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正直……痛いよな
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シープジャッカルの次の遭遇したモンスターはゴーレムよりも更に堅い体を持つメタルゴーレム。
(一体だけなのが幸いだな)
ティールの個人的な感覚だと、シープジャッカルの群れよりもメタルゴーレムの方が厄介と感じる。
そんなモンスターが複数現れれば、ほんの少しの間だけかもしれないが、四人から意識を完全に離す。
「マスター、俺が相手をする。マスターは四人の護衛を」
「分かった。頼んだぞ」
頼まれたラストは身体強化と腕力強化のスキルを使用し、体に魔力を纏いながら突撃。
「てぃ、ティール! 二人で戦わなくても大丈夫なのか!? メタルゴーレムって並の攻撃じゃ全くダメージが入らないんだぞ」
「ボルガの言う通りよティール! 少しの間ぐらいなら私たちも自分の身はなんとかするから、ラストに手を貸した方が良いわよ!」
「二人とも心配性だな。ラストの身を心配してくれるのは嬉しいけど、Cランクのモンスター相手ならラストがパワー負けすることは殆どない」
戦ってる様子を見ろとティールに促され、ボルガとソニアは恐る恐るラストがメタルゴーレムと戦っている光景に目を向けると……ラストがメタルゴーレムの攻撃を全て躱しながらしっかりとダメージを与えていた。
「……普通、素手で戦うか?」
「ん~~~……拳に魔力を纏ってるから、メタルゴーレムを直接殴ってもそんなに拳は痛くないんじゃないか?」
「マジかよ」
魔力を武器や体に纏うといった技術であれば、ボルガにも出来る。
自身の拳に魔力を纏わせ、自分でもいけるかもしれないと……一瞬だけ思った。
だが、直ぐにそんな思い上がった考えは頭を横に振って掻き消した。
(無理無理無理!!! 絶対に痛ってぇーーだろ!!! いや、でもラストほど強ければ痛くない、のか?)
実際にメタルゴーレムと殴り合っているラストはどうなっているのかというと……若干拳が痛いと思い始めていた。
ラストの拳は確かに堅い。
身体強化を使い、拳に魔力を纏うことで硬さが更に増しているが、それでもCランク帯ではトップクラスの防御力を誇るメタルゴーレムの体を拳で殴るのは少々痛い。
だが、それでもなるべくサクッと……そして素材を大切にしながら倒すにはこれがベストだと判断した。
ラストはメタルゴーレムの体のほぼ一点を狙って攻撃し続け、攻撃されているメタルゴーレムはあまり考える頭がなく、ラストが何を狙って攻撃しているのか全く解っていない。
故に体のどの箇所が徐々に削れているのか分からず……弱点をさらけ出す形となった。
「ふんッ!!!!」
直感的にこの部分に魔石があると思い、ひたすらメタルゴーレムの攻撃を躱しながら攻撃を加え続けた結果……メタルゴーレムは魔石をさらけ出していた。
そして魔石が見えた瞬間にラストは全力の貫手を放ち、メタルゴーレムの魔石を抜き取った。
「…………」
先程までラストに狙いを定めて元気に拳を振り回し続けていたメタルゴーレムは活動停止し、戦いは一分ほどで決着が着いた。
「マスター、魔石です」
「お、おう。ありがとな。ただ……ラスト、拳は大丈夫か?」
「……少し痛みますが、特に問題はありません」
実際には素で丸出しでは殴っていない。
だが、それでも衝撃は拳に響いてくるので、もう少しやり方があったのではと後悔している。
「後々問題になるかもしれないだろ」
そう言いながらティールは亜空間の中からポーションを取り出し、ラストの両手に振りかけた。
「勿体ないですよ、マスター」
「バカ言うな。俺がポーションを造れるのは知ってるだろ。こういうのは使える時に使っておかないと、それこそ勿体ない」
四人は事前にティールからポーションを自作出来ると聞いていたので、驚きのあまり声が遺跡内に響き渡る……なんてことは起こらなかった。
(一体だけなのが幸いだな)
ティールの個人的な感覚だと、シープジャッカルの群れよりもメタルゴーレムの方が厄介と感じる。
そんなモンスターが複数現れれば、ほんの少しの間だけかもしれないが、四人から意識を完全に離す。
「マスター、俺が相手をする。マスターは四人の護衛を」
「分かった。頼んだぞ」
頼まれたラストは身体強化と腕力強化のスキルを使用し、体に魔力を纏いながら突撃。
「てぃ、ティール! 二人で戦わなくても大丈夫なのか!? メタルゴーレムって並の攻撃じゃ全くダメージが入らないんだぞ」
「ボルガの言う通りよティール! 少しの間ぐらいなら私たちも自分の身はなんとかするから、ラストに手を貸した方が良いわよ!」
「二人とも心配性だな。ラストの身を心配してくれるのは嬉しいけど、Cランクのモンスター相手ならラストがパワー負けすることは殆どない」
戦ってる様子を見ろとティールに促され、ボルガとソニアは恐る恐るラストがメタルゴーレムと戦っている光景に目を向けると……ラストがメタルゴーレムの攻撃を全て躱しながらしっかりとダメージを与えていた。
「……普通、素手で戦うか?」
「ん~~~……拳に魔力を纏ってるから、メタルゴーレムを直接殴ってもそんなに拳は痛くないんじゃないか?」
「マジかよ」
魔力を武器や体に纏うといった技術であれば、ボルガにも出来る。
自身の拳に魔力を纏わせ、自分でもいけるかもしれないと……一瞬だけ思った。
だが、直ぐにそんな思い上がった考えは頭を横に振って掻き消した。
(無理無理無理!!! 絶対に痛ってぇーーだろ!!! いや、でもラストほど強ければ痛くない、のか?)
実際にメタルゴーレムと殴り合っているラストはどうなっているのかというと……若干拳が痛いと思い始めていた。
ラストの拳は確かに堅い。
身体強化を使い、拳に魔力を纏うことで硬さが更に増しているが、それでもCランク帯ではトップクラスの防御力を誇るメタルゴーレムの体を拳で殴るのは少々痛い。
だが、それでもなるべくサクッと……そして素材を大切にしながら倒すにはこれがベストだと判断した。
ラストはメタルゴーレムの体のほぼ一点を狙って攻撃し続け、攻撃されているメタルゴーレムはあまり考える頭がなく、ラストが何を狙って攻撃しているのか全く解っていない。
故に体のどの箇所が徐々に削れているのか分からず……弱点をさらけ出す形となった。
「ふんッ!!!!」
直感的にこの部分に魔石があると思い、ひたすらメタルゴーレムの攻撃を躱しながら攻撃を加え続けた結果……メタルゴーレムは魔石をさらけ出していた。
そして魔石が見えた瞬間にラストは全力の貫手を放ち、メタルゴーレムの魔石を抜き取った。
「…………」
先程までラストに狙いを定めて元気に拳を振り回し続けていたメタルゴーレムは活動停止し、戦いは一分ほどで決着が着いた。
「マスター、魔石です」
「お、おう。ありがとな。ただ……ラスト、拳は大丈夫か?」
「……少し痛みますが、特に問題はありません」
実際には素で丸出しでは殴っていない。
だが、それでも衝撃は拳に響いてくるので、もう少しやり方があったのではと後悔している。
「後々問題になるかもしれないだろ」
そう言いながらティールは亜空間の中からポーションを取り出し、ラストの両手に振りかけた。
「勿体ないですよ、マスター」
「バカ言うな。俺がポーションを造れるのは知ってるだろ。こういうのは使える時に使っておかないと、それこそ勿体ない」
四人は事前にティールからポーションを自作出来ると聞いていたので、驚きのあまり声が遺跡内に響き渡る……なんてことは起こらなかった。
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