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怖い大人には既に会っている
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「ッ、マスター。人間の悲鳴が聞こえた」
「えっ、マジで?」
現在、二人は道中で森の中に偶々オーガの影を見つけ、その影を追い……体が鈍らないように実戦相手として、思う存分が戦い続けた。
そしてようやく倒し終わり、解体に移ろうと思った段階で、人の……しかも年齢が幼い悲鳴が耳に入った。
(見捨てるわけにはいかないしな……しゃあないな)
なんだか冒険者になってから人を助ける機会が多いなと思いながらも、助けられる命があるなら助けようと思い、ラストと一緒に猛ダッシュ。
すると二十秒程度で悲鳴が聞こえた位置に到着。
「あっ? なんだガキ共……こいつらの仲間か?」
「いや、別に仲間って訳じゃないけど、悲鳴が聞こえたんで」
二人の目の前には七人の冒険者に囲まれている三人の冒険者がいた。
三人の冒険者はティールよりかは年齢が上に見えるが、それでも大して変わらないぐらいの容姿。
一人の女の子を男の子二人が守ろうとしているが、人数も実力も心伴い状態だった。
「ほぅ、無駄な正義を振りかざしに来たわけだ」
「そっちのガキはあれだが、こっちの竜人族は高く売れそうだな」
「そっちのガキも売れば多少なりとも金になんだろ」
盗賊たちは既に二人の品定めに移っていた。
ただ、そんな盗賊たちの言葉は……ティールの奴隷であるラストにとっては怒髪天を突く侮辱。
「はい、ストップ」
「…………すまない」
「分かれば良い。後ろの奴らまでビビらす必要はないから」
一瞬で周囲の生物関係無しに埋め尽くされるであろう殺気が放たれるところだったが、それをティールが察知して寸でのところで止めた。
「なんだ、やらねぇのか? ビビってんのか? まぁ、こっちはお前らも逃がすつもりはねぇけどな」
「別にビビッてはないよ。あんたらよりよっぽど怖い大人には既に会ってるんでね」
その言葉を皮切りに、二人が動き出す。
勿論、盗賊たちは完全に自分たちに圧されてビビってる三人よりも、自分たちと向き合っても一切怯んでいない二人に意識を集中させていた。
なので……二人の動きに反応は出来た。
しかし二人の初撃で、二人が死んだ。
(サクッと放ったファイヤーボールをギリ弾くか。ファイヤーランスにしておけば良かったか)
何はともあれ、一気に数を七から後に減らしたという事実は変わらない。
これで数だけでいえばまさに五分五分の状態。
だが、少々形勢が変わったからといって、残り三人の闘志が一気に盛り返すとは思っていない。
相変わらず二対多数という意識で戦う。
「殺せッ!!!!!!」
リーダー格の男が叫んだ。
自分たちはほぼ何も出来ずに、仲間二人を殺された。
身内の中で力の差はそこまでない。
その為、自分たちも二人との戦闘で殺される可能性は充分にある。
生け捕りにして違法的な奴隷として売ろう、なんて利益を選んでる暇はない。
そういった状況判断だけは一流な盗賊たちだったが、実力が追い付いていなければ二人の進撃は止められない。
「温い」
例え盗賊がギリギリで反応し、武器を盾にして抵抗しようとしても、ラストはそのまま力づくで引き裂く。
「ほい、次」
ティールは盗賊たちの意識が後ろの三人に移らないように、身体強化を使ってギアを上げ、盗賊たちが完全に反応出来ない速度で動き、首を刎ねていった。
「終わりだ」
最後はラストが今までと同じく、盗賊の武器ごと斬り裂いて終わらせた。
「弱かったな、こいつら」
「先程戦っていたオーガと比べれば、そう感じるのものだ」
「そりゃそうだな……お前ら、怪我はないか?」
「あ、うん。大丈夫だよ。助けてくれて、ありがとう」
金髪の三人の中でも幼さが強く残っている少年がお礼の言葉を口にし、残り二人も続いて二人の頭を下げて感謝の意を述べた。
「マスター、俺はこいつらのアジトを潰してくる」
「え? ……別に構わないけど、場所は分かるのか?」
「獣人族程ではないが、鼻に自信はある。直ぐ戻ってくる」
「……分かった。なるべく早くな」
三人にとっては信じられない会話が行われ、ラストは全力で殺した男たちが個々に来るまで通った道を探り、アジトまで迷わず到達した。
「えっ、マジで?」
現在、二人は道中で森の中に偶々オーガの影を見つけ、その影を追い……体が鈍らないように実戦相手として、思う存分が戦い続けた。
そしてようやく倒し終わり、解体に移ろうと思った段階で、人の……しかも年齢が幼い悲鳴が耳に入った。
(見捨てるわけにはいかないしな……しゃあないな)
なんだか冒険者になってから人を助ける機会が多いなと思いながらも、助けられる命があるなら助けようと思い、ラストと一緒に猛ダッシュ。
すると二十秒程度で悲鳴が聞こえた位置に到着。
「あっ? なんだガキ共……こいつらの仲間か?」
「いや、別に仲間って訳じゃないけど、悲鳴が聞こえたんで」
二人の目の前には七人の冒険者に囲まれている三人の冒険者がいた。
三人の冒険者はティールよりかは年齢が上に見えるが、それでも大して変わらないぐらいの容姿。
一人の女の子を男の子二人が守ろうとしているが、人数も実力も心伴い状態だった。
「ほぅ、無駄な正義を振りかざしに来たわけだ」
「そっちのガキはあれだが、こっちの竜人族は高く売れそうだな」
「そっちのガキも売れば多少なりとも金になんだろ」
盗賊たちは既に二人の品定めに移っていた。
ただ、そんな盗賊たちの言葉は……ティールの奴隷であるラストにとっては怒髪天を突く侮辱。
「はい、ストップ」
「…………すまない」
「分かれば良い。後ろの奴らまでビビらす必要はないから」
一瞬で周囲の生物関係無しに埋め尽くされるであろう殺気が放たれるところだったが、それをティールが察知して寸でのところで止めた。
「なんだ、やらねぇのか? ビビってんのか? まぁ、こっちはお前らも逃がすつもりはねぇけどな」
「別にビビッてはないよ。あんたらよりよっぽど怖い大人には既に会ってるんでね」
その言葉を皮切りに、二人が動き出す。
勿論、盗賊たちは完全に自分たちに圧されてビビってる三人よりも、自分たちと向き合っても一切怯んでいない二人に意識を集中させていた。
なので……二人の動きに反応は出来た。
しかし二人の初撃で、二人が死んだ。
(サクッと放ったファイヤーボールをギリ弾くか。ファイヤーランスにしておけば良かったか)
何はともあれ、一気に数を七から後に減らしたという事実は変わらない。
これで数だけでいえばまさに五分五分の状態。
だが、少々形勢が変わったからといって、残り三人の闘志が一気に盛り返すとは思っていない。
相変わらず二対多数という意識で戦う。
「殺せッ!!!!!!」
リーダー格の男が叫んだ。
自分たちはほぼ何も出来ずに、仲間二人を殺された。
身内の中で力の差はそこまでない。
その為、自分たちも二人との戦闘で殺される可能性は充分にある。
生け捕りにして違法的な奴隷として売ろう、なんて利益を選んでる暇はない。
そういった状況判断だけは一流な盗賊たちだったが、実力が追い付いていなければ二人の進撃は止められない。
「温い」
例え盗賊がギリギリで反応し、武器を盾にして抵抗しようとしても、ラストはそのまま力づくで引き裂く。
「ほい、次」
ティールは盗賊たちの意識が後ろの三人に移らないように、身体強化を使ってギアを上げ、盗賊たちが完全に反応出来ない速度で動き、首を刎ねていった。
「終わりだ」
最後はラストが今までと同じく、盗賊の武器ごと斬り裂いて終わらせた。
「弱かったな、こいつら」
「先程戦っていたオーガと比べれば、そう感じるのものだ」
「そりゃそうだな……お前ら、怪我はないか?」
「あ、うん。大丈夫だよ。助けてくれて、ありがとう」
金髪の三人の中でも幼さが強く残っている少年がお礼の言葉を口にし、残り二人も続いて二人の頭を下げて感謝の意を述べた。
「マスター、俺はこいつらのアジトを潰してくる」
「え? ……別に構わないけど、場所は分かるのか?」
「獣人族程ではないが、鼻に自信はある。直ぐ戻ってくる」
「……分かった。なるべく早くな」
三人にとっては信じられない会話が行われ、ラストは全力で殺した男たちが個々に来るまで通った道を探り、アジトまで迷わず到達した。
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