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からかいでは済まない一言
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「ようやく……着いた」
ダッシュで移動した甲斐もあり、本来の移動時間よりも圧倒的に短い日数でヤドラスに到着。
時間は現在昼過ぎだが、門の前にはそれなりに多くの者たちが中に入ろうと並んでいた。
(やっぱり冒険者が多いな。ヤドラスの遺跡はダンジョンじゃないけど、お宝が手に入る場合もあるから、冒険者にとっては魅力的な狩場なんだろうな)
未だにその全てが解明されていないヤドラスの遺跡。
冒険者たちが望むお宝というのも確かに存在するが、それ以上に多くのモンスターが徘徊している。
中にはベテランの冒険者でも敵わないモンスターも潜んでおり、冒険者になったばかりのルーキーにはあまりお勧めできない狩場でもある。
ただ……ギルドはヤドラスの遺跡に入る内容を強制していない。
冒険者の基本ルールとして、自己責任にという至って当たり前の内容がある。
ギルドが遺跡の中に入るランクなどを規制していないので、ティールも問題無く遺跡を探索することが出来る。
(結構強そうな冒険者がいれば、まだ冒険者になって一、二年ぐらいのルーキーもいるな。まずは遺跡に関する依頼以外の仕事を受けて準備を整えてから遺跡に挑戦ってところか?)
事前に多少ではあるが、ヤドラスの遺跡について調べていた。
ダンジョンではないが、ダンジョンと似ている部分がある。
その似ていない部分がルーキーを阻む大きな壁となっている。
遺跡では稀に普段は現れない様な高ランクのモンスターがフラっと現れる。
ベテランの冒険者であれば遭遇する前に気配に気づき、戦わずに退散することが出来るだろうが、ルーキーであれば気付く前に遭遇して呆気なく潰される。
そんなケースは決して少なくない。
少なくないのだが……遺跡を探索しようとするルーキーは年々減ることはない。
死のリスクが高いのに、何故わざわざ死地に向かおうとするのか?
それはいたって簡単な理由だ。
お宝を発見出来れば、大金が手に入るからだ。
大金が手に入れば装備を新調し、美味い飯も食べられる。
その他には、モンスター同士がぶつかって残った死体から素材や魔石を回収。
世間一般的には死体漁りと呼ばれている。
同業者からはバレれば嫌われてしまうグレーな行為だが、死のリスクを下げて金を稼ぐにはもってこいの方法。
だが、それをこなすにも最低限の身体能力と道具が必要になる。
「ふぅ、結構待ったな」
ようやくティールの番になり、門兵にギルドカードを見せる。
「ッ!! その歳でDランクか、中々将来有望なルーキーみたいだな」
「ありがとうございます。師匠が良かっただけですよ」
「それでも、その歳でDランクは凄いことに変わりない。ただ、遺跡に潜る時は他の冒険者と一時的にパーティーを組んだ方が良いぞ」
「忠告どうも」
門兵の忠告を軽く流し、街へと入った。
中に入ると外から聞こえてきた人々の声が更に大きく聞こえ、思わず耳を塞いでしまった。
「……昼間だからか、出歩いている人が多いな」
ゆっくりと耳から手を離し、辺りをグルっと見回す。
するとソルートよりも多くの人で溢れかえっていた。
「凄いな。これが都会、か」
ヤドラスよりも大きな街は存在するが、国の中でもヤドラスは上位に入る都市の大きさを誇る。
そんな街をゆっくりと見歩き、とりあえず腹が減ったので屋台で串焼きを何本か買った。
「うん、オークの肉は安定の美味さだな」
オークの串焼きに満足しながら一先ずギルドを目指す。
特に今日依頼を受けるつもりはないが、ヤドラスの冒険者ギルドはいったいどんなものなのか、それが単純に気になった。
二店目で買った屋台の店主にギルドの場所を聞き、すれ違う人たちをチラチラと見てしまう。
(ソルートより人種の幅が広いな。今のは竜人族、だよな? ふざけてリザードンとか言ったらぶっ飛ばされるんだっけ)
竜人族は角が生え、体の所々に鱗が生えているところ以外は人族と大差はない。
ただ、ティールがジンに教えてもらった通り、ふざけてリザードン野郎などとからかえば、遠慮なしにぶっ飛ばされる。
ダッシュで移動した甲斐もあり、本来の移動時間よりも圧倒的に短い日数でヤドラスに到着。
時間は現在昼過ぎだが、門の前にはそれなりに多くの者たちが中に入ろうと並んでいた。
(やっぱり冒険者が多いな。ヤドラスの遺跡はダンジョンじゃないけど、お宝が手に入る場合もあるから、冒険者にとっては魅力的な狩場なんだろうな)
未だにその全てが解明されていないヤドラスの遺跡。
冒険者たちが望むお宝というのも確かに存在するが、それ以上に多くのモンスターが徘徊している。
中にはベテランの冒険者でも敵わないモンスターも潜んでおり、冒険者になったばかりのルーキーにはあまりお勧めできない狩場でもある。
ただ……ギルドはヤドラスの遺跡に入る内容を強制していない。
冒険者の基本ルールとして、自己責任にという至って当たり前の内容がある。
ギルドが遺跡の中に入るランクなどを規制していないので、ティールも問題無く遺跡を探索することが出来る。
(結構強そうな冒険者がいれば、まだ冒険者になって一、二年ぐらいのルーキーもいるな。まずは遺跡に関する依頼以外の仕事を受けて準備を整えてから遺跡に挑戦ってところか?)
事前に多少ではあるが、ヤドラスの遺跡について調べていた。
ダンジョンではないが、ダンジョンと似ている部分がある。
その似ていない部分がルーキーを阻む大きな壁となっている。
遺跡では稀に普段は現れない様な高ランクのモンスターがフラっと現れる。
ベテランの冒険者であれば遭遇する前に気配に気づき、戦わずに退散することが出来るだろうが、ルーキーであれば気付く前に遭遇して呆気なく潰される。
そんなケースは決して少なくない。
少なくないのだが……遺跡を探索しようとするルーキーは年々減ることはない。
死のリスクが高いのに、何故わざわざ死地に向かおうとするのか?
それはいたって簡単な理由だ。
お宝を発見出来れば、大金が手に入るからだ。
大金が手に入れば装備を新調し、美味い飯も食べられる。
その他には、モンスター同士がぶつかって残った死体から素材や魔石を回収。
世間一般的には死体漁りと呼ばれている。
同業者からはバレれば嫌われてしまうグレーな行為だが、死のリスクを下げて金を稼ぐにはもってこいの方法。
だが、それをこなすにも最低限の身体能力と道具が必要になる。
「ふぅ、結構待ったな」
ようやくティールの番になり、門兵にギルドカードを見せる。
「ッ!! その歳でDランクか、中々将来有望なルーキーみたいだな」
「ありがとうございます。師匠が良かっただけですよ」
「それでも、その歳でDランクは凄いことに変わりない。ただ、遺跡に潜る時は他の冒険者と一時的にパーティーを組んだ方が良いぞ」
「忠告どうも」
門兵の忠告を軽く流し、街へと入った。
中に入ると外から聞こえてきた人々の声が更に大きく聞こえ、思わず耳を塞いでしまった。
「……昼間だからか、出歩いている人が多いな」
ゆっくりと耳から手を離し、辺りをグルっと見回す。
するとソルートよりも多くの人で溢れかえっていた。
「凄いな。これが都会、か」
ヤドラスよりも大きな街は存在するが、国の中でもヤドラスは上位に入る都市の大きさを誇る。
そんな街をゆっくりと見歩き、とりあえず腹が減ったので屋台で串焼きを何本か買った。
「うん、オークの肉は安定の美味さだな」
オークの串焼きに満足しながら一先ずギルドを目指す。
特に今日依頼を受けるつもりはないが、ヤドラスの冒険者ギルドはいったいどんなものなのか、それが単純に気になった。
二店目で買った屋台の店主にギルドの場所を聞き、すれ違う人たちをチラチラと見てしまう。
(ソルートより人種の幅が広いな。今のは竜人族、だよな? ふざけてリザードンとか言ったらぶっ飛ばされるんだっけ)
竜人族は角が生え、体の所々に鱗が生えているところ以外は人族と大差はない。
ただ、ティールがジンに教えてもらった通り、ふざけてリザードン野郎などとからかえば、遠慮なしにぶっ飛ばされる。
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