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奇襲、失敗しても逃げず
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休憩がてらに昼食で腹を満たし、三人は夕方近くまで狩りを続け……その間に五体のクラッチイーグルと遭遇に成功。
必要な羽の量は三体分もあれば十分なのだが、遭遇したクラッチイーグルは三人を獲物として狩る気満々だった。
であれば仕方ないということになり、三人はサクッとクラッチイーグルを狩った。
空中での速さは中々だが、ティールとラストの反応速度も負けておらず、見事に体を傷付けることなく首を切断。
マリアも自分のところに抜けてきたクラッチイーグルに対し、華麗にクラッチを回避して重鈍なメイスを脳天に叩きつけた。
一応手加減はしていたので、オーガとの戦いの様に頭部が爆散することはなく、良い感じに頭蓋骨と脳を破壊する形で抑えることに成功。
服や体に付いた血など、生活魔法のクリーンを使えば落ちるが、それでも回復職の者が血塗れになっている姿を見ると、一度見ていても慣れるまで驚かされる。
(……そろそろ街に帰るべきかな)
昼に食べた肉や野菜が消化され、丁度腹が空いてきた頃。
対グリフォンの仮想相手になりそうなヒポグリフの気配もないので、もう街に帰るべきかと思い始めたティール。
しかしとあるモンスターが三人に急接近。
「ぬっ!!!」
その存在に三人とも気付き、ラストは自分が狙われていると解ると即座に大剣を抜き……敵の攻撃から身を守る様に腹でガードしようとする。
しかし敵の攻撃が腹に炸裂した瞬間……腕力強化、切れ味強化の効果が付与された、それなりに上等な大剣があっさり砕かれた。
「なっ……ふざけるな!!!!」
咄嗟のことで、ラストは大剣に魔力を纏う時間がなかった。
とはいえ、そう簡単に砕かれる一品ではないのだが……ラストは自分為にティールが購入してくれた大剣を砕かれたという事実に対し、全くもって怒りを隠せていない。
ただ、その感情が大き過ぎるのは良くなというのは本人も理解しているので、地面を一発殴ると感情の噴火をなんとか鎮火させ、冷静さを保つことに成功。
(ナイス冷静さだ、ラスト。でもあの大剣を砕くって……それなりの火力と、壊れた形状見る限り……貫通力がないと無理だよな)
破壊された大剣の一部には穴があいたような傷があった。
ひとまずティールはいつもの様に、亜空間にしまっているブラッディ―タイガーの素材をもとにして造られた斬馬刀をラストに渡した。
「あれは……ニードファルコンよ!! くちばしによる攻撃には気を付けて!!!」
「分かりました!」
「分かった」
ラストに奇襲を行い、一撃で仕留められなかったから直ぐに逃走……なんてことはせずに、ニードファルコンは悠々と空を飛んでいた。
(おいおい、ここでBランクのモンスターがくるのか……体型はグリフォンに似てないけど、強敵と戦う感覚を思い出す相手としては充分か)
ティールたちが完全に戦闘態勢に入ると、ニードファルコンは三人が遠距離攻撃を放つタイミングでもう一度くちばしによる攻撃を行った。
「さっきより遅い!!!」
ティールは既に疾風瞬閃を抜いており、マリアを狙ったくちばし攻撃をガード。
先程ラストがやられた事実を活かし、きっちり刃に風の魔力を纏っている。
(鋭いだけじゃ、なくて、重いな!!!)
空中でマリアを狙う攻撃を受け止めたので、全く踏ん張りが効かない。
しかしくちばし攻撃の軌道を逸らすことには成功し……なんとか地面に着地して、ダメージを受けずにやりすごした。
「助かったわ、ティール君」
「あれぐらいは任せてください」
「頼もしいわね。でも、ニードファルコンの体を回転させた突貫には気を付けて」
「うっす!!」
おそらく体を回転させ、貫通力を上げた一撃。
それぐらいは脳内でイメージでき、その恐ろしさを実際に体験せずとも理解した。
(ラストに渡した大剣ならともかく、俺が持つ武器だと……ガードするのは難しそうだな)
厄介な攻撃に顔をしかめつつも、仕留めることを全く諦めていない。
必要な羽の量は三体分もあれば十分なのだが、遭遇したクラッチイーグルは三人を獲物として狩る気満々だった。
であれば仕方ないということになり、三人はサクッとクラッチイーグルを狩った。
空中での速さは中々だが、ティールとラストの反応速度も負けておらず、見事に体を傷付けることなく首を切断。
マリアも自分のところに抜けてきたクラッチイーグルに対し、華麗にクラッチを回避して重鈍なメイスを脳天に叩きつけた。
一応手加減はしていたので、オーガとの戦いの様に頭部が爆散することはなく、良い感じに頭蓋骨と脳を破壊する形で抑えることに成功。
服や体に付いた血など、生活魔法のクリーンを使えば落ちるが、それでも回復職の者が血塗れになっている姿を見ると、一度見ていても慣れるまで驚かされる。
(……そろそろ街に帰るべきかな)
昼に食べた肉や野菜が消化され、丁度腹が空いてきた頃。
対グリフォンの仮想相手になりそうなヒポグリフの気配もないので、もう街に帰るべきかと思い始めたティール。
しかしとあるモンスターが三人に急接近。
「ぬっ!!!」
その存在に三人とも気付き、ラストは自分が狙われていると解ると即座に大剣を抜き……敵の攻撃から身を守る様に腹でガードしようとする。
しかし敵の攻撃が腹に炸裂した瞬間……腕力強化、切れ味強化の効果が付与された、それなりに上等な大剣があっさり砕かれた。
「なっ……ふざけるな!!!!」
咄嗟のことで、ラストは大剣に魔力を纏う時間がなかった。
とはいえ、そう簡単に砕かれる一品ではないのだが……ラストは自分為にティールが購入してくれた大剣を砕かれたという事実に対し、全くもって怒りを隠せていない。
ただ、その感情が大き過ぎるのは良くなというのは本人も理解しているので、地面を一発殴ると感情の噴火をなんとか鎮火させ、冷静さを保つことに成功。
(ナイス冷静さだ、ラスト。でもあの大剣を砕くって……それなりの火力と、壊れた形状見る限り……貫通力がないと無理だよな)
破壊された大剣の一部には穴があいたような傷があった。
ひとまずティールはいつもの様に、亜空間にしまっているブラッディ―タイガーの素材をもとにして造られた斬馬刀をラストに渡した。
「あれは……ニードファルコンよ!! くちばしによる攻撃には気を付けて!!!」
「分かりました!」
「分かった」
ラストに奇襲を行い、一撃で仕留められなかったから直ぐに逃走……なんてことはせずに、ニードファルコンは悠々と空を飛んでいた。
(おいおい、ここでBランクのモンスターがくるのか……体型はグリフォンに似てないけど、強敵と戦う感覚を思い出す相手としては充分か)
ティールたちが完全に戦闘態勢に入ると、ニードファルコンは三人が遠距離攻撃を放つタイミングでもう一度くちばしによる攻撃を行った。
「さっきより遅い!!!」
ティールは既に疾風瞬閃を抜いており、マリアを狙ったくちばし攻撃をガード。
先程ラストがやられた事実を活かし、きっちり刃に風の魔力を纏っている。
(鋭いだけじゃ、なくて、重いな!!!)
空中でマリアを狙う攻撃を受け止めたので、全く踏ん張りが効かない。
しかしくちばし攻撃の軌道を逸らすことには成功し……なんとか地面に着地して、ダメージを受けずにやりすごした。
「助かったわ、ティール君」
「あれぐらいは任せてください」
「頼もしいわね。でも、ニードファルコンの体を回転させた突貫には気を付けて」
「うっす!!」
おそらく体を回転させ、貫通力を上げた一撃。
それぐらいは脳内でイメージでき、その恐ろしさを実際に体験せずとも理解した。
(ラストに渡した大剣ならともかく、俺が持つ武器だと……ガードするのは難しそうだな)
厄介な攻撃に顔をしかめつつも、仕留めることを全く諦めていない。
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