291 / 726
あの四人の目的は?
しおりを挟む
「まだ探索を続けるの?」
「そうですね。なんか……あいつらは何かを探してるように思えたんで」
少しの間休息時間を挟み、死体を一応回収したティールは探索を続けようと考えていた。
「ラスト、体力的に問題無いか?」
「あぁ、いつも通りに動けるぐらいには回復した」
強がりや虚勢ではなく、今からCランクやBランクのモンスターが襲ってきても、バチバチに戦えるぐらいには回復している。
寧ろ、先程の戦いで感覚が研ぎ澄まされており、今まで戦ってきた強者並みの力を持つ相手だとしても、余裕を持って勝てる……気がした。
「……何か探し物をしたいってことだろ。なら、俺らも手伝うぜ」
「良いんですか?」
「おう、勿論だ。この前ヴァンパイアから助けてくれた礼ってところだ」
ティーラスの提案は有難かった。
そしてティーラス以外のメンバーはどう思っているのかと……他のメンバーの顔を見ると、反対する者は一人もいなかった。
(ニーナさんたちが手伝ってくれるのは嬉しいな……あっ、やべ)
ニーナたちが手伝ってくれると解り、気持ちが緩んでいたところで……重要なことを一つ思い出した。
「皆、少しの間あいつらが探してたであろう物の探索に付き合ってもらっても良いか」
現在、ティールたちはボルガたち四人の護衛として活動中。
見るからに暗殺者であった四人に襲われ、見事撃退したまでは良かった。
だが、そういった場面に遭遇した場合、安全面を考えて直ぐに街に戻るのが賢明なのだが……ティールとしてはあの四人が探していたであろう物を、先に回収しておきたい。
「なんだ、そんなことか。勿論付き合うぜ!」
「断ると思ったのかい?」
「ボルガの言う通り、勿論付き合いますよ」
「私も、付き合います!」
四人としては、少しでも二人に恩を返したいという思いがあった。
ティールとラストは護衛依頼を受けた冒険者なので、先程襲い掛かってきた四人の暗殺者からボルガたちを守るのは当然のこと。
プロとして当たり前だが、四人は自分たちが今回の探索でモンスター以外から襲われるとは一ミリも考えていなかった。
二人からすれば当然の仕事と認識していても、ボルガたちからすればどう考えても特別手当を出さなければならない案件。
という訳なので、現在少しでも二人の力になりたいという思いが溢れ出ている。
「ありがと」
護衛対象である四人の了承を得られたので、早速周囲に何か怪しい物はないか捜索を開始。
相変わらず道中ではモンスターが襲ってくるが、Cランクの冒険者が五人と、そんな五人よりもランクは低いが、実力は上の二人がいるのでボルガたちが怪我を負うことは一切ない。
(……そう簡単には見つからないか。いや、そもそもあの四人が何かを探してるってのは俺の勘違いか? もしかして……誰かから依頼されて、ボルガたちを殺そうとしてた?)
貴族の令息や令嬢の暗殺が、裏の人間に依頼されることは決して珍しくない。
だが……ボルガたちの親の爵位は決して高くなく、他の権力者から狙われる様なことを裏でしている……なんてこともなく、狙われる理由が全くない。
(まぁ、それならそれで無事に四人を守れたから良かったって話なんだけど……でも、本当に四人が標的なら、もっと戦い方があったよな)
鎌男たちは自分たちの姿を見た者たちを、全員殺す気でいった。
男達が所属している組織が、見た者は全員殺す方針を取っているのか……それとも、自分たちが何を目的に行動してるのがバレると不味いのか…………四人の考えを聞き出す前に殺してしまったティールには、もう調べる手段がない。
やってしまったな~~と思いながらも探索していると、ティールは気になる壁を発見した。
(……奥に風が流れてる? …………音が他と違うな)
壁をノックしてみると、他とは違った音が鳴り、中に空間があるのを確認。
ティールは少し申し訳ないと思いながら、その壁を風の魔力で切り裂こう……と思った瞬間、小さな穴を発見した。
「そうですね。なんか……あいつらは何かを探してるように思えたんで」
少しの間休息時間を挟み、死体を一応回収したティールは探索を続けようと考えていた。
「ラスト、体力的に問題無いか?」
「あぁ、いつも通りに動けるぐらいには回復した」
強がりや虚勢ではなく、今からCランクやBランクのモンスターが襲ってきても、バチバチに戦えるぐらいには回復している。
寧ろ、先程の戦いで感覚が研ぎ澄まされており、今まで戦ってきた強者並みの力を持つ相手だとしても、余裕を持って勝てる……気がした。
「……何か探し物をしたいってことだろ。なら、俺らも手伝うぜ」
「良いんですか?」
「おう、勿論だ。この前ヴァンパイアから助けてくれた礼ってところだ」
ティーラスの提案は有難かった。
そしてティーラス以外のメンバーはどう思っているのかと……他のメンバーの顔を見ると、反対する者は一人もいなかった。
(ニーナさんたちが手伝ってくれるのは嬉しいな……あっ、やべ)
ニーナたちが手伝ってくれると解り、気持ちが緩んでいたところで……重要なことを一つ思い出した。
「皆、少しの間あいつらが探してたであろう物の探索に付き合ってもらっても良いか」
現在、ティールたちはボルガたち四人の護衛として活動中。
見るからに暗殺者であった四人に襲われ、見事撃退したまでは良かった。
だが、そういった場面に遭遇した場合、安全面を考えて直ぐに街に戻るのが賢明なのだが……ティールとしてはあの四人が探していたであろう物を、先に回収しておきたい。
「なんだ、そんなことか。勿論付き合うぜ!」
「断ると思ったのかい?」
「ボルガの言う通り、勿論付き合いますよ」
「私も、付き合います!」
四人としては、少しでも二人に恩を返したいという思いがあった。
ティールとラストは護衛依頼を受けた冒険者なので、先程襲い掛かってきた四人の暗殺者からボルガたちを守るのは当然のこと。
プロとして当たり前だが、四人は自分たちが今回の探索でモンスター以外から襲われるとは一ミリも考えていなかった。
二人からすれば当然の仕事と認識していても、ボルガたちからすればどう考えても特別手当を出さなければならない案件。
という訳なので、現在少しでも二人の力になりたいという思いが溢れ出ている。
「ありがと」
護衛対象である四人の了承を得られたので、早速周囲に何か怪しい物はないか捜索を開始。
相変わらず道中ではモンスターが襲ってくるが、Cランクの冒険者が五人と、そんな五人よりもランクは低いが、実力は上の二人がいるのでボルガたちが怪我を負うことは一切ない。
(……そう簡単には見つからないか。いや、そもそもあの四人が何かを探してるってのは俺の勘違いか? もしかして……誰かから依頼されて、ボルガたちを殺そうとしてた?)
貴族の令息や令嬢の暗殺が、裏の人間に依頼されることは決して珍しくない。
だが……ボルガたちの親の爵位は決して高くなく、他の権力者から狙われる様なことを裏でしている……なんてこともなく、狙われる理由が全くない。
(まぁ、それならそれで無事に四人を守れたから良かったって話なんだけど……でも、本当に四人が標的なら、もっと戦い方があったよな)
鎌男たちは自分たちの姿を見た者たちを、全員殺す気でいった。
男達が所属している組織が、見た者は全員殺す方針を取っているのか……それとも、自分たちが何を目的に行動してるのがバレると不味いのか…………四人の考えを聞き出す前に殺してしまったティールには、もう調べる手段がない。
やってしまったな~~と思いながらも探索していると、ティールは気になる壁を発見した。
(……奥に風が流れてる? …………音が他と違うな)
壁をノックしてみると、他とは違った音が鳴り、中に空間があるのを確認。
ティールは少し申し訳ないと思いながら、その壁を風の魔力で切り裂こう……と思った瞬間、小さな穴を発見した。
42
お気に入りに追加
1,802
あなたにおすすめの小説

生臭坊主の異世界転生 死霊術師はスローライフを送れない
しめさば
ファンタジー
急遽異世界へと転生することになった九条颯馬(30)
小さな村に厄介になるも、生活の為に冒険者に。
ギルドに騙され、与えられたのは最低ランクのカッパープレート。
それに挫けることなく日々の雑務をこなしながらも、不慣れな異世界生活を送っていた。
そんな九条を優しく癒してくれるのは、ギルドの担当職員であるミア(10)と、森で助けた狐のカガリ(モフモフ)。
とは言えそんな日常も長くは続かず、ある日を境に九条は人生の転機を迎えることとなる。
ダンジョンで手に入れた魔法書。村を襲う盗賊団に、新たなる出会い。そして見直された九条の評価。
冒険者ギルドの最高ランクであるプラチナを手にし、目標であるスローライフに一歩前進したかのようにも見えたのだが、現実はそう甘くない。
今度はそれを利用しようと擦り寄って来る者達の手により、日常は非日常へと変化していく……。
「俺は田舎でモフモフに囲まれ、ミアと一緒にのんびり暮らしていたいんだ!!」
降りかかる火の粉は魔獣達と死霊術でズバッと解決!
面倒臭がりの生臭坊主は死霊術師として成り上がり、残念ながらスローライフは送れない。
これは、いずれ魔王と呼ばれる男と、勇者の少女の物語である。

『完結済』ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて
ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記
大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。
それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。
生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、
まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。
しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。
無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。
これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?
依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、
いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。
誰かこの悪循環、何とかして!
まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて

異世界召喚失敗から始まるぶらり旅〜自由気ままにしてたら大変なことになった〜
ei_sainome
ファンタジー
クラスメイト全員が異世界に召喚されてしまった!
謁見の間に通され、王様たちから我が国を救って欲しい云々言われるお約束が…始まらない。
教室内が光ったと思えば、気づけば地下に閉じ込められていて、そこには誰もいなかった。
勝手に召喚されたあげく、誰も事情を知らない。未知の世界で、自分たちの力だけでどうやって生きていけというのか。
元の世界に帰るための方法を探し求めて各地を放浪する旅に出るが、似たように見えて全く異なる生態や人の価値観と文化の差に苦悩する。
力を持っていても順応できるかは話が別だった。
クラスメイトたちにはそれぞれ抱える内面や事情もあり…新たな世界で心身共に表面化していく。
※ご注意※
初投稿、試作、マイペース進行となります。
作品名は今後改題する可能性があります。
世界観だけプロットがあり、話の方向性はその場で決まります。
旅に出るまで(序章)がすごく長いです。
他サイトでも同作を投稿しています。
更新頻度は1〜3日程度を目標にしています。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~
はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。
俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。
ある日の昼休み……高校で事は起こった。
俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。
しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。
……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる