255 / 702
大金を稼いだ方法とは……
しおりを挟む
「ちなみによ、ラストの値段はいくらぐらいだったんだ? あっ、答えられないなら別にそれでも良いんだが」
「喉の治療費を含めて、白金貨五枚ですね」
「「「ッ!!!???」」」
ラストとの話し合いで自身が店でティールに買われたという話は聞いていた。
そしてティールが自分の怪我を直すために、わざわざ高い金を教会に払ったという話も聞いた。
全くもって立派な男だと先輩冒険者たちは思った。
(普通に考えれば、適性値段、か……いや、でもティールはまだDランクだろ?)
(確か歳はまだ十二歳、だったか? 実力はランク以上なんだから、それなりに稼いでるとは思ってたが……少なくとも、治療費を除いて白金貨数枚を払ってティールを買ったんだよな)
(Dランクの少年冒険者が、一括で白金貨数枚を払う、か……イギルたちがティールに嫉妬する気持ちも分かるぜ)
三人の先輩冒険者は今一度ティールを見て怪物、傑物、天才、鬼才。
そのような言葉が頭に浮かんだ。
ただ、直ぐにその考えを払拭するように頭を横に振った。
(違うんだよな~。確かに冒険者として……戦う者としての才能はあるんだろうけど、それ以上にこう……十二歳らしからぬ厚みを感じるんだよな)
(イギルたちがティールの実力や持ってる道具、仲間であるラストの存在に嫉妬してる内は、どう足掻いても追いつけないな)
ある程度冒険者として経験を積んであり、人を視る目があるからこそ、三人は冷静にティールの中身について判断出来た。
ただ……他の冒険者と比べて稼げるルーキーなのは分かるが、どうやって短期間で白金貨五枚もの大金を稼いだのか……気にならないわけがなかった。
「はっはっは!! やっぱり稼いでる奴は違うな。でもよ、どうやってそんな大金を稼いだんだ? まだ冒険者になって数か月程度だろ」
「そうですね。とりあえず半年は経ってません」
「だ、だよな」
ギルドの職員とそれなりの仲が良い先輩冒険者たちは、チラッとティールとラストがもしかしたら近いうちに、Cランクの昇格試験を受けられるかもしれない……という話を耳にした。
「もしかして、割の良い依頼でも受けたのか?」
ティールの実力なら、ランクが低くとも金を持っている権力者から指名依頼を受けてもおかしくない。
事実、ティールが行えることを考えれば、権力者が指名依頼を出す可能性は十分にある。
しかしティールがまだソロで活動している時に大金を得た切っ掛けは、指名依頼ではなかった。
「えっと……村から出て初めて着いた街に滞在している時に、ブラッディ―タイガーと遭遇したんですよ」
「「「ぶっ!!??」」」
三人はティールの口から出てきたまさかのビッグネームに驚き、エールを吹き出してしまった。
幸いにもティールやラストがエールに濡れることはなく、三人が二人の怒りを買うことはなかった。
「ぶ、ブラッディ―タイガーって、あのブラッディ―タイガーか!?」
「あのブラッディ―タイガーで合ってると思います」
三人の先輩冒険者だけではなく、話声が聞こえていたギルド職員たちが啞然とした。
それほどまでに、ティールが一人で倒したモンスターの名は周囲の者たちに衝撃を与えた。
「すげぇな……よく一人で勝てたな」
「偶々というか……戦う前に街で購入した武器がなければ、多分負けてましたよ」
その頃のティールも例外的な強さを持っていたが、本気のブラッディ―タイガーと戦って生き残れるかは怪しいところ。
だが、バースから格安値段で売ってもらえた豹雷に宿る技、雷雲のお陰でなんとか無事に討伐することに成功。
「勝つことは出来ましたけど、ボロボロでしたかね」
「ボロボロでもBランクのモンスターをソロで倒すなんて、本当に大したもんだぜ……因みによ、ブラッディ―タイガーの素材とかって残ってたりしねぇか?」
「素材は残ってませんけど、素材を使った武器ならありますよ」
斬馬刀とバスターソードを奥にはテーブルが小さいので、ティールは比較的小さいソードブレイカーを取り出してテーブルの上に置いた。
「喉の治療費を含めて、白金貨五枚ですね」
「「「ッ!!!???」」」
ラストとの話し合いで自身が店でティールに買われたという話は聞いていた。
そしてティールが自分の怪我を直すために、わざわざ高い金を教会に払ったという話も聞いた。
全くもって立派な男だと先輩冒険者たちは思った。
(普通に考えれば、適性値段、か……いや、でもティールはまだDランクだろ?)
(確か歳はまだ十二歳、だったか? 実力はランク以上なんだから、それなりに稼いでるとは思ってたが……少なくとも、治療費を除いて白金貨数枚を払ってティールを買ったんだよな)
(Dランクの少年冒険者が、一括で白金貨数枚を払う、か……イギルたちがティールに嫉妬する気持ちも分かるぜ)
三人の先輩冒険者は今一度ティールを見て怪物、傑物、天才、鬼才。
そのような言葉が頭に浮かんだ。
ただ、直ぐにその考えを払拭するように頭を横に振った。
(違うんだよな~。確かに冒険者として……戦う者としての才能はあるんだろうけど、それ以上にこう……十二歳らしからぬ厚みを感じるんだよな)
(イギルたちがティールの実力や持ってる道具、仲間であるラストの存在に嫉妬してる内は、どう足掻いても追いつけないな)
ある程度冒険者として経験を積んであり、人を視る目があるからこそ、三人は冷静にティールの中身について判断出来た。
ただ……他の冒険者と比べて稼げるルーキーなのは分かるが、どうやって短期間で白金貨五枚もの大金を稼いだのか……気にならないわけがなかった。
「はっはっは!! やっぱり稼いでる奴は違うな。でもよ、どうやってそんな大金を稼いだんだ? まだ冒険者になって数か月程度だろ」
「そうですね。とりあえず半年は経ってません」
「だ、だよな」
ギルドの職員とそれなりの仲が良い先輩冒険者たちは、チラッとティールとラストがもしかしたら近いうちに、Cランクの昇格試験を受けられるかもしれない……という話を耳にした。
「もしかして、割の良い依頼でも受けたのか?」
ティールの実力なら、ランクが低くとも金を持っている権力者から指名依頼を受けてもおかしくない。
事実、ティールが行えることを考えれば、権力者が指名依頼を出す可能性は十分にある。
しかしティールがまだソロで活動している時に大金を得た切っ掛けは、指名依頼ではなかった。
「えっと……村から出て初めて着いた街に滞在している時に、ブラッディ―タイガーと遭遇したんですよ」
「「「ぶっ!!??」」」
三人はティールの口から出てきたまさかのビッグネームに驚き、エールを吹き出してしまった。
幸いにもティールやラストがエールに濡れることはなく、三人が二人の怒りを買うことはなかった。
「ぶ、ブラッディ―タイガーって、あのブラッディ―タイガーか!?」
「あのブラッディ―タイガーで合ってると思います」
三人の先輩冒険者だけではなく、話声が聞こえていたギルド職員たちが啞然とした。
それほどまでに、ティールが一人で倒したモンスターの名は周囲の者たちに衝撃を与えた。
「すげぇな……よく一人で勝てたな」
「偶々というか……戦う前に街で購入した武器がなければ、多分負けてましたよ」
その頃のティールも例外的な強さを持っていたが、本気のブラッディ―タイガーと戦って生き残れるかは怪しいところ。
だが、バースから格安値段で売ってもらえた豹雷に宿る技、雷雲のお陰でなんとか無事に討伐することに成功。
「勝つことは出来ましたけど、ボロボロでしたかね」
「ボロボロでもBランクのモンスターをソロで倒すなんて、本当に大したもんだぜ……因みによ、ブラッディ―タイガーの素材とかって残ってたりしねぇか?」
「素材は残ってませんけど、素材を使った武器ならありますよ」
斬馬刀とバスターソードを奥にはテーブルが小さいので、ティールは比較的小さいソードブレイカーを取り出してテーブルの上に置いた。
26
お気に入りに追加
1,801
あなたにおすすめの小説
D○ZNとY○UTUBEとウ○イレでしかサッカーを知らない俺が女子エルフ代表の監督に就任した訳だが
米俵猫太朗
ファンタジー
ただのサッカーマニアである青年ショーキチはひょんな事から異世界へ転移してしまう。
その世界では女性だけが行うサッカーに似た球技「サッカードウ」が普及しており、折りしもエルフ女子がミノタウロス女子に蹂躙されようとしているところであった。
更衣室に乱入してしまった縁からエルフ女子代表を率いる事になった青年は、秘策「Tバック」と「トップレス」戦術を授け戦いに挑む。
果たしてエルフチームはミノタウロスチームに打ち勝ち、敗者に課される謎の儀式「センシャ」を回避できるのか!?
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
異世界災派 ~1514億4000万円を失った自衛隊、海外に災害派遣す~
ス々月帶爲
ファンタジー
元号が令和となり一年。自衛隊に数々の災難が、襲い掛かっていた。
対戦闘機訓練の為、東北沖を飛行していた航空自衛隊のF-35A戦闘機が何の前触れもなく消失。そのF-35Aを捜索していた海上自衛隊護衛艦のありあけも、同じく捜索活動を行っていた、いずも型護衛艦2番艦かがの目の前で消えた。約一週間後、厄災は東北沖だけにとどまらなかった事を知らされた。陸上自衛隊の車両を積載しアメリカ合衆国に向かっていたC-2が津軽海峡上空で消失したのだ。
これまでの損失を計ると、1514億4000万円。過去に類をみない、恐ろしい損害を負った防衛省・自衛隊。
防衛省は、対策本部を設置し陸上自衛隊の東部方面隊、陸上総隊より選抜された部隊で混成団を編成。
損失を取り返すため、何より一緒に消えてしまった自衛官を見つけ出す為、混成団を災害派遣する決定を下したのだった。
派遣を任されたのは、陸上自衛隊のプロフェッショナル集団、陸上総隊の隷下に入る中央即応連隊。彼等は、国際平和協力活動等に尽力する為、先遣部隊等として主力部隊到着迄活動基盤を準備する事等を主任務とし、日々訓練に励んでいる。
其の第一中隊長を任されているのは、暗い過去を持つ新渡戸愛桜。彼女は、この派遣に於て、指揮官としての特殊な苦悩を味い、高みを目指す。
海上自衛隊版、出しました
→https://ncode.syosetu.com/n3744fn/
※作中で、F-35A ライトニングⅡが墜落したことを示唆する表現がございます。ですが、実際に墜落した時より前に書かれた表現ということをご理解いただければ幸いです。捜索が打ち切りとなったことにつきまして、本心から残念に思います。搭乗員の方、戦闘機にご冥福をお祈り申し上げます。
「小説家になろう」に於ても投稿させて頂いております。
→https://ncode.syosetu.com/n3570fj/
「カクヨム」に於ても投稿させて頂いております。
→https://kakuyomu.jp/works/1177354054889229369
転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて
ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記
大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。
それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。
生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、
まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。
しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。
無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。
これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?
依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、
いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。
誰かこの悪循環、何とかして!
まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる