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速さだけでも勝てない
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「本当にあっさり倒すよな。今のって、シープジャッカルだろ」
「……みたいだな」
シープジャッカルの群れを倒し終えたティールは速攻で解体を始めていた。
勿論、見張りはラストが行っているので急にモンスターが襲ってきても対処出来る。
「群れだとCランクぐらいの力があるって先生から教わったんだけど、二人の前じゃDランクもCランクも大して変わらないって感じだな」
「まぁ、DランクでもCランクでも、よっぽど数が多く無かったら倒せると思うよ」
自慢ではないが、自分たちがそれなりに強いと自覚している。
なので、数が百や二百を越えている場合を除けば絶対に勝てるという自信がある。
「簡単に言ってくれるなぁ~~。ラストも、あんまり強いとは感じてないよな」
「そうだな。すばしっこいという印象を持ったが、それでも体が追い付かない速さはない。であれば、倒すのに苦労することはない」
「ラストの言う通りだな。自分よりも動きが遅い相手であれば、大体どうとでもなる……と、思う」
断定は出来ないが、自分より移動速度が遅ければ勝てる。
全体的にバランスの取れたステータスを持っているティールだが、その中でも自身があるのは脚の速さと肩の強さ。
ただ動きが速いだけでは倒せない敵もいるが、ティールには敵を倒すだけの攻撃力がある。
「……でも、脚が速い。動きが速いだけでは倒せない敵もいるよね」
「それはそうだろうな。一見硬そうな体をしていない相手でも、予想外の防御力を持つモンスターはいる。同じく戦う対象が人であっても、予想外のスキル……ギフトを持っているかもしれない。それを考えれば、ある程度強い攻撃手段もないとな」
獣系のモンスターはランクが上がれば毛皮や毛が見た目よりも堅い。
平均的な冒険者が少し前にティールが戦ったブラッディ―タイガーを斬撃系の武器で斬ろうとしても、血が出ることはない。
薄い切り傷すらつかない……なんてことも十分にあり得る。
「敵よりも速い動きに、どんな相手にも通用する攻撃……改めて二人ともちょっとおかしいわね」
「……普通ではないのはある程度自覚してる。でも、そういう奴らはソニアたちの周りにもいるんだろ。だから、貴族の子供だけじゃなくて、冒険者にもそういった奴がいても不思議ではないだろ」
「それはそうなんだけど……でも、私の個人的な意見なんだけど、才能に溢れて努力をしてる貴族の子供でも、ティールぐらいの年齢の子がスカーレットリザードマンに一人で勝てるとは思えないのよ」
「あぁ~~……あの戦いは、どうだろうな。俺は相棒っていうか、本当に強い敵としか使わない武器を使ってなかったら、スカーレットリザードマンに勝てなかったと思ってる。それに、そんな武器を使っても俺の動きが……反応がワンテンポ遅れてたら、体が綺麗に斬り裂かれてた。つまり、紙一重の差で殺されてたかもしれない」
真剣な表情で語るティールだが、やはり四人はその光景が簡単に想像できない。
「あの戦いは武器の性能……に、頼った場面はあった。でも、そもそもその武器がなければ対等に戦えたかどうか……そんな感じの戦いだ」
さすがのティールも、体を真っ二つに斬り裂かれては復活するのは難しい。
「それに、才能は置いといて努力だけなら俺もずっと磨いてきた。先日行ったと思うが、どれだけ強くなることに身を置いてきたのか。それは強くなるうえで結構重要だと思うぞ。貴族の子供なら、戦闘以外にも色々と覚えることが多いだろう」
だから自分はその怪物生徒より強いのかもしれないな。
自身の強さを再度説明し終え、あっという間にシープジャッカルの解体が終わって再び四人の遺跡調査を開始。
「こういう相手は……うん、ちょっと面倒だな」
遺跡の中ではそれなりの頻度でモンスターと遭遇する。
それは既に解っていたティールだが、遭遇してしまったモンスターを見て少し愚痴をこぼした。
「……みたいだな」
シープジャッカルの群れを倒し終えたティールは速攻で解体を始めていた。
勿論、見張りはラストが行っているので急にモンスターが襲ってきても対処出来る。
「群れだとCランクぐらいの力があるって先生から教わったんだけど、二人の前じゃDランクもCランクも大して変わらないって感じだな」
「まぁ、DランクでもCランクでも、よっぽど数が多く無かったら倒せると思うよ」
自慢ではないが、自分たちがそれなりに強いと自覚している。
なので、数が百や二百を越えている場合を除けば絶対に勝てるという自信がある。
「簡単に言ってくれるなぁ~~。ラストも、あんまり強いとは感じてないよな」
「そうだな。すばしっこいという印象を持ったが、それでも体が追い付かない速さはない。であれば、倒すのに苦労することはない」
「ラストの言う通りだな。自分よりも動きが遅い相手であれば、大体どうとでもなる……と、思う」
断定は出来ないが、自分より移動速度が遅ければ勝てる。
全体的にバランスの取れたステータスを持っているティールだが、その中でも自身があるのは脚の速さと肩の強さ。
ただ動きが速いだけでは倒せない敵もいるが、ティールには敵を倒すだけの攻撃力がある。
「……でも、脚が速い。動きが速いだけでは倒せない敵もいるよね」
「それはそうだろうな。一見硬そうな体をしていない相手でも、予想外の防御力を持つモンスターはいる。同じく戦う対象が人であっても、予想外のスキル……ギフトを持っているかもしれない。それを考えれば、ある程度強い攻撃手段もないとな」
獣系のモンスターはランクが上がれば毛皮や毛が見た目よりも堅い。
平均的な冒険者が少し前にティールが戦ったブラッディ―タイガーを斬撃系の武器で斬ろうとしても、血が出ることはない。
薄い切り傷すらつかない……なんてことも十分にあり得る。
「敵よりも速い動きに、どんな相手にも通用する攻撃……改めて二人ともちょっとおかしいわね」
「……普通ではないのはある程度自覚してる。でも、そういう奴らはソニアたちの周りにもいるんだろ。だから、貴族の子供だけじゃなくて、冒険者にもそういった奴がいても不思議ではないだろ」
「それはそうなんだけど……でも、私の個人的な意見なんだけど、才能に溢れて努力をしてる貴族の子供でも、ティールぐらいの年齢の子がスカーレットリザードマンに一人で勝てるとは思えないのよ」
「あぁ~~……あの戦いは、どうだろうな。俺は相棒っていうか、本当に強い敵としか使わない武器を使ってなかったら、スカーレットリザードマンに勝てなかったと思ってる。それに、そんな武器を使っても俺の動きが……反応がワンテンポ遅れてたら、体が綺麗に斬り裂かれてた。つまり、紙一重の差で殺されてたかもしれない」
真剣な表情で語るティールだが、やはり四人はその光景が簡単に想像できない。
「あの戦いは武器の性能……に、頼った場面はあった。でも、そもそもその武器がなければ対等に戦えたかどうか……そんな感じの戦いだ」
さすがのティールも、体を真っ二つに斬り裂かれては復活するのは難しい。
「それに、才能は置いといて努力だけなら俺もずっと磨いてきた。先日行ったと思うが、どれだけ強くなることに身を置いてきたのか。それは強くなるうえで結構重要だと思うぞ。貴族の子供なら、戦闘以外にも色々と覚えることが多いだろう」
だから自分はその怪物生徒より強いのかもしれないな。
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「こういう相手は……うん、ちょっと面倒だな」
遺跡の中ではそれなりの頻度でモンスターと遭遇する。
それは既に解っていたティールだが、遭遇してしまったモンスターを見て少し愚痴をこぼした。
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