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体験する前にやってしまった
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「クゥェェエエエエァァァアアアアッ!!!!」
ティールとラストを敵と認識したヒポグリフを吼えながら翼を扇いだ。
「鬱陶しい攻撃だな」
「うむ、そうだな」
ティールは装備中のオーバーサイズで弾き、ラストも大剣ではなく重さが比較的軽いロングソードでヒポグリフの翼から放たれた羽を弾いていく。
フェザーラッシュ。
翼を扇ぎ、多数の羽を飛ばす広範囲の攻撃。
羽の一つ一つはそこまで威力が高くはない。
ただ、防具を付けていない場所に当れば、当然刺さる。
掠っても血が流れる。
一定以上の防御力があれば当たっても少々痛い程度で済むが、そこまでの防御力がない冒険者にとっては、非常に厄介だと感じる遠距離攻撃。
(これだけ羽を飛ばしても、全く減ったように思えないんだよな……やっぱりこの攻撃、ズルいよな)
自分に向かって来る羽を全て弾き飛ばしながら、過去に思ったことはもう一度思う。
(多分、この攻撃に関しては何度でも行えるだろう……まぁ、こっちが複数人ならフェザーラッシュを行っている間に遠距離攻撃をぶっ放せばあっさり殺れると思うけど)
そんなことを考えている内に、二人は全ての羽を撃ち落とした。
「ッ……」
自慢のフェザーラッシュを避けずに対処して、全くダメージを食らっていない。
これはヒポグリフにとって少々予想外の結果だった。
どんな敵でも、避けられなければ多少のダメージを受けていた。
にもかかわらず、目の前の人間二人は無傷。
その事実が……ヒポグリフのプライドを傷つけた。
「ッ!!!!!」
「珍しい個体ということか。マスター、ブレスが来る!」
「マジか!?」
得意な風魔法による遠距離攻撃や、鋭い爪に魔力を纏っての爪撃などではなく、まさかのブレス。
超例外的存在という訳ではないが、二人の目先で飛んでいるヒポグリフは比較的珍しい個体だった。
「潰すぞ!」
「了解」
「キィィィイイエエアアアアア!!!!!」
ヒポグリフは風のブレスを放ち、二人はそれを迎撃。
ティールはオーバーサイズに風の魔力を纏い、豪快に一閃。
ラストは大剣を抜き、刃に火の魔力を纏い……ブレスを叩き潰すように炎刃を放った。
ブレスが来ると分かり、少々気合を入れて遠距離攻撃を放った。
そしてそれはラストも同じだった。
ブレスのスキルを持つものがドラゴン意外にも存在する。
それは知識として頭に入っていたが、それでもブレスといえばドラゴンが放つ強力な一撃というのがイメージとして強い。
なので……少々攻撃に力が入り過ぎた。
「ギバァッ!!!???」
炎刃と風切断はそのままブレスに抗うこともなく、ス―――っとブレスを切り裂きながら進み、ヒポグリフがそれをどうにかする前にぶつかった。
風のブレスの影響で少々威力は落ちているが、それでも二人がドラゴンのブレスを意識して放った遠距離攻撃。
ブレスを切り裂きながら頭部に直撃し、そのまま頭が爆散した。
「ッ!!!??? な……あれ?」
「ふ、む…………マスター、どうやら俺たちは少々やり過ぎたようだな」
「そ、そうかもしれない、な」
素材の状態などあまり気にする余裕がない程強い相手!!! とは思っておらず、そういった相手であれば基本的に売れる素材を無駄にしないようにと意識しながら戦う。
今回のヒポグリフ戦も、ある程度攻撃パターンを学んでから首を刎ねる……もしくは心臓を貫いて倒そうと考えていた二人。
「……派手に散ったな。まぁ、俺らがちょっとやり過ぎたから仕方ないか」
「そうだな。仕方ない」
結構強めに対処してしまった。
その自覚は二人に合った。
「とりあえず……何か貰うか」
ティールは頭部が爆散して死んだヒポグリフに手をあて、単語奪取を発動した。
「さてさて、何が手に入ったか……うっそ。マジでか」
確かに欲しいとは願っていた。
少しだが、その攻撃に憧れを感じていたのは否めない。
だが、そう簡単に手に入るとも思っていなかった。
ティールとラストを敵と認識したヒポグリフを吼えながら翼を扇いだ。
「鬱陶しい攻撃だな」
「うむ、そうだな」
ティールは装備中のオーバーサイズで弾き、ラストも大剣ではなく重さが比較的軽いロングソードでヒポグリフの翼から放たれた羽を弾いていく。
フェザーラッシュ。
翼を扇ぎ、多数の羽を飛ばす広範囲の攻撃。
羽の一つ一つはそこまで威力が高くはない。
ただ、防具を付けていない場所に当れば、当然刺さる。
掠っても血が流れる。
一定以上の防御力があれば当たっても少々痛い程度で済むが、そこまでの防御力がない冒険者にとっては、非常に厄介だと感じる遠距離攻撃。
(これだけ羽を飛ばしても、全く減ったように思えないんだよな……やっぱりこの攻撃、ズルいよな)
自分に向かって来る羽を全て弾き飛ばしながら、過去に思ったことはもう一度思う。
(多分、この攻撃に関しては何度でも行えるだろう……まぁ、こっちが複数人ならフェザーラッシュを行っている間に遠距離攻撃をぶっ放せばあっさり殺れると思うけど)
そんなことを考えている内に、二人は全ての羽を撃ち落とした。
「ッ……」
自慢のフェザーラッシュを避けずに対処して、全くダメージを食らっていない。
これはヒポグリフにとって少々予想外の結果だった。
どんな敵でも、避けられなければ多少のダメージを受けていた。
にもかかわらず、目の前の人間二人は無傷。
その事実が……ヒポグリフのプライドを傷つけた。
「ッ!!!!!」
「珍しい個体ということか。マスター、ブレスが来る!」
「マジか!?」
得意な風魔法による遠距離攻撃や、鋭い爪に魔力を纏っての爪撃などではなく、まさかのブレス。
超例外的存在という訳ではないが、二人の目先で飛んでいるヒポグリフは比較的珍しい個体だった。
「潰すぞ!」
「了解」
「キィィィイイエエアアアアア!!!!!」
ヒポグリフは風のブレスを放ち、二人はそれを迎撃。
ティールはオーバーサイズに風の魔力を纏い、豪快に一閃。
ラストは大剣を抜き、刃に火の魔力を纏い……ブレスを叩き潰すように炎刃を放った。
ブレスが来ると分かり、少々気合を入れて遠距離攻撃を放った。
そしてそれはラストも同じだった。
ブレスのスキルを持つものがドラゴン意外にも存在する。
それは知識として頭に入っていたが、それでもブレスといえばドラゴンが放つ強力な一撃というのがイメージとして強い。
なので……少々攻撃に力が入り過ぎた。
「ギバァッ!!!???」
炎刃と風切断はそのままブレスに抗うこともなく、ス―――っとブレスを切り裂きながら進み、ヒポグリフがそれをどうにかする前にぶつかった。
風のブレスの影響で少々威力は落ちているが、それでも二人がドラゴンのブレスを意識して放った遠距離攻撃。
ブレスを切り裂きながら頭部に直撃し、そのまま頭が爆散した。
「ッ!!!??? な……あれ?」
「ふ、む…………マスター、どうやら俺たちは少々やり過ぎたようだな」
「そ、そうかもしれない、な」
素材の状態などあまり気にする余裕がない程強い相手!!! とは思っておらず、そういった相手であれば基本的に売れる素材を無駄にしないようにと意識しながら戦う。
今回のヒポグリフ戦も、ある程度攻撃パターンを学んでから首を刎ねる……もしくは心臓を貫いて倒そうと考えていた二人。
「……派手に散ったな。まぁ、俺らがちょっとやり過ぎたから仕方ないか」
「そうだな。仕方ない」
結構強めに対処してしまった。
その自覚は二人に合った。
「とりあえず……何か貰うか」
ティールは頭部が爆散して死んだヒポグリフに手をあて、単語奪取を発動した。
「さてさて、何が手に入ったか……うっそ。マジでか」
確かに欲しいとは願っていた。
少しだが、その攻撃に憧れを感じていたのは否めない。
だが、そう簡単に手に入るとも思っていなかった。
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