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厳しい条件がある

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「やっぱり、ティール君は高ランクの冒険者にいずれはなりたいと思ってるのかい?」

「そうだな……うん、いずれはなりたいと思ってる。今すぐとは思ってないけど」

男子会という名目で集まったレストランはそれなりのお値段がするが、そういった店に来慣れているボルガとディックスは全く緊張していない。

ラストも郷に入っては郷に従えという精神なので、店の雰囲気に圧されずばんばん料理を注文している。

「今の生活で満足しているから……欲しいものはランクとかお金よりも、冒険者らしい刺激? ってところだな」

「なら、ブラッディ―タイガーやスカーレットリザードマンに遭遇できたのは良い刺激だってことか」

「えっ? いや、ん~~~~~……刺激と言えば刺激になる、のか?」

ティールとしてはあまり認めたくはないが、全体的に考えれば高ランクのモンスターと遭遇したというのは冒険者にとって刺激……人生のスパイスと言える。

「俺はヴァンパイアやリザードマンジェネラルと遭遇できたことは、個人的に良い刺激だと思っている」

「はは、ラストらしいな。まぁ、強敵と遭遇するのは刺激かもしれないけど……俺としては、将来的にダンジョンに潜りたい。そしてゲットした宝箱をワクワクしながら開ける……それが冒険者にとって一番良い刺激だと思うんだよ」

「なるほど、ダンジョンで手に入る宝箱か……確かにそれを開ける時は、結構ワクワクするだろうね」

ディックスはまだどういった道に進むか迷っているが、ティールの気持ちは凄い解る。
それはボルガも同じだった。

「ダンジョンか……そうなると、もう一人ぐらいパーティーメンバーを増やした方が良いんじゃないか? いや、二人が超強いのは分かってるんだけどさ」

「……まぁ、いずれはって考えてはいるかな」

なんだかんだで、ティールはラストという超魅力的な竜人族のナイスガイをパーティーに加えた。
だが、冒険者パーティーの人数としては、やはり少ない。

一つの街を拠点にしている冒険者であれば、二人でもソロでもそこまで問題ではない。
しかしティールの目的は様々な場所で冒険者として活動し、いずれは高ランクの冒険者になること。

ダンジョンを探索するにしても、ボルガのパーティー人数が少ないという指摘は間違っていない。

「俺は攻撃魔法も使えるけど、どちらかといえば前に出てガッツリ敵に攻撃するタイプだし……ラストも同じだから、後ろからサポートしてくれる人が有難いかな」

「……そうだな。俺もマスターの考えと同じだ」

ラストとしても、仲良く出来れば新たに加入する者が前衛タイプでも問題無いと思っている。

やられるまえにやれ。
殴る前に殴れと考える冒険者は決して少なくない。

そして、それを信条に活動している冒険者パーティーも存在する。

「まっ、それはおいおいかな。まだラストとパーティーを組んだばかりだし……先の話だな」

ティールにとっては、自分のギフトについて心置きなく話せる存在。
強さも重要だが、そこが一番重要な加入条件。

二人の強さに付いて来られるといった点などを考えれば、中々難しい。
なので、ティールもそう簡単に見つかるとは思っていない。

「それじゃ、行くぞ」

普段よりちょっと高級な夕食を食べ終えた後、夜はまだまだこれからだと言わんばかりの表情で二人の方を見た。

「えっと……何処に行くんだ?」

夕食を食べた後、何処かに行くという話は聞いており、了承している。
ただ、行く場所が何処なのかは聞いていないので、ボルガは少し緊張していた。

「楽しい場所だ」

そう言いながらティールは意気揚々と目的の場所に向かって走り出す。

「何かあっても俺たちがいる。そう考えれば問題無いだろ」

「……は、はは。それもそうだな」

二人の強さを今一度思い出した二人の心から不安という感情が無くなり、自然と足取りが軽くなった。
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