなり、戦意を全開。
その圧にビビらずスキルや魔力を使用したボンバーディアの攻撃に対し、ティールもスキルや魔力を利用して対抗。
先日のラストの様に両手を使って角を掴み、ボンバーディアの爆撃タックルを止めた。
ティールの体格では少々押し込まれてしまったが、そのまま体制をのけ反らせ……ボンバーディアを背中から地面に叩きつけた。
「ほいっと」
「ギ、ァ……」
背中から地面に叩きつけられた衝撃で、一瞬身動きが取れなくなった隙を見逃さず、速攻で首を斬り裂いた。
「それ、良いな」
「そうか?」
「あぁ、良い倒し方だ」
相手の体を掴んで動きを止め、力づくでぶん投げ、動きを少しだけ止めた瞬間に止めを刺す。
そんなティールの一連の動きを、ラストは気に入った。
なんやかんやで二人は楽しくグリフォンの巣探しを続け……日が暮れる約一時間前、ラストがそれらしい匂いを嗅ぎ取った。
「ッ!! ……マスター、こっちだ」
「おう!!」
ラストが探索を始めてから、初めて明確な意思を持ち……こっちだと口にした。
その意志の強さを感じ取り、自然とティールはテンションが上がる。
しかし、同時に巣に近づくとなれば……もしや、同じグリフォンが済んでいるのでは? と思い、緊張が楽しみという思いを邪魔してきた。
一応疾風瞬閃を抜きながら徐々に巣へと近づく二人。
近づくにつれて心臓の鼓動が速くなるティールだったが……巣を確認し、緊張して損した感じた。
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