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一つの目安になる
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「ふんっ!!!!」
襲い掛かってきたコボルトファイターとナイトに怯えることなく、ラストは大剣に魔力を纏わせて突っ込んだ。
身体強化を使用すれば、身体能力で大きく差を広げることが出来る。
しかしそれは必要ないと判断し、まずはコボルトファイターの攻撃を軽く躱して胴体を斬り裂いた。
「ははっ! やっぱり一撃か」
簡単にコボルトファイターが斬り裂かれた結果にティールは特に驚かなかった。
ラストの身体能力をもってすれば、攻撃を食らうことなくコボルトの上位種を殲滅出来ると分かっていた。
続くコボルトナイトの剣を受け、押し込まれることなくそのまま押し返した。
「ぬるいな」
態勢が崩れたコボルトナイトの隙を見逃さず、大剣を横に振って首をバッサリ斬り落とした。
だが、ラストがナイトとファイターを倒している時間でメイジが魔法を完成させた。
(ファイヤーランスか。もしかしてそれなりに強いメイジなのかもな)
使えれば一人前と言われている基準になるランス系の攻撃魔法。
Dランクの冒険者にとって中々厳しい魔法だ。
しかしそんな攻撃に対してラストは焦ることなく大剣を持つ向きを変え、迫るファイヤーランスに豪快なスイングをぶつけた。
火の槍対、竜人が放つ豪快なスイング。その結果……見事豪快なスイングが勝利した。
「「…………」」
まさかの結果にランサーとメイジは唖然とした表情を浮かべる。
「戦闘中なのにのんきだな」
二体が呆然としている間にラストは近づいて一気に首を刎ねた。
コボルトの上位種四体との戦い……全くもってラストの相手にならなかった。
「圧倒的だったな」
「……これぐらいの敵では、実力を見せたとは言えない」
「かもしれないな。でも、一つの目安にはなる。それに俺は冒険者になってまだ半年も経っていない。これからラストにも登録してもらうが、登録したばかりのルーキーがコボルトの上位種を瞬殺できたらどう思う?」
「それなりに戦えるルーキー……といったところか」
「そういうことだ。それが解っただけでも嬉しいよ」
既にラストの実力はずば抜けている。
であれば、目立つ功績を上げてもラストがいるからという理由でティールだけが目立つということはなくなる。
「……次に遭遇したモンスターも俺が倒して良いですか」
「お、おぅ。勿論いいぞ。ただ、その前に剥ぎ取りするぞ」
「はい、分かりました」
ラストも解体のスキルを習得していたので、剥ぎ取りはスムーズに終わった。
「ティールさん、その血を一気に抜く技術……凄いですね」
「ふふ、そうだろ。魔力操作を鍛え続けたら出来るようになったんだ。まっ、動いてる相手にはできないけどな」
何気に習得して良かった技術、上位に入る。
一般的には素材として血が使えなければ首を切って逆さにして血が抜けるまで待つ。
血が抜けきるまでそれなりに時間が掛かってしまうが、ティールの魔力操作があれば短時間で血抜きが終わる。
「というか、ラストも凄いスラスラと解体するよな。やっぱり結構経験積んでたのか?」
「そうだな。それなりに解体を行う機会が多かったから自然とスキルを習得していた」
ティールもそれなりに解体の腕には自信があるが、ラストの腕はティールよりもやや上だった。
本来であればどちらかが見張りを行い、もう一人が解体作業を行うのだが、二人とも気配感知の腕が優れているのでモンスターがやってくれば直ぐに気付く。
「それじゃ、もっと強いモンスターを探すか」
「コボルトの上位種では満足できなかったから……せめてDランクの上位ぐらいのモンスターが好ましいな」
もっとティールに自分の実力が役立つことを知ってほしい。
そう思ったラストは今日遭遇したモンスター全てと戦い、全勝。
結局Cランクのモンスターと遭遇することはなかったが、ティールはラストの実力が年齢の割にかなり飛び抜けていることを……そして頼もしい仲間だと再認識した。
ただ…………遭遇したモンスターを全てラストが倒してしまったので、少々暇になった。
襲い掛かってきたコボルトファイターとナイトに怯えることなく、ラストは大剣に魔力を纏わせて突っ込んだ。
身体強化を使用すれば、身体能力で大きく差を広げることが出来る。
しかしそれは必要ないと判断し、まずはコボルトファイターの攻撃を軽く躱して胴体を斬り裂いた。
「ははっ! やっぱり一撃か」
簡単にコボルトファイターが斬り裂かれた結果にティールは特に驚かなかった。
ラストの身体能力をもってすれば、攻撃を食らうことなくコボルトの上位種を殲滅出来ると分かっていた。
続くコボルトナイトの剣を受け、押し込まれることなくそのまま押し返した。
「ぬるいな」
態勢が崩れたコボルトナイトの隙を見逃さず、大剣を横に振って首をバッサリ斬り落とした。
だが、ラストがナイトとファイターを倒している時間でメイジが魔法を完成させた。
(ファイヤーランスか。もしかしてそれなりに強いメイジなのかもな)
使えれば一人前と言われている基準になるランス系の攻撃魔法。
Dランクの冒険者にとって中々厳しい魔法だ。
しかしそんな攻撃に対してラストは焦ることなく大剣を持つ向きを変え、迫るファイヤーランスに豪快なスイングをぶつけた。
火の槍対、竜人が放つ豪快なスイング。その結果……見事豪快なスイングが勝利した。
「「…………」」
まさかの結果にランサーとメイジは唖然とした表情を浮かべる。
「戦闘中なのにのんきだな」
二体が呆然としている間にラストは近づいて一気に首を刎ねた。
コボルトの上位種四体との戦い……全くもってラストの相手にならなかった。
「圧倒的だったな」
「……これぐらいの敵では、実力を見せたとは言えない」
「かもしれないな。でも、一つの目安にはなる。それに俺は冒険者になってまだ半年も経っていない。これからラストにも登録してもらうが、登録したばかりのルーキーがコボルトの上位種を瞬殺できたらどう思う?」
「それなりに戦えるルーキー……といったところか」
「そういうことだ。それが解っただけでも嬉しいよ」
既にラストの実力はずば抜けている。
であれば、目立つ功績を上げてもラストがいるからという理由でティールだけが目立つということはなくなる。
「……次に遭遇したモンスターも俺が倒して良いですか」
「お、おぅ。勿論いいぞ。ただ、その前に剥ぎ取りするぞ」
「はい、分かりました」
ラストも解体のスキルを習得していたので、剥ぎ取りはスムーズに終わった。
「ティールさん、その血を一気に抜く技術……凄いですね」
「ふふ、そうだろ。魔力操作を鍛え続けたら出来るようになったんだ。まっ、動いてる相手にはできないけどな」
何気に習得して良かった技術、上位に入る。
一般的には素材として血が使えなければ首を切って逆さにして血が抜けるまで待つ。
血が抜けきるまでそれなりに時間が掛かってしまうが、ティールの魔力操作があれば短時間で血抜きが終わる。
「というか、ラストも凄いスラスラと解体するよな。やっぱり結構経験積んでたのか?」
「そうだな。それなりに解体を行う機会が多かったから自然とスキルを習得していた」
ティールもそれなりに解体の腕には自信があるが、ラストの腕はティールよりもやや上だった。
本来であればどちらかが見張りを行い、もう一人が解体作業を行うのだが、二人とも気配感知の腕が優れているのでモンスターがやってくれば直ぐに気付く。
「それじゃ、もっと強いモンスターを探すか」
「コボルトの上位種では満足できなかったから……せめてDランクの上位ぐらいのモンスターが好ましいな」
もっとティールに自分の実力が役立つことを知ってほしい。
そう思ったラストは今日遭遇したモンスター全てと戦い、全勝。
結局Cランクのモンスターと遭遇することはなかったが、ティールはラストの実力が年齢の割にかなり飛び抜けていることを……そして頼もしい仲間だと再認識した。
ただ…………遭遇したモンスターを全てラストが倒してしまったので、少々暇になった。
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