225 / 724
基本、好きなように
しおりを挟む
街を出てから一度休憩を挟み、ようやく巣が見える場所へと到着。
「あそこがコボルトとオークの巣だね」
「一丁前に俺ら人間の真似をして家まで作ってやがるな」
「どうやらそれなりに知識を持っている個体がいるようだな」
開けた場所には五十程のコボルトとオークがおんぼろな住処を作り、滞在していた。
「おい、イグラス。あそこ」
「……それっぽい場所だね」
コボルトはあまり人間の女に興味ないが、オークはバリバリ性的に興味がある。
ボロボロの住処と違って、一つだけ比較的まともな住処があった。
「情報では何人かの女性が連れ去られたという情報がある。もしかしたらあそこに集められてるかもしれないね。予定通り、いこう」
オークの習性的に連れ攫った異種族の女性を閉じ込めて好き勝手にしている可能性が高い。
そういった状況も事前に考えており、救援部隊の構成も考えていた。
「よし、各自動いてくれ」
目標はコボルト、オークの全滅。
そしてオークは比較的に強い部類に一応入るので、逃げ出した個体が冒険者になったばかりのルーキーと遭遇してしまうと、あっさり殺されてしまうかもしれない。
故に、巣を囲う様にして逃げ場をなくしながら倒していく。
しかしこの作戦を行う際、背後から全く関係無いモンスターからの襲撃に備えなければならない。
「マスター、俺は傍に居た方が良いか?」
「いいや、その必要はないよ」
自分の立場を自覚しているからこそ、一応そばに居た方が良いのか尋ねた。
だが、ティールにとってそのような心配は不要だった。
「基本的にお前が暴れたいように暴れて良いよ。ただ、他の同業者たちに迷惑を掛けないようになた」
「了解!!」
好きに暴れて良い。
その言葉を貰ったラストは身体強化のスキルを発動し、大剣を鞘から引き抜いて文字通り暴れ始めた。
(……気難しい奴が多いと、自分たちの獲物を奪うなって声を荒げそうだな)
暴れてはいるが、ラストは戦況をしっかりと把握している。
後方から遠距離攻撃で狙われているであろう個体は攻撃せず、他の冒険者と戦っている個体にはジャブ程度に攻撃を加えて骨を折るぐらいにして次に移る。
「ガルルァアアアアッ!!!!」
「逃げないのは勇敢だな」
蛮勇とも言える行動をするコボルトに対してそんな言葉を送るティール。
自分たちの住処を襲われ、死に物狂いで襲い掛かって来るコボルトは普段の数倍迫力がある。
ただ、ティールからすればそこまで大した迫力とは思わない。
そして今まで何度も実戦で戦ってきた相手ということもあり、特に恐れる必要はない。
油断大敵と思われるかもしれないが、コボルトとティールにはそこまで大きな力の差がある。
通常種のコボルトは全力で身体強化のスキルを使い、どこかで拾ったであろうロングソードを振り回す。
それに対してティールは素の状態で体を後ろにそらして躱し、そのまま右足を蹴り上げてコボルトの顎を蹴りぬいた。
蹴りは見事に決まり、頭を体から引き抜いて頭が空高く跳んだ。
「これ貰いっと」
右手に持っていたボロいロングソードを奪い、そのまま次に襲って来るオークに全力投球。
ティールを襲おうとしていたオークは終手て投擲をガードしようとしたが、間に合わず喉を貫かれた。
そしてロングソードはそのままコボルトナイトの肩に直撃。
そのチャンスを逃さず、先輩冒険者が大斧で胴体を全力で切り裂いた。
(向こうの大将はコボルトジェネラルとオークジェネラルか)
群れの二大将はまだ戦場に参加しておらず、中心部から声を荒げて他の上位種や通常種に指示を飛ばしている。
統率のスキルによって、支持を出された同族たちの身体能力を上昇。
まだ自分たちが出る幕ではない……なんて司令官っぽいことを考えているが、中々の勢いで同族たちが倒されていくことに対して、完全に焦りを感じていた。
「あそこがコボルトとオークの巣だね」
「一丁前に俺ら人間の真似をして家まで作ってやがるな」
「どうやらそれなりに知識を持っている個体がいるようだな」
開けた場所には五十程のコボルトとオークがおんぼろな住処を作り、滞在していた。
「おい、イグラス。あそこ」
「……それっぽい場所だね」
コボルトはあまり人間の女に興味ないが、オークはバリバリ性的に興味がある。
ボロボロの住処と違って、一つだけ比較的まともな住処があった。
「情報では何人かの女性が連れ去られたという情報がある。もしかしたらあそこに集められてるかもしれないね。予定通り、いこう」
オークの習性的に連れ攫った異種族の女性を閉じ込めて好き勝手にしている可能性が高い。
そういった状況も事前に考えており、救援部隊の構成も考えていた。
「よし、各自動いてくれ」
目標はコボルト、オークの全滅。
そしてオークは比較的に強い部類に一応入るので、逃げ出した個体が冒険者になったばかりのルーキーと遭遇してしまうと、あっさり殺されてしまうかもしれない。
故に、巣を囲う様にして逃げ場をなくしながら倒していく。
しかしこの作戦を行う際、背後から全く関係無いモンスターからの襲撃に備えなければならない。
「マスター、俺は傍に居た方が良いか?」
「いいや、その必要はないよ」
自分の立場を自覚しているからこそ、一応そばに居た方が良いのか尋ねた。
だが、ティールにとってそのような心配は不要だった。
「基本的にお前が暴れたいように暴れて良いよ。ただ、他の同業者たちに迷惑を掛けないようになた」
「了解!!」
好きに暴れて良い。
その言葉を貰ったラストは身体強化のスキルを発動し、大剣を鞘から引き抜いて文字通り暴れ始めた。
(……気難しい奴が多いと、自分たちの獲物を奪うなって声を荒げそうだな)
暴れてはいるが、ラストは戦況をしっかりと把握している。
後方から遠距離攻撃で狙われているであろう個体は攻撃せず、他の冒険者と戦っている個体にはジャブ程度に攻撃を加えて骨を折るぐらいにして次に移る。
「ガルルァアアアアッ!!!!」
「逃げないのは勇敢だな」
蛮勇とも言える行動をするコボルトに対してそんな言葉を送るティール。
自分たちの住処を襲われ、死に物狂いで襲い掛かって来るコボルトは普段の数倍迫力がある。
ただ、ティールからすればそこまで大した迫力とは思わない。
そして今まで何度も実戦で戦ってきた相手ということもあり、特に恐れる必要はない。
油断大敵と思われるかもしれないが、コボルトとティールにはそこまで大きな力の差がある。
通常種のコボルトは全力で身体強化のスキルを使い、どこかで拾ったであろうロングソードを振り回す。
それに対してティールは素の状態で体を後ろにそらして躱し、そのまま右足を蹴り上げてコボルトの顎を蹴りぬいた。
蹴りは見事に決まり、頭を体から引き抜いて頭が空高く跳んだ。
「これ貰いっと」
右手に持っていたボロいロングソードを奪い、そのまま次に襲って来るオークに全力投球。
ティールを襲おうとしていたオークは終手て投擲をガードしようとしたが、間に合わず喉を貫かれた。
そしてロングソードはそのままコボルトナイトの肩に直撃。
そのチャンスを逃さず、先輩冒険者が大斧で胴体を全力で切り裂いた。
(向こうの大将はコボルトジェネラルとオークジェネラルか)
群れの二大将はまだ戦場に参加しておらず、中心部から声を荒げて他の上位種や通常種に指示を飛ばしている。
統率のスキルによって、支持を出された同族たちの身体能力を上昇。
まだ自分たちが出る幕ではない……なんて司令官っぽいことを考えているが、中々の勢いで同族たちが倒されていくことに対して、完全に焦りを感じていた。
20
お気に入りに追加
1,803
あなたにおすすめの小説

悪役令嬢、資産運用で学園を掌握する 〜王太子?興味ない、私は経済で無双する〜
言諮 アイ
ファンタジー
異世界貴族社会の名門・ローデリア学園。そこに通う公爵令嬢リリアーナは、婚約者である王太子エドワルドから一方的に婚約破棄を宣言される。理由は「平民の聖女をいじめた悪役だから」?——はっ、笑わせないで。
しかし、リリアーナには王太子も知らない"切り札"があった。
それは、前世の知識を活かした「資産運用」。株式、事業投資、不動産売買……全てを駆使し、わずか数日で貴族社会の経済を掌握する。
「王太子?聖女?その程度の茶番に構っている暇はないわ。私は"資産"でこの学園を支配するのだから。」
破滅フラグ?なら経済で粉砕するだけ。
気づけば、学園も貴族もすべてが彼女の手中に——。
「お前は……一体何者だ?」と動揺する王太子に、リリアーナは微笑む。
「私はただの投資家よ。負けたくないなら……資本主義のルールを学びなさい。」
学園を舞台に繰り広げられる異世界経済バトルロマンス!
"悪役令嬢"、ここに爆誕!

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜
犬社護
ファンタジー
5歳の誕生日、アキトは不思議な夢を見た。舞台は日本、自分は小学生6年生の子供、様々なシーンが走馬灯のように進んでいき、突然の交通事故で終幕となり、そこでの経験と知識の一部を引き継いだまま目を覚ます。それが前世の記憶で、自分が異世界へと転生していることに気付かないまま日常生活を送るある日、父親の職場見学のため、街中にある遺跡へと出かけ、そこで出会った貴族の幼女と話し合っている時に誘拐されてしまい、大ピンチ! 目隠しされ不安の中でどうしようかと思案していると、小さなもふもふ精霊-白虎が救いの手を差し伸べて、アキトの秘めたる力が解放される。
この小さき白虎との出会いにより、アキトの運命が思わぬ方向へと動き出す。
これは、アキトと訳ありモフモフたちの起こす品質開拓物語。

いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します
湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。
そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。
しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。
そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。
この死亡は神様の手違いによるものだった!?
神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。
せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!!
※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中

異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる